インドネシア中央銀行が2ヵ月連続の利下げを決定 ~ 政策金利は4.75

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マーケットレポート
2016年10月21日
インドネシア中央銀行が2ヵ月連続の利下げを決定
~ 政策金利は4.75%へ。通年で利下げは6回目~
10月20日、インドネシア中央銀行(以下、中銀)
は8月から新たな政策金利の指標とした「7日物リ
バースレポ金利」を0.25%引き下げ、4.75%とする
ことを決定しました。利下げは2ヵ月連続となり、従
来からの政策金利である「BI金利」を含めると通年
で6回目となりました。
インドネシアの政策金利、10年国債利回り、
消費者物価指数上昇率(前年同月比)の推移
(2013年10月~2016年10月*、月次)
(%)
10
10年国債利回り
9
8
今回の利下げの有無は金融市場で見方が分か
れていましたが、中銀は物価や通貨ルピアの安定
が続いていること、12月には米国で追加利上げの
可能性が高いことから、連続利下げによる景気の
てこ入れに踏み切った模様です。
7
◆インドネシア経済の現況について
2
13/10
インドネシアでは2016年4-6月期の実質GDP(国
内総生産)成長率が前年同期比+5.18%と2年半ぶ
りの高い伸びとなったものの、足もとの景気は製
造業景況感や消費者信頼感指数の指標が示すと
おり、やや伸び悩んでいる状況です。
中銀は声明文で7-9月期のGDP成長率見通しに
ついて、個人消費の回復が限定的となったこと、
設備投資の回復遅れが続いたことに加えて、政府
支出の減少、世界貿易の低迷などを背景に従前
の予想をやや下回ったとしています。
一方、消費者物価指数上昇率は前年同月比で
+3%前後で落ち着いていること、通貨ルピアは租
税特赦法による海外からの資金還流が見込まれ
ることなどを背景に対米ドルで安定した推移が続
いています。
旧政策金利
( B I金利)
6
5
4
消費者物価
指数上昇率
3
政策金利 ( 7日物リバースレポ金利)
14/10
15/10
16/10
(年/月)
*旧政策金利は2016年8月まで。消費者物価指数上昇率は同9月まで。
10年国債利回りおよび政策金利は10月20日時点。
インドネシアの製造業PMI(購買担当者指数)、
消費者信頼感指数の推移
(2015年4月~2016年9月、月次)
54
120
消費者信頼感指数(右軸)
52
110
50
100
48
90
製造業PMI(左軸)
46
80
15/4
15/10
16/4
(年/月)
◆今後の注目ポイント
インドネシア・ルピアの為替レート
(対円、対米ドル)の推移
今年7月から施行された租税特赦法は、国内外
(ルピア/米ドル)
の未申告資産を届け出れば過去の課税分の大幅
11,000
減額を認めるものであり、課税逃れを目的に流出
した資産の国内還流を狙った施策です。9月下旬
12,000
時点では、還流すると申告があった金額は約1兆
円と報道されています。
(2015年4月1日~2016年10月20日、日次)
(円/100ルピア)
0.90
13,000
0.85
14,000
0.80
15,000
ルピア /米ドル(左軸)
15/4
15/10
ルピア安
以上
円/100ルピア(右軸)
ルピア高
今後は資産還流によって税収や国内での投資
の増加が見込まれるほか、通貨ルピアを下支えす
る効果も期待され、金融市場では追加利下げ観測
が残存しそうです。
0.95
0.75
16/4
16/10
(年/月)
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
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