模擬試験問題

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これは模擬試験
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科目:熱力学 教員:斎藤晴雄 7 月 29 日(金) 2 時限(10:35-12:05) 90 分間
クラス:S1-36,37,38 問題用紙 1 枚、解答用紙 1 枚、計算用紙 1 枚 持ち込み不可
以下ヒントの式を示します。これはヒントなので文字の定義は示しません。仮にヒント内に誤りがあっても訂正
の対象としません。
𝑑𝑈 = 𝑑 ′ 𝑄 + 𝑑 ′ 𝑊 = 𝑇𝑑𝑆 − 𝑝𝑑𝑉, (
𝜕𝑝
𝜕𝑇
𝜕𝑉
𝜕𝑇
𝜕𝑆
𝜕𝑝
𝜕𝑆
𝜕𝑉
) = −( ) ,( ) = ( ) ,( ) = ( ) ,( ) = −( )
𝜕𝑆 𝑉
𝜕𝑉 𝑆 𝜕𝑆 𝑃
𝜕𝑝 𝑆 𝜕𝑉 𝑇
𝜕𝑇 𝑉 𝜕𝑃 𝑇
𝜕𝑇 𝑃
𝐻 = 𝑈 + 𝑃𝑉, 𝐹 = 𝑈 − 𝑇𝑆, 𝐺 = 𝑈 − 𝑇𝑆 + 𝑃𝑉
𝛽=
1 𝜕𝑉
𝜕𝑃
1 𝜕𝑉
( ) , 𝐾 = −𝑉 ( ) , 𝜅 = − ( )
𝑉 𝜕𝑇 𝑃
𝜕𝑉 𝑇
𝑉 𝜕𝑃 𝑇
第一問、第二問は解答用紙の表面に、第三問以降は裏面に解答してください。
以下、常識的なノーテーション(文字の使い方)は明記されていない場合があります。
𝜕𝑃
第一問 (1) 圧力 P, 体積 V, 温度 T が PV=RT を満たす。R は定数である。( ) を求めよ。
𝜕𝑉
𝑇
𝑑𝑦
(2) x>0, y>0 であり、𝑧 = 𝑥 + 𝑦 + sin 2𝜋𝑥 + log 𝑦である。( ) を求めよ。
𝑑𝑥
𝑧
(3) 𝑧 = sin 2𝜋𝑥𝑦 である。𝑑𝑧 = 𝐴𝑑𝑥 + 𝐵𝑑𝑦となる A,B(いずれも x,y の関数)を求めよ。
(4) x, y, z が𝑎𝑥 2 + 𝑏𝑦 2 + 𝑐𝑧 2 = 1を満たす。a, b, c は正の定数である。𝑥 + 𝑦 + 𝑧の最大値を求めよ。
第二問
1mol の気体とピストンからなる系を考え、その状態として状態Aと状態Bを考える。それぞれ、
状態A 𝑇1 , 𝑝0 , 𝑉𝐴
状態 B 𝑇2 , 𝑝0 , 𝑉𝐵
である。気体は理想気体で、pV=RT かつ等圧比熱 Cp と等積比熱 Cv は一定で、Cp=Cv+R とする。
(1) 状態Aから状態Bまで図の VP 平面内の曲線Cに沿って動かす。外にする仕事を求めよ。
この曲線Cは、
𝑃 = 𝑃0 − 𝐴(𝑉 − 𝑉𝐴 )(𝑉 − 𝑉𝐵 )
という式で表される。A は正の定数で、非常に小さいけれども無視できない程度の大きさであるとする。
(2) (1)と同様に状態Aから状態Bまで動いたとき、この過程で中に入る熱を求めよ。
(3) 状態Aから曲線Cに沿って微小な体積 dV だけ動かすとき、中に入る熱を求めよ。
(4) 𝑇2 の高熱源と、𝑇1の低熱源がある。系を高熱源に接触させて状態Aから状態Bまで曲線Cに沿って動かし、
それから低熱源に接触させて状態Bから状態Aまで等圧線に沿って動かして元の状態にする。このサイクルの効
率を求めよ。
(5) A は(1)では非常に小さいとした。(4)の解答において A を大きくすると効率はどうなるか?これによって効
率の高いサイクルは実現可能か?
(6) 気体とピストンと力学的な系を組み合わせて、曲線Cに沿った過程を実現する方法を示せ。
第三問
(1)物質の圧力を断熱可逆的に変化させるとき、温度変化は
𝑑𝑇 =
𝑇𝑉𝛽
𝑑𝑝
𝐶𝑝
であることを示せ。ただし Cp は等圧比熱で、βは以下で定義される体積膨張率である。
𝛽=
1 𝜕𝑉
( )
𝑉 𝜕𝑇 𝑝
(2)水の密度は、
15℃ 999.1 kg/m3
20℃ 998.2 kg/m3
である。この温度における体積膨張率を求めよ。
(3)水の圧力を断熱的に 1 気圧から 10 気圧にすると温度はどうなるか。
第四問
(1) 1L の水に 10g の砂糖を溶かした時の 1 気圧における沸点を求めよ。
(2)1 気圧下で、1000 ワットの電力を用いて 1L の水を加熱する。沸点に達してから T 秒後の、水と水蒸気それ
ぞれの体積を求めよ。
第五問
1mol のファンデルワールス気体は以下の状態方程式を満たす。
(𝑝 +
𝑎
) (𝑣 − 𝑏) = 𝑅𝑇
𝑣2
(1) 等積比熱 Cv は一定とする。T,V における内部エネルギーを求めよ。
(2) 等圧比熱を求めよ。
(3) n モルの気体の満たすファンデルワールス方程式を書け。