インドネシア中央銀行が0.25%の追加利下げを実施 ~ 物価下落、通貨

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マーケットレポート
2016年9月23日
インドネシア中央銀行が0.25%の追加利下げを実施
~ 物価下落、通貨安定を背景に景気下支えを強化 ~
インドネシア中央銀行(以下、中銀)は9月22日、
8月より新たな政策金利の指標とした「7日物リ
バースレポ金利」を0.25%引き下げ、5.0%とするこ
とを決定しました。
従来の政策金利である「BI金利」を含めると通年
で5回目の利下げとなります。
中銀が前回8月の金融政策決定会合で2016年
の成長率見通しを小幅ながら引き下げたこと、足
もとで物価や通貨の安定が続いていることから、
金融市場では追加利下げ実施を予想する見方が
強まっていました。
インドネシアの政策金利、10年国債利回り、
消費者物価指数上昇率(前年同月比)の推移
(%)
(2013年9月~2016年9月*、月次)
10
10年国債利回り
9
旧政策金利
(BI金利)
8
7
6
消費者物価
指数上昇率
5
4
3
政策金利 (7日物リバースレポ金利)
2
13/9
14/9
15/9
16/9
(年/月)
*消費者物価指数上昇率および旧政策金利は2016年8月分まで。
10年国債利回りおよび政策金利は9月22日時点。
◆インドネシア経済の現況について
インドネシアの実質GDP(国内総生産)成長率は
2010~11年に前年同期比で概ね+6%台と高い伸
びが続いたものの、その後は商品価格の下落や
中国など外需の減速を背景に輸出が落ち込んだ
ことやガソリン価格の引き上げが個人消費の重石
となったことから、2015年には+4%台まで鈍化して
いました。
足もとではジョコ政権による政府支出の拡大やイ
ンフラ投資計画の推進、物価下落などを背景とし
た個人消費の持ち直しから、2016年4-6月期の成
長率は+5.18%と2年半ぶりの高水準まで回復して
います。ジョコ政権はインフラ投資の進捗加速や
規制緩和による投資・輸出の促進で景気てこ入れ
を強めていく方針と見られます。
インドネシアの実質GDP(国内総生産)成長率
(前年同期比)、貿易収支の推移
(億米ドル)
(2010年4-6月期~2016年4-6月期、四半期) (%)
150
7
実質GDP成長率(右軸)
100
6
50
5
0
4
-50
貿易収支(左軸)
10/6
11/6
3
12/6
13/6
14/6
15/6
16/6
(年/月)
インドネシア・ルピアの為替レート
(対円、対米ドル)の推移
◆今後の注目ポイント
10,000
(2014年9月1日~2016年9月22日、日次) (円/100ルピア)
1.00
円/100ルピア(右軸)
11,000
0.95
ルピア/米ドル(左軸)
12,000
0.90
13,000
0.85
14,000
0.80
15,000
ルピア安
以上
(ルピア/米ドル)
ルピア高
インドネシアでは消費者物価指数上昇率の鈍化
が続いており、8月は前年同月比+2.79%と中銀目
標レンジ(+3~5%)の下限を下回りました。また、
通貨ルピアは米国の追加利上げの後ずれなど背
景に、対米ドルで横ばい圏での推移が続いていま
す。中銀は2016年の成長率見通しを+4.9~+5.3%
としており、今後もインフレや為替市場の動向を見
極めつつ、金融緩和方針を維持していくものと見ら
れます。
0.75
14/9
15/3
15/9
16/3
16/9
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
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