医療事故・訴訟等関連情報 月報【 2016年 4 月 総数 12 件 】 サービス推進室 サービス推進室では、医療事故・訴訟等に関連する記事を、国内・海外の契約先へニュース配信を行っている会社からの有料配信 記事、全国紙・地方紙の紙面及びインターネット上の記事から毎日収集し、再構成した内容を「医療事故・訴訟等関連情報 月報*」 として掲載しています。医療事故等の結果(判決、示談・和解、調停、略式命令)だけでなく、判明、経過の記事も含めています。 区分 1 民事 2 3 刑事 4 5 6 7 内 容 判決 2011年6月に福岡県内に勤務する看護師が、体調不良となり勤務先病院の紹介で8月に大学病院を受診 し、HIV検査で陽性と診断された。大学病院は本人の承諾を得ずに勤務先病院に通知した。看護師の勤務 先は感染のリスクを理由に休職を促し休職期間満了に伴い退職。看護師は勤務先の病院に対して、不当 解雇であると、約1000万円の損害賠償を求めて提訴、一審判決では、病院による看護師のプライバシー侵 害と就労制限の不当性を認定し、約115万円の支払いを命じた。病院側は判決を不服として控訴し二審判 決も違法と判断したが、看護師は勤務先が検査結果を職員間で共有することを事後承諾していたとして認 容額を減額し病院に約60万円の支払いを命じた。 判明 A病院(山梨県)で、2004年の開院当初から2013年2月までの間、単回使用機器材である前立腺生検針を薬 液洗浄後、163名の対象患者に再使用していた。患者からの指摘を受け、2013年7月に県が立ち入り調査で 実態を把握し、単回使用組織生検針の再使用の中止、患者・家族への不安解消、健康被害が発生した場 合の対応を指導した。 2015年8月にB病院(京都府)で、当直時間中に寝たきりだった男性(70代)の装着していた人工呼吸器の異 常を知らせるアラームに気付かず、適切な処置が遅れ低酸素脳症で患者を死亡させたとして、院長と看護 起訴猶予 師長、看護師の3名が業務上過失致死の疑いで同年11月に書類送検されていた件で、京都地検は3月31 日、「慰謝の措置が講じられたことや反省していることを考慮した」として3人を起訴猶予とした。同病院で は、約10年前から当直の看護師が全員同じ時間帯に仮眠する状態が続いていた。 判明 民事 2016年2月にCにおいて、腎臓がん手術後の女性(60代)が腹痛を伴う腸閉塞症状を訴え来院し、腹部CTを 撮影したところ背部に異物が発見された。異物は2015年12月にC病院の泌尿器科で行われた腹腔鏡下腎 摘出術の際に使用されたガーゼであることが判明。病院は女性と家族に対して事実説明と謝罪をし同意を 得たうえで腸閉塞解除術に併せて異物除去術を行った。手術後の経過は良好で入院13日目に女性は退院 した。 2014年3月にD病院(兵庫県)で乳がんの検査を受けた女性(20代)が、病理検査の結果から乳がんと診断 された。女性は病院から紹介された別の病院で右乳房の一部を切除したが、切除した腫瘍からはがん細胞 は検出されず、手術が必要であった女性(50代)の検体と取り違えていたことが判明した。病院側はミスを認 第1回 め女性に謝罪し、外部調査委員会を発足させたが原因の特定には至らず、代理人を通じて250万円の解決 口頭弁論 金を提示していた。女性側は職員による極めて初歩的な過失が原因だと主張、「乳房の一部を喪失し、人 生に深刻な影響を及ぼしている」として、逸失利益などを請求。市に1850万円の損害賠償を求め大阪地裁 に提訴した。3月23日に行われた第1回口頭弁論では、市は請求棄却を求めた。 判明 2016年4月精神科E病院(静岡県)は入院患者23人と職員5人の計28人がインフルエンザA型に集団感染 し、うち60~70代の患者3人が肺炎で死亡したと発表した。病院によると、2月8日に職員1人がインフルエン ザを発症しその後、院内で感染者が相次ぎ、インフルエンザ感染の疑いのある患者は院内隔離を進めた が、自ら症状を訴えられない患者も多く、対応の遅れにつながったという。 判明 2005年2月にF病院(兵庫県)で、左乳がんの部分切除術を受け2010年8月まで外来通院をしていた女性(50 代)が、2016年2月下旬に創部の発赤と排膿の為再受診した。創部膿瘍との判断で外来処置を行っていた が、乳がん再発の可能性も考慮し生検術を施行し、その際に創部の奥に遺残ガーゼを発見した。女性は3 月に入院し感染組織及び異物除去術を受けた。病院によると当時の手術手順書では、乳房切除術に対し て、X線造影剤入りのガーゼを使用することになっていたが、術中の病理診断を待つ間に止血目的で一時 的にX線造影剤入りではないガーゼを使用し、病理の結果確認後ガーゼを除去しないまま閉創したことが ガーゼ遺残の原因とみている。 1 / 1 ページ
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