2016年 7月13日号 Vol.313 7月の見通し 市場混乱の最中にも明るい兆し 株式の評価をやや強気へ 英国が国民投票でブレグジット(EU離脱)を 選択しました。 ピクテ・グループは、市場の過剰反応によっ てリスク資産は売られ過ぎと見ており、バリュ エーション面での投資妙味も高まっている株 式(新興国高配当株式含む)の評価を短期的 な投資環境見通しに基づいてやや強気に引 き上げました。 最近まで、市場では米国で年内に追加利上 げが実施されることを織り込んでいましたが、 英国のEU離脱により年内の米利上げ観測は 急速に後退しました。 2018年まで米国の追加利上げが実施されな いとの見通しすらでてきています。 一方、日銀、ECB、イングランド銀行(BOE)は 協調的な金融政策を維持すると見られます。 BOEは2,500億ポンドを追加供給する用意が あると表明し、必要とあらば利下げも辞さな い考えを示しました。ECBも銀行が必要とす る追加流動性供給を実施する用意があると 表明しました。 心配されるブレグジットの余波 英国のEU離脱を受けて金融機関などがロン ドンの拠点を大陸欧州に移すとの懸念もあ り、英国の不動産価格が大幅に下落する懸 念が高まっています。 こうしたなか、投資家から不動産投資ファンド の解約要請が殺到しましたが、複数の資産 運用会社は解約停止の措置を講じました。ま た、イタリアの銀行セクターが抱える不良債 権問題に対する懸念も高まっています。 今後の政治日程にも注意が必要です。 「ブレグジット」によってイタリア、スペイン、フ ランス等でEU懐疑派が台頭してきており、欧 州の政治情勢は不透明感を増しています。 10月には、イタリアで改革を推進するための 憲法改正案を巡る国民投票が実施されま す。 2017年3月にはオランダの総選挙、5月にフラ ンス大統領選挙、そして9月にはドイツの総選 挙を控えています。 さらに、2018年にはスコットランド独立を巡る 住民投票が再度実施される可能性もあり、今 後数年に渡って欧州の政治情勢が市場を揺 るがす状況が続く可能性もあります。 漁師は潮を見る 大方の予想を裏切ってEU離脱という結論を 導き出した英国の国民投票は金融市場に混 乱をもたらしました。 しかし、それと同時に、主要国の中央銀行が 協調的な金融政策を打ち出し、米国の利上 げ観測が後退するきっかけともなりました。 相場の格言に「漁師は潮を見る」というものが ありますが、今こそ市場の潮目の変化に目を こらすべき時ではないでしょうか。 「ブレグジット」による市場混乱の最中にも、 明るい兆しは見られるのですから。 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市 場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績 は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全 性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることが あります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護 機構の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかな る情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。
© Copyright 2024 ExpyDoc