教育社会学 海口 浩芳

文京・八王子国際 両キャンパス にて開講
教育社会学
Educational Sociology
UMIGUCHI Hiroyoshi
海口
浩芳
■授業の目的
教育社会学が扱うさまざまなテーマと理論および分析方法を踏まえたうえで、
「教育と社会との関係」
、
「学校制度」
、
「学
校の機能および組織・運営」といった教育の仕組みと役割について理解し、それらに関する問題を的確にとらえ、自分なり
の考えをもつことができるようになることをめざす。
■授業の到達目標
この授業で学生の皆さんに求める到達目標は以下のとおりである。
①教育の社会的機能や役割、また教育問題の背景にある社会的要因を理解し、説明することができる。
②与えられた課題について、関連資料の収集・事前学習をとおして、自分の考えをまとめることができる。
③グループ学習において、メンバーと適切なコミュニケーションをとり、有意義な討議ができる。
■授業計画
1 授業オリエンテーション
授業の進め方、評価方法等について説明する。また、教育社会学が対象とする領域・分野について解説する。
2 教育社会学の理論(1)
機能主義理論、葛藤理論について解説する。
3 教育社会学の理論(2)
新しい教育理論(解釈的パラダイム、文化的再生産論、教育の制度化理論)について解説する。
4 社会化と社会統制
アイデンティティの形成と社会化、社会統制の装置としての学校について解説する。
5 学校制度と学校体系(1)
学校段階と学校系統、世界の学校制度の概要について解説する。
6 学校制度と学校体系(2)
学校教育法における学校(一条校)
、幼保に関する問題、について解説する。
7 学校制度と学校体系(3)
なぜ、幼児期の教育への投資が重要視されるのかについて解説する。
8 階層と教育機会(1)
文化的再生産について解説する。
9 階層と教育機会(2)
学力格差と階層、子どもの貧困について解説する。
10 グループ・ワーク(1)
「階層と教育機会」の授業内容を踏まえ、各自で準備した関連資料や事前学習にもとづきグループディスカッション
を行う。グループワーク時間は 50 分、その後グループ毎に 3 分で話し合いの内容を報告する。
11 社会の変化と教育問題 ~いじめ~
いじめの定義、いじめ防止対策推進法の概要、いじめ問題のとらえ方などについて解説する。
12 社会の変化と教育問題 ~不登校~
不登校の定義と実態、なぜ不登校は減らないのかについて解説する。
13 グループ・ワーク(2)
「社会の変化と教育問題」の授業内容を踏まえ、各自で準備した関連資料や事前学習にもとづきグループディスカッ
ションを行う。グループワーク時間は 50 分、その後グループ毎に 3 分で話し合いの内容を報告する。
14 教育行政と教育法規
文部科学省と中央教育審議会、教育委員会制度、教育基本法および学校教育法等について解説する。
15 講義のまとめと試験
これまでの講義のポイントを整理し、試験を行う。試験後、事後解説を行う。
■授業の方法
講義を中心に進めるが、毎時間講義で扱っているテーマに関して授業中に受講者に質問をするので、授業には常に課題意
識をもって臨むことを期待する。授業後半ではグループワークを実施する。グループワークの内容・進め方の詳細は授業計
画を参照のこと。
■予習・復習
〈予習〉
事前に Blackboad を通じて配布されたレジュメをよく読み、わからない用語や箇所をチェックしておく。
〈復習〉
授業の内容を再確認する。また授業で関心を持った事柄について自ら関連書籍にあたり、理解を深める。
授業で出てきた教育法規や中教審答申について再度確認し、内容を理解する。
〈授業外学習〉
教育用語についての課題を 3 回(1 回につき用語を 5 つ)提示するので、第三者への説明を想定して 200 字程度でまとめ
ておく。
■成績評価の方法
定期試験(50%)と授業態度・グループワークへの取り組み姿勢(50%)の総合評価。
定期試験は穴埋め式と論述式の併用。論述式試験は、問われた内容に対して、①的確に答えているか、②論理的に書かれ
ているか、③誤字脱字がないかの点から採点する。グループワークでは、ルーブリックによる学生自身およびグループメン
バーの評価も参考とする。
なお、全授業回数の 3 分の 1 以上の欠席をした場合には、定期試験の受験資格を失う。
■教科書・参考書
レジュメを事前に Blackboard を通じて配布するので、各自必ずプリントアウトして持参すること。
参考図書については授業中に紹介する。
■関連する科目
教育原理、教育課程論、教職論など教職課程科目。