教育・発達心理学Ⅱ 宮 川 博

文京・八王子国際 両キャンパス にて開講
教育・発達心理学Ⅱ
Educational-Developmental PsychologyⅡ
MIYAGAWA Hiroshi
宮 川
博
■授業の目的
教員の基本的な資質としての人間理解の基礎となる人の発達や学習についての理解を目的とする。そのために、主に発達
心理学の知見から人の発達や発達障害について学習していく。
■授業の到達目標
人の発達の概要について理解するとともに、発達障害についての概要について学び、実際に生徒の指導にあたる際、それ
らの理解の上に立って対応していくことができることを到達目標とする。
■授業計画
1 教育評価について①
教育評価とは何か。評価はなぜ行なうのか。その意義はどこにあるのかなどについて考えていく。生徒として評価を
受けてきたことを思い出し、評価とは何かを問い直す。
2 教育評価について②
知能テストと知能指数(IQ)などについて考える。また、頭がよいとは何か、創造性とは何かなどを考えるとともに、
実際の生活における知恵なども視野に入れながら考察していく。
3 教育評価について③
実際の学校における評価について考える。評価規準と評価基準、ポートフォリオ評価などについても考えていく。教
育実習における指導案及び授業、実際に教員となった際の評価などを想定して考えていく。
4 青年期の発達①
青年期の特徴である身体的変化と心理的変化について考えていく。青年期のただ中にいる自分について見つめる
とともに将来、接するであろう生徒についての理解を深めていく。
5 青年期の発達②
自分はどのような人間なのか。自分は何をやりたいのか。諸君の歩んでいる道をたどりながら自我同一性(アイデンテ
ィティ)獲得について考えていく。
6 青年期の発達③
青年期は時代により変化してきている。近年、青年期の期間はますます伸びてきていると言われている。このことに
ついて青年に与える問題点などを考察していく。
7 青年期の発達④
モラトリアムという概念について考えていく。前時の青年期の期間との関係を考えながらモラトリアム、現代におけ
るモラトリアムの諸問題について考えていく。
8 少年非行について①
非行とは何か。戦後、非行の第四の波がきているといわれる現代の少年の状況をいわゆる初発的非行といわれる初期
の非行、非行の低年齢化、その実情などを例に理解を深めていく。
9 少年非行について②
少年の非行にどのように対応していくか。少年の叫び、少年の実情を考慮しながら教師としてどのように接していく
かを考えていく。
10 「 いじめ」について考える
「いじめ」問題について具体的な事例に基づいて考え、実際の対応について理解を深めていく。また「いじめ」の早
期発見、早期対応はどのようにするのか討論を通して考える。
11 「虐待」について考える
虐待について事前に新聞報道などから「虐待」の実際を確認し、いくつかの具体的な事例に基づいて考え、実際の対
応について理解を深めていく。
12 学級の心理学①
将来、担任として実際に学級を担当することを前提に学級集団の特徴、学級集団の機能、教師と子どもの関係などに
ついて理解を深める。
13 学級の心理学②
子ども同士の人間関係、友人関係の規定要因、学級集団の構造の理解、集団の凝集性について考え、将来の担任とし
ての資質を養う。
14 教育と発達心理学、教育心理学
本講座の最終段階として、発達心理学、教育心理学が教育活動にどのように貢献してきたかを振り返り、年間の復習
とする。
15 後期のまとめ、一年間の講義のまとめと試験
最終講義時に試験を実施する。また、講義のまとめとして、前時の続きとして講義全体の内容と実際の教育場面で
の関連について考えていく。さらに、試験の事後の解説を行う。
■授業の方法
①講義を中心としつつ討論や発問に対する答えなどを引き取って話題としていく授業を展開していく。②平常点、特に積
極的な参加姿勢を重視する。③諸君自身の成長や経験にふれながら考えを深めていくことを工夫する。④レポートの提出は
次の授業のはじめとする。
■予習・復習
予習…自分の生活史、身近な子どもの姿、参考図書の事前学習など講義についての関心を持ち望んで欲しい。
復習…前講義の内容について簡単なテストを何回か実施する。必ず出席前に復習しておくこと。
■成績評価の方法
学内規定に従うとともに、最終講義でのまとめの試験、レポートの提出、平常点に重点をおく。さらに、授業中の質問な
どについての積極的な対応も評価する、復習テスト。講義時に作成したメモ・ノートこれらを勘案して最終的な評価とす
る。
■教科書・参考書
「たのしく学べる最新教育心理学」 桜井茂男 図書文化
「たのしく学べる最新発達心理学」 桜井茂男 図書文化 教科書としては使用しないが、予習や復習の際に 活用でき
る。また、手に入りやすく安価なものを紹介していく。
■関連する科目
教育相談、教職論、教育原理、心理学に関する科目、教科教育法など。また、生物学を始め人に関わる多くのことに関心
をもって学んでほしい。