ウエノ薬局ほっと通信

ウエノ薬局 ほっと通信
We offer the bright future with health.
vol. 72
2016.6
~夏本番になる前からの準備がポイント!!~
今年の夏は暑い!!
梅雨入り前から気温の高い日が続きましたが、今年の夏は例年より暑
くなる予報が多く出ています。だからと言っていくら快適な電化製品
に囲まれたとしても、夏バテや熱中症を防ぐことはなかなかできませ
ん。そこで今回は、今年の夏を元気に乗り切るために、夏バテしにく
い体の作り方を一緒に勉強して、暑さに強い体を作りましょう!!
夏バテも熱中症も体温調節異常!?
「熱中症」とは、「熱に中る(アタル)」と書き、暑さによっ
て起こる体の障害の総称で、以前使われていた「熱射病、日射
病、熱痙攣、熱疲労、熱失神」などの言葉をひとまとめにした
ものですが、その本質は「高くなる体温を下げられないことに
よる障害」です。一方夏バテは「なんとなくだるい」といった
夏のカラダの不調の総称ですが、現在の夏バテは、暑さからく
る食欲の低下や食事の偏り、睡眠不足といった単純な従来の原
因に加え、冷房の効いた室内と年々暑くなる炎天下を行き来す
ることで、その温度差にカラダがうまく対処できず、カラダが混乱して自律神経失調状態にな
るといった複雑なものになってきています。急に気温が変わると体調を崩すように、体の温度
を一定に保つのは大変です。熱中症も、急に暑くなる梅雨明けに多く発生します。
汗を上手にかく習慣!?
汗をかくことは体の温度調節のためにとても重要です。上手に
汗をかくには普段から体を動かしたりして、汗をかく習慣をつ
けておくことが必要です。でも暑い真夏に運動するのも大変で
すので、5~6月の涼しい今頃から汗をかけるようにしておくと
よいでしょう。具体的には、ちょっと暑い状況で、少し汗をか
くくらいの運動を1日15~30分間、週3~4回、1ヵ月程度続け
て、さらに運動後の30分以内にたんぱく質と糖質を多く含んだ食品を摂取すると、カラダの血
液量が増えて、暑さに強い体になるといわれています。でも「運動?」といっても、そんなに
構えなくても大丈夫です。普段あまり運動していない人は、大股で早めに歩くことを3分間、
その後3分ほどゆっくり歩いて、それを5回繰り返せば立派な15分の運動になります。大股に
歩くのが難しい、という人は「1.2.3」とカウントして、3歩目を大きく踏み出すようにしまし
ょう。運動後のたんぱく質は10~20g、糖質は15~30gくらい摂ると効果が高まります。
牛乳やヨーグルトなどの乳製品で換算すると最低300gくらいになり、一回に摂るのがちょっ
と多いという人は、数回に分けたり、バリエーションとして豆などのタンパク質や、おにぎり
などの糖類と組み合わせても良いと思います。
着るもので上手に体温調節
冷房のきいた室内と蒸し暑い外を往復すると、カラダはその変化について
ゆけません。5度以上の温度差に対して、カラダの温度調節機構はうまく
働かないと覚えておきましょう。設定温度は省エネの面からも28度がオス
スメです。とは言っても公共機関の冷房はどうしようもないし、オフィス
の冷房もなかなか自分ひとりでは変えられないので、羽織りものを一枚持
ってこまめに脱ぎ着することが上手な夏バテ対策になります。さらに熱中
症予防に危険なのは直射日光です。室内ではTシャツ、ポロシャツなどの
肌を出した軽装がおススメですが、戸外では反対に皮膚をあまり出さない
ようにしましょう。風通しのよい白いシャツを前あきで羽織ったり、日傘
やつばの広い帽子などで日光をさえぎることも有効です。
除湿機や扇風機を上手に使う
体感温度には湿度、風速などが関係します。冷房で体調が悪くなる人は、
冷房より除湿を心がけましょう。湿度が低いと涼しく感じます。さらに風
があると体表から熱が奪われて涼しくなるので扇風機を併用するのもオス
スメです。28度くらいの設定の除湿で扇風機をサーキュレーター代わりに
使うのも良いでしょう。直接冷たい風が体にあたるようにすると、体の表
面の熱が奪われつづけて体が疲れてしまうので、扇風機も冷房も直接体に
当たらないようにお気をつけ下さい。
質!!
食べ物は量より
これからの暑さ対策の食事としては、少量でも良質のたんぱく質、
ビタミン、ミネラルをバランスよく摂るのが大事です。夏バテ対
策に特に重要なビタミンは糖質の代謝を助けるビタミンB群です。
疲労回復効果や、肌の健康を保つ働きがあり、豚肉や精製してい
ない穀類、豆類などに多く含まれます。夏バテ防止食品として有
名なうなぎはたんぱく質も多い上にビタミンの宝庫ですが、特に
ビタミンAが多いことで知られています。ビタミンAは粘膜を強くするので疲れがちな胃を守る
役割も期待できます。また野菜や果物に多いビタミンCは体の老化を予防したり、紫外線の肌
ダメージを防ぐ効果があります。ただ、ビタミンCはタバコやストレスで消費されるので、心当
たりのある人は多めに摂りましょう。血流を改善し、ホルモンの分泌を助ける作用のあるビタミ
ンEは、夏でも冷える女性におススメです。ただし、ビタミンにも過剰症があるので、できるだ
け食事から摂るように、サプリメントなどで摂る場合は一日の限度量を超えないようにご注意下
さい。冷たくて甘いものはほどほどにして、質の良い食事で夏バテを予防しましょう!!
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