Today’s Headline ご参考資料 ご参考資料 “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン アジア 2016年6月17日 据え置きの中銀が多い中、利下げを決定したインドネシア中銀 2016年6月16日にインドネシア中銀は政策理事会を開催し、市場予想に反し、政策金利の引き下げを決定し、景気 下支えを重視する姿勢を示しました。 インドネシア中銀:市場予想に反し政策金利 を0.25%引き下げ、景気下支えを重視 インドネシア中央銀行は2016年6月16日、政策理事会を開催 し、現在の政策金利であるレファレンス金利を6.75%から0.25% 引き下げ6.50%とすることを決定しました。市場関係者の多く が据え置きを見込んでいた中での利下げとなりました。 インドネシア中銀の利下げは今年4回目となりますが、世界 的にリスクが高まる中で経済成長を重視する姿勢を示しまし た。インドネシア中銀は2016年8月から新しい政策金利として 7日物リバースレポ金利の採用を予定していますが、レファレ ンス金利の引き下げとともに、7日物リバースレポ金利につ いても0.25%引き下げ5.25%に設定しました。 どこに注目すべきか: 経済成長、インフレ率、外部要因 2016年8月の政策金利変更を前に金融政策は据え置かれ るとの見方が市場ではやや優勢であったもののインドネシア 中銀が利下げを決定した理由は、景気下支え、インフレ率 の低下、海外状況などが考慮されたからであると見ていま す。 まず、インドネシアの実質GDP(国内総生産)成長率を見ると 軟調な推移となっています(図表1参照)。中銀は2016年に4 回の利下げを行うなど、金融緩和で景気下支えの手を差し 伸べていますが、利下げが融資の拡大につながっていない など、効果は不透明です。例えば、2016年4月の融資の伸び は前年同月比で8%と前月の同+8.7%から低下しています。イ ンドネシア中銀は2016年の融資の伸びを10~12%程度と見 込んでおり、現状の融資の伸びは予想に比べ弱いと指摘し ています。インドネシア中銀は利下げに加えて、融資の規制 緩和なども公表していることから、今回の利下げの背景が 軟調な融資などを受けた国内経済の下支えであったと見ら れます。 2点目はインフレ率の低下です。インドネシアの消費者物価 指数(CPI)は前年同月比で2016年5月が3.3%と下落傾向が ピクテ投信投資顧問株式会社 続いており、コア指数も同様に低下傾向です(図表2参照)。 インドネシア中銀のインフレ目標は3%~5%で現状はインフレ 目標の下限付近での推移となっており、インフレ率の点でイ ンドネシアに利下げ余地は十分にあると見られます。 最後に、グローバル経済の影響ですが、英国の欧州連合 (EU)離脱に関する国民投票への懸念が声明で示唆されて いるように不確実性を高める要因となっています。米国の利 上げ観測が後退したことなどもインドネシアの利下げにプラ ス材料と思われます。さらに英国のEU離脱懸念などを受け 市場が大きく変動する中でも、インドネシアルピアが比較的 安定していることも利下げを実施しやすい要因であったと思 われます。 今後については、引き続き通貨ルピアやグローバル経済な どの動向次第ながらも、緩和的な金融政策が継続される可 能性が高いと考えられます。 図表1:インドネシア実質GDP成長率の推移 (四半期、前年同期比、期間:2013年1-3月期~2016年1-3月期) 6.0 % 5.5 5.0 4.5 13年 1-3月期 14年 1-3月期 15年 1-3月期 16年 1-3月期 図表2:消費者物価指数(CPI)の推移 (月次、期間:2014年5月~2016年5月) 10 % CPI 8 コアCPI 6 4 2 14年5月 14年11月 15年5月 15年11月 16年5月 出所:ブルームバーグのデータを使用してピクテ投信投資顧問作成 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆 あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、 その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、 作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構 の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも のではありません。
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