教職論 Study of Teaching Profession MURAOKA Kaoru 村 岡 薫 ■授業の目的 教員には、生徒が一人前の大人へと成長する人格形成の過程を助けてやる、という大きな役割をになっていることを自覚 させ、教員としての使命感や責任感、教育者としての心構えなどを身に着けさせることを目的とする。 ■授業の到達目標 教職の意義、教員の役割・職務内容等について理解し、教職に対する自らの適正について自己理解する。さらに教員免許 取得を目指し、指導・助言・支援を行うとともに、現在の教育課題に対処できる高い専門的知識を学ぶ身に着けることを目 標とする。 ■授業計画 1 オリエンテーションを兼ねて、教職論で学習する目的・内容及び指導方針等について説明する。教員免許を取得する ために学習する内容や教職課程の全体像についても解説する。 2 教員免許法について学ぶ。過去 5 回行われた教員免許更新講習のやり方や内容、参加者の反応などを話し更新講習の 意義を説明する。 3 教員免許更新講習の実施されるまでの経緯を、教育改革国民会議・教育再生会議・中央教育審議会 の議論などを整理しながら学習する。 4 いじめ、体罰、自然災害などいつ起きるか分からない学校の危機管理などについて学習する。さらに、その時の教諭 の対応や職責について学ぶ。いじめや体罰については事例をあげて問題点を考える。 5 教員に求められている使命や資質について具体的に検討する。いつの時代にも求められている不易な資質能力と時代 の進展に即応して求められる能力について学ぶ。 6 学校の運営組織について、校務分掌の役割や機能について具体的に検討する。その理解の上に、教育課程の編成手順 や編成上の留意点について明らかにする。 7 学校の管理規定の概要を理解し、職員会議の機能や校長・副校長・教頭・主幹・指導教諭の職務内容と法規の関係に ついて学校教育法などを参照に学習する。 8 教員の教育活動の実際について考える。具体的には、ホームルーム指導の要点や道徳指導、総合的な学習の時間の指 導法について「学習指導要領」の目標・内容・指導計画の作成と取扱いなどについて学習する。 9 教員として最も重視する必要がある教科指導法の実際について、その要点を学ぶ。具体的な展開場面を示し、学生間 で議論し発表する。 10 生徒指導・進路指導の要点を学習する。特に生徒理解に基づく生徒指導や教科指導の役割と手法について検討する。 生徒の人権を大切にした、叱り方や人間関係づくりについても学ぶ。 11 教員の服務について理解する。職務上の義務、身分上の義務について、日本国憲法・地方公務員法・教育公務員特例 法などを参照して学習する。 12 教員の勤務服務条件につて、守秘義務、職務専念義務、学校週 5 日制、週 40 時間労働制、休憩、休息などを学ぶ。 13 教員の身分保障と行政処分、とりわけ懲戒処分と分限処分の違いについて理解する。そのために新聞記事などで教員 の不祥事事件などを取り上げて、具体的に学ぶ。 14 教員の研修内容とその体系について学ぶ。教員の研修の大切さや研修の種類、内容、研修の服務取扱いや研修体系に ついて学習する。 15 教職論の授業でやってきたことを確認し、教員としての基礎的な知識や資質が身についたか、レポートにしてまとめ、 試験を実施する。 ■授業の方法 学校教育について、所定の教科書を活用し、具体的な事例を取り上げながら指導する。特に、学校が果たす機能と教師の 役割を検討し、教職の意義や教師の使命・職務内容などについて、わかりやすく解説する。 ■予習・復習 事前に配布された教材プリントの穴埋め予習で授業に備える。授業後は『新教職論』などでプリント教材の内容を確認 し、学習した内容をノートなどにまとめる。 ■成績評価の方法 自らの体験を踏まえ、具体的な事例を基にして授業展開するので、出席して講義を聴いて理解することを最も重視する。 原則として、3 分の 2 以上の出席が単位認定の前提である。試験は選択・論述試験で実施する。 ■教科書・参考書 教科書:教職課程研究会山下省蔵他著『新教職論』 (実教出版 KK)を活用する。 教育基本法・学校教育法・地方公務員法・教育公務員特例法などの法令はプリント教材を使用する。 『高校・中学校学習指導要領』は必携とする。 ■関連する科目 教員免許取得に必要な教職科目は、一年時からできるだけ多く履修し、採用試験に備える。教育原理・教育方法・教育課 程論などの教職科目をしっかりやることが重要である。
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