【PDF1枚閲覧可能】 【お試し版】医療事故・訴訟等関連情報2016年7月

医療事故・訴訟等関連情報 月報【 2016年 7 月
総数 10 件 】
サービス推進室
サービス推進室では、医療事故・訴訟等に関連する記事を、国内・海外の契約先へニュース配信を行っている会社からの有料配信
記事、全国紙・地方紙の紙面及びインターネット上の記事から毎日収集し、再構成した内容を「医療事故・訴訟等関連情報 月報*」
として掲載しています。医療事故等の結果(判決、示談・和解、調停、略式命令)だけでなく、判明、経過の記事も含めています。
区分
1
民事
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3
4
5
6
7
民事
民事
民事
内 容
提訴
生まれつき下半身麻痺のある男児(13歳)が、2013年ごろから手指冷感などの症状がみられたため2014
年3月にAセンター(福岡県)で手術を受けたが、その直後から全身麻痺や呼吸困難などの症状が出現、頸
部から下にも麻痺が残った。手術により神経を損傷したため全身麻痺などが残ったとして、男児と両親はセ
ンターを運営する法人Bに対し介護費や慰謝料など約1億4500万円を求め福岡地裁小倉支部に提訴した。
判明
2016年6月、Aセンター(岡山県)で、手術室廊下に設置している薬品用保冷庫で保管している「非脱分極
性麻酔用筋弛緩剤ロクロニウム臭化物注射液」(商品名・エスラックス50mg)の本数を確認したところ、1本
不足していることが判明した。センターでは直ちに院内調査を実施し、当該薬の使用量・在庫量の照合、帳
簿等の確認、関係職員への聴取、手術室内全エリアの確認、医療廃棄物・一般ゴミ・選択物等の確認を
行ったが発見に至らなかった。院内の医療安全管理委員会は、誤廃棄か使用数量の記載ミスの可能性が
高いが、毒薬であり盗難の可能性も否定できないことから、保健所や岡山西警察署に連絡した。
判明
2015年11月、A病院整形外科で、上位頸椎奇形による四肢麻痺の男性(50代)が、神経症状の悪化により
X線透視下による後頭骨頸椎固定術を受けたが、手術終了後に頸椎固定用の右側スクリューが脊柱管内
へ逸脱していることが判明した。同日スクリューを取り除き再固定術を行ったが、男性は右上下肢麻痺が
残った。院内事故調査委員会では「患者は高度の骨変形や肥満を有していた。難度の高い手術であるとい
う認識の下で、リスクを軽減するために、X線透視のみでなくナビゲーション手術や脊髄機能モニタリングを
併用するなど、できる限りの手段を用いて慎重に準備し、十分な説明内容を文書に残すことが望まれた」と
説明している。
判決
1994年7月、 A病院で、女性(50代)が再生不良性貧血と診断され投薬治療を受けていたが、2002年12月
に検査値が改善したとして一部の投薬を中止した。女性はその後再発し、翌年4月に投薬を再開したが、肺
炎を合併し10月に死亡した。2009年に夫ら遺族が県に損害賠償を求めた訴訟で、2016年2月の二審仙台高
裁では、病院が血液検査の結果で再発を見落とし再投与が遅れたため死亡につながったと判示し、請求棄
却とした一審山形地裁判決を変更した。これを受けて県は最高裁に上告したが、最高裁は県の上告を受理
しない決定をした。このため病院の過失を認定し県に計2365万円の支払いを命じた二審仙台高裁判決が
確定した。
判決
2009年7月にA病院(愛知県)で、男性(60代)が食道がんの手術後にめまいや意識障害などの症状を訴
え、8月にビタミンB1欠乏による「ウェルニッケ脳症」と診断された。男性は手術後、輸液で栄養摂取してい
たが、同病院は約1ヶ月余りビタミンB1を投与しなかった。男性は退院後も症状が進行、歩行困難となり日
常生活のほとんどに介助が必要となった。男性が病院を運営するBに約1億6000万円の損害賠償を求めた
訴訟で、名古屋地裁は「点滴で必要な栄養が男性に投与されなかったことと、脳の後遺症には相当の因果
関係がある」と判断し、病院側に約1億2000万円の支払いを命じた。
判決
2009年3月、A病院(東京都)で、男性(40代)が脳腫瘍の摘出手術を受けたが、摘出しきれなかった血腫か
ら出血し、脳機能障害などが生じた。術後にCT検査をせず出血に気づくのが遅れ後遺症が残ったとして、
男性が病院側に損害賠償を求めた訴訟で、一審新潟地裁では男性が敗訴。二審東京高裁では「適切な医
療を受ける利益を侵害された」と一部請求を認め病院側に1100万円の支払いを命じたが、2016年7月最高
裁は「経過を観察し必要に応じて看護師に指示していた医師の対応が著しく不適切とは言えない」として二
審判決を破棄し請求を棄却した。
判明
2015年11月、Aセンター(高知県)で、男性(20代)が重度の呼吸不全で入院したが、翌日ベッドから転落し
重度の脳障害を負った。男性は約3ヶ月後に死亡し、遺族は2016年5月センター側を提訴した。センターは
男性の転落について「一定の防止措置を取っていた」として過失はないと判断し、公表していなかった。
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