2016.4.8 微分・ベクトル解析 (1) 講師:幹 浩文(A314) TA:西方良太 M1 (A305) A104(10:50~12:20) 【金】 https://www.wakayama-u.ac.jp/~hjs/bibun_bekutorukaiseki -2016/ 演習: A203(13:10~14:40) 【金】 1 連絡先 1.教員 :幹浩文 A314 e-mail [email protected] Tel 073-457-8196 2. TA : 西方良太 (M1) A305 e-mail [email protected] 3.演習担当教員:最田裕介 A408 e-mail [email protected] Tel 073-457-8184 2 「微分・ベクトル解析」の評価 試験の成績により評価 参考 1)出席状況 2)授業中の取り組み・積極性や学習状況 3)毎回レポートの提出状況とレポート成績 4)テスト成績 3 2016年度 [微分・ベクトル解析] レポート提出場所 システム工学部A棟3階の 学科事務室前レポートBOXにいれてください 期限:月曜日13:00まで(時間厳守) (BOX番号: C-1) 4 約 束 1) 2) 3) 4) 5) 飲食をしない 私語をしない 授業中に、本教科以外のほかのことをやらない 授業中の出入れは原則禁止 特別の理由がない限り、 授業開始15分後の入室は遠慮してください 6 教科書: すっきりわかる 微分方程式とベクトル解析 (皆本晃弥 著 近代科学社) ISBN978-4-7649-1049-2 参考書: 1.数理ベクトル解析(付録 微分方程式) (吉本武史 著 学術図書出版社)ISBN978-4-7806-0115-2 2.常微分方程式(矢嶋信男 著 岩波書店) ISBN4-00-007774-0 3.ベクトル解析(戸田盛和 著 岩波書店) ISBN4-00-007773-2 4.なっとくする微分方程式(小寺平治 講談社)ISBN4-06-154521-3 5.なっとくするベクトル(小野寺嘉孝 講談社)ISBN4-06-154533-7 7 構成科目間の関係 構成科目間の関係 古典力学 微分方程式 ベクトル解析 流体力学 電磁気学 電磁波工学 電気回路 電子回路 …………………. 微分・ベクトル解析 科目概要 「微分方程式とベクトル解析」に関する基礎と応用について解説する 専門科目の理論を理解するため不可欠となる数学の基礎的な知識 位置づけ 2年後期以降の力学関連科目や電磁気学などを学ぶうえで 欠かせない数学の基礎 12 「微分・ベクトル解析」の到達目標 微分方程式: ★ 微分方程式によるモデル化と方程式の解法を理解 ★ 1階微分方程式と2階微分方程式の基本的応用問題が解ける ベクトル解析: ★ 内積・外積などベクトルの基本演算 ★ スカラー場とベクトル場の微分 → grad・div・rot ★ ベクトルの微積分、線積分と面積分 (勾配・発散・回転) ★ グリーンの定理・ガウスの定理・ストークスの定理が理解でき、 応用問題が解けることを到達目標とする。 13 スケジュール 1.イントロダクション(数学の基礎準備・解説) 4/8 2.ベクトルとスカラー(基本演算と内積・外積) 4/15 3.ベクトルの微分と積分 4/22 (来週4/29 : 祝日) 4.スカラー場とベクトル場の微分(grad勾配) 5/6 5.スカラー場とベクトル場の微分(div発散) 5/13 6.スカラー場とベクトル場の微分(rot回転) 5/20 7.曲面と曲線 5/27 8.スカラー場とベクトル場の積分(線積分) 6/3 9.スカラー場とベクトル場の積分(面積分) 6/10 10.積分公式(グリーンの定理) 6/17 (来週6/24 授業休止日:学生大会) 11.積分公式(ガウスの定理) 7/1 12.積分公式(ストークスの定理) 7/8 13. 微分方程式(1階微分方程式) 7/15 14. 微分方程式(2階微分方程式) 7/22 15. まとめと演習 7/29 8/2(火)~8/8(月):テスト期間、 (8/5)期末テスト日(予定) 14 微分方程式・ベクトル解析 𝑥 2 + 4𝑥 + 3 = 0, 2𝑥 + 3𝑦 = 3 𝑥+𝑦 =2 代数方程式 算用数字の代りに文字記号で表わされた変数 𝑑2 𝑥 𝑑𝑡 2 𝑑𝑥 +2 𝑑𝑡 + 3𝑥 = 𝑠𝑖𝑛𝜔𝑡 , 𝑑𝑥 +𝑦 =0 𝑑𝑡 𝑑𝑦 −𝑥 =0 𝑑𝑡 未知関数:𝑥 𝑡 , 𝑦 𝑡 微分方程式 ベクトル解析: ベクトル場を扱う数学の一分野。 普通は三次元ベクトルを対象とし,和,差,積を使った演算 のほかに,微分,積分などを含む。 物理学では,流体力学や電磁気学の数学的基礎になって いる。 (New) スカラー場: 空間の領域 D の各点 P に対して実数 ϕ(P) が対応して いるとき, 3 変数関数 ϕ(P) を D の上での スカラー 場 (scalar field) という ベクトル場: 空間の領域 D の各点 P に対してベクトル F(P) が対応して いるとき, 3 変数ベクトル関数 F(P) を D の上での ベクトル場 (vector field) という ベクトルの復習 1.ベクトル 2.スカラー ベクトル(vector): 方向・向き・大きさ スカラー: 大きさは持つが方向はもたない量 ベクトル: 方向と大きさは、特定の座標系にはまったく関係しない。 (ベクトルが、ある特定の点で定義された量を表すということはあるが、 一般にベクトルに対してその位置は必ずしも決まっていない) ベクトル加法の交換則 A B B A A B C ; A B C C 物理法則は、ベクトルを用いれば座標軸の選び方によらない形に表現される 19 ベクトルの和 −𝑨 𝑩−𝑨 𝑪=𝑨+𝑩 𝑪=𝑨+𝑩 −𝑩 𝑨−𝑩 ベクトルのスカラー倍 𝑃79 (𝑃80 証明) ベクトル • 位置の幾何学表現 3次元の位置を表す z 直角座標(x,y,z) P(x1,y1,z1) 極座標 (r,θ,φ) r1 円柱座標(r,φ,z) r=OP:位置ベクトル r x i y j zk Q(x2,y2,z2) r2 0 y x Pxy or r ( x, y , z ) 大きさ r x 2 y 2 z 2 𝒓 = 𝑥𝒊 + 𝑦𝒋 + 𝑧𝒌 𝑜𝑟 𝒓(𝑥, 𝑦, 𝑧) 24 運動学 物体の位置が時間とともに変わる状態を「数学的」に 表現する学問=運動学 力学の法則=運動の法則 z 速度=位置の変化の時間割合 P(x,y,z) dr v r : 位置ベクトル dt r1 0 y 直交座標系で考えると、 位置ベクトル自体がx,y,zの成分に分けられるから、 y y x x v lim i j t t t t x x y y lim i lim t t t t Q(x’,y’,z’) r2 x Pxy z z k t t z z j lim t t dx dy dz dx dy dz , , i j k dt dt dt dt dt dt k 26 速度の時間変化は? • 速度ベクトルが時間とともにいかに変わるか?→加速度α dv x dt dv y i dt dv z j dt k d 2x d2y d 2z 2 i 2 j 2 k x i y j z k ( x , y , z ) dt dt dt 何が速度の時間変化を生じるのか?→力 F m 27 常微分 𝑦= 𝑑𝑦 = 3𝑥 2 − 3𝑎2 𝑑𝑥 偏微分 全微分 𝐼𝐹: 𝑓(𝑥 𝑡 , 𝑦 𝑡 ) 𝑑𝑓 𝑑𝑓 𝑑𝑥 𝑑𝑓 𝑑𝑦 = + 𝑑𝑡 𝑑𝑥 𝑑𝑡 𝑑𝑦 𝑑𝑡 常微分 𝑦= 𝑑𝑦 = 3𝑥 2 − 3𝑎2 𝑑𝑥 偏微分 𝜕𝑓 = 2𝑥 + 2𝑦(𝑥𝑦 + 5) 𝜕𝑥 𝜕𝑓 = 2𝑦 + 2𝑥(𝑥𝑦 + 5) 𝜕𝑦 全微分 𝜕𝑓 𝜕𝑓 𝑑𝑓 = 𝑑𝑥 + 𝑑𝑦 𝜕𝑥 𝜕𝑦 2階偏微分係数 𝜕𝑓 = 6𝑥𝑦 𝜕𝑥 𝜕2𝑓 𝜕𝑓 = 3𝑥 2 − 3𝑦 2 𝜕𝑦 𝜕2𝑓 𝜕𝑥 2 𝜕𝑦 2 = 6𝑦 𝜕2𝑓 = 6𝑥 𝜕𝑥𝜕𝑦 = −6𝑦 𝜕2𝑓 = 6𝑥 𝜕𝑦𝜕𝑥 𝜕𝑓 = 2𝑥 + 2𝑦(𝑥𝑦 + 5) 𝜕𝑥 𝜕2𝑓 2 = 2 + 2𝑦 𝜕𝑥 2 𝜕2𝑓 = 4𝑥𝑦 + 10 𝜕𝑥𝜕𝑦 𝜕𝑓 = 2𝑦 + 2𝑥(𝑥𝑦 + 5) 𝜕𝑦 𝜕2𝑓 2 = 2 + 2𝑥 𝜕𝑦 2 𝜕2𝑓 = 4𝑥𝑦 + 10 𝜕𝑦𝜕𝑥 また、 𝜕2𝑓 𝜕𝑧 2 𝜕3𝑓 𝜕𝑥𝜕𝑦𝜕𝑧 を求めよ。 注: 𝑓 = 𝑥𝑦 とする。 解答 例: 𝜕2𝑓 𝜕𝑧 2 𝜕3𝑓 𝜕𝑥𝜕𝑦𝜕𝑧 𝜕𝑓 𝜕𝑓 𝜕𝑓 𝑑𝑓 = 𝑑𝑥 + 𝑑𝑦 + 𝑑𝑧 = 2𝑥𝑦𝑑𝑥 + 𝑥 2 − 𝑧 2 𝑑𝑦 − 2𝑦𝑧𝑑𝑧 𝜕𝑥 𝜕𝑦 𝜕𝑧 𝜕𝑓 = 2𝑥𝑦 𝜕𝑥 𝜕2𝑓 = 2𝑦 𝜕𝑥 2 𝜕𝑓 = 𝑥2 − 𝑧2 𝜕𝑦 𝜕2𝑓 =0 𝜕𝑦 2 𝜕𝑓 = −2𝑦𝑧 𝜕𝑧 𝜕2𝑓 = −2𝑦 𝜕𝑧 2 𝜕2𝑓 = 2𝑥 𝜕𝑥𝜕𝑦 𝜕3𝑓 =0 𝜕𝑥𝜕𝑦𝜕𝑧 注: 𝑑𝑓 𝑑𝑓 𝑑𝑥 𝑑𝑓 𝑑𝑦 = + 𝑑𝑡 𝑑𝑥 𝑑𝑡 𝑑𝑦 𝑑𝑡 解答 例: 𝑑𝑓 𝑑𝑓 𝑑𝑥 𝑑𝑓 𝑑𝑦 = + 𝑑𝜃 𝑑𝑥 𝑑𝜃 𝑑𝑦 𝑑𝜃 𝜕𝑓 = 𝑦, 𝜕𝑥 𝜕𝑓 𝜕𝑦 = 𝑥, 𝑓 = 𝑥𝑦 とする。 𝜕𝑥 = −𝑎𝑠𝑖𝑛𝜃 𝜕𝜃 𝜕𝑦 = 𝑎𝑐𝑜𝑠𝜃 𝜕𝜃 𝑑𝑓 𝑑𝑓 𝑑𝑥 𝑑𝑓 𝑑𝑦 = + = −𝑎𝑦𝑠𝑖𝑛𝜃 + 𝑎𝑥𝑐𝑜𝑠𝜃 = 𝑎(𝑥𝑐𝑜𝑠𝜃 − 𝑦𝑠𝑖𝑛𝜃) 𝑑𝜃 𝑑𝑥 𝑑𝜃 𝑑𝑦 𝑑𝜃 本日はここまで 37
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