短期予報解説資料1 ２０１７年１月１１日０３時４０分発表 気象庁 予報部 １．実況上の着目点 ①スケールの大きな 500hPa 低気 圧の中心が沿海州にあって、 周辺 では -45℃以下の寒気が広がる。 ② 1 項①の低気圧を回る 500hPa トラフが 10 日夜 北日本を通過。 日本付近は冬型気圧配置となり、 日本海には離岸距離の短い筋状 雲が広がる。降雪は東北・北陸地 方の山沿いを中心に強まってお り、局地的に 10cm/3h 超。 ③北陸地方では、 日本海からのび るシアーラインが南下中。 ２．主要じょう乱の予想根拠と 解説上の留意点 ① 1 項①の 500hPa 低気圧は動きが遅く、12 日夜にかけてほとんど停滞。日本付近では、12 日にかけ て北日本を中心とした寒気場が続き、北陸以北に -30℃以下、北海道には -39℃以下の寒気が滞留す る。上空の強い寒気が持続するため、北日本や北陸地方では 12 日にかけて、大雪による交通障害やな だれに注意。地上気圧配置や下層の風系が大きく変わらないため、長い時間 同じ場所で降雪が続く可 能性のあることに留意。 ② 1 項③の日本海のシアーラインは 11 日明け方にかけて北陸地方を南下。また、11 日午後には新たな シアーラインが顕在化し、12 日夜にかけて北陸地方周辺で停滞する。シアーライン近傍では大気の状 態が不安定となるため、12 日にかけて落雷や突風に注意し、降雪や風の局地的な強まりに注意。 ③ 12 日にかけて 850hPa でも寒気場が続き、-6℃は西日本まで南下した状態が続く。西日本では日本 海側の山沿いを中心に、降雪の強まりに留意。 ④ 11 日、千島の東の低気圧が急速に発達しながら北西進し、11 日夜にはサハリン北部に進む。この ため、11 日夜から 12 日昼ころにかけて、日本付近の気圧傾度は より大きくなる。12 日にかけて全国 的に強風や高波、ふぶきによる交通障害に注意し、北日本では 11 日夜から 12 日昼ころにかけて、猛 ふぶきや吹き溜まりによる交通障害に警戒。 なお、上空寒気・冬型気圧配置が続くため、13 日以降も、北日本や北陸地方では風・波・降雪に注意・ 警戒を要すること、また西日本や北陸以外の東日本でも大雪となるおそれのあることに留意。 ３．数値予報資料解釈上の留意点 ①総観場は最新 GSM を基本とする。降水の分布・強度・種別、風は MSM を参考にする。 ４．防災関連事項 [量的予報と根拠] ①大雪ポテンシャル(06 時からの 24 時間)：北陸 70、北海道・東北・関東甲信 50、東海 30、近畿 20cm。 ②波浪(明日まで)：北海道・東北・北陸 5、中国 4、関東・東海・近畿・伊豆諸島・四国 3m。 ③高潮(明日まで)：大潮時期。北海道太平洋側では注意報基準を超過するところがある。 ５．全般気象情報発表の有無 「暴風雪と高波及び大雪に関する全般気象情報」を 5 時ころに発表予定。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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