マーケットレポート インドネシア中央銀行が3ヵ月ぶりに追加利下げを実施

ご参考資料
マーケットレポート
2016年6月17日
インドネシア中央銀行が3ヵ月ぶりに追加利下げを実施
~ 米利上げ観測が後退する中、景気下支えを強化 ~
インドネシアの政策金利、10年国債利回り、
消費者物価指数(前年同月比)の推移
インドネシア中央銀行(以下、中銀)は6月16日、政策金
利であるBI金利を0.25%引き下げ、6.50%としました。利
下げは今年3月以来となり、年初来の下げ幅は計1.0%と
なりました。
10年国債利回り
9
また、8月より新たに政策金利となる「7日物リバースレ
ポ金利」も0.25%引き下げ5.25%としました。
8
中銀総裁は5月25日、「金融とマクロ経済の安定が保た
れれば金融緩和を実施する可能性がある」との見解を表
明していました。
6
◆利下げの背景について
3
13/6
インドネシアの2016年1-3月期の実質GDP(国内総生
産)成長率は前年同期比+4.92%となりました。成長率は
政府支出の拡大やインフラ投資の進捗を背景に昨年半
ばに底打ちしたものの、中国景気の減速や商品安で輸
出が低迷し伸び悩んでいます。このため一段の成長率加
速には民間の消費や投資のテコ入れが急務となっていま
す。
こうしたなか中銀は1月以降利下げによる内需刺激を
図ったものの、銀行の貸出金利が中銀の期待ほど下が
らない状況が続いていました。中銀は4月に政策金利に
ついて、銀行の貸出金利と関係の深い「7日物リバース・
レポ金利」に変更すると表明、貸出金利の引き下げに意
欲を見せていました。今回、8月の政策金利の枠組み変
更を待たず利下げに踏み切ったことで、景気下支えに積
極的な姿勢を示したと言えそうです。
(2013年6月~2016年6月*、月次)
10(%)
7
政策金利
( B I金利)
5
4
消費者物価指数
14/6
15/6
16/6
*消費者物価指数は16年5月分まで。10年国債利回り (年/月)
は6月16日時点
インドネシアの実質GDP(国内総生産)成長率
(前年同期比)、貿易収支の推移
(億米ドル)
(2011年1-3月期~2016年1-3月期、四半期)(%)
7
150
実質GDP成長率(右軸)
100
6
50
5
0
4
-50
貿易収支(左軸)
11/3
12/3
3
13/3
14/3
15/3
16/3
(年/月)
◆今後の注目ポイント
9,000
円/100ルピア(右軸)
1.05
10,000
1.00
11,000
0.95
12,000
0.90
13,000
0.85
14,000
ルピア /米ドル(左軸)
15,000
13/6
14/6
15/6
0.80
ルピア安
以上
(ルピア/米ドル) (2013年6月1日~2016年6月16日、日次)(円/100ルピア)
ルピア高
インドネシアの5月消費者物価指数は前年同月比
+3.33%と2ヵ月連続で伸びが鈍化し、中銀の目標レンジ
(+3~5%)の下限に近づいてきました。また、通貨ルピア
は米国の利上げ観測後退など背景に、対米ドルでやや
強含みで推移しています。中銀は2016年の成長率見通し
を+5.0~+5.4%としており、今後もインフレや為替市場の
動向を見極めつつ、成長率の底上げへ向けて金融緩和
方針を維持していくものと見られます。
インドネシア・ルピアの為替レート
(対円、対米ドル)の推移
0.75
16/6 (年/月)
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法にもとづく開示書類ではなく、
証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。本資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。
1/2
ご参考資料
【 ご留意事項 】
●当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したもので
あり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。
●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断
ください。
●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価
額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるものではありません。ファンドの運用による損益は
全て投資者の皆様に帰属します。
●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではあり
ません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保護基金の保護の対象ではありません。
●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するもので
はありません。また、今後予告なく変更される場合があります。
●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示
唆あるいは保証するものではありません。
●当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開発
元もしくは公表元に帰属します。
当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、
証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。
2/2