Today’s Headline ご参考資料 ご参考資料 “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン アジア 2016年5月16日 中国、経済指標集中公表の整理整頓 公表されたデータで、中国の資金調達は減少に転じ、投資は減速、当局が成長の下支え姿勢から距離を置いた可 能性も考えられますが、投資には一部過熱感も見られたことから、スピード調整は悪い話ではないとも考えられます。 中国4月の統計集中公表:ファイナンス規模 は予想を下回り、投資に減速感も 中国人民銀行(中央銀行、人民銀)が2016年5月13日発表し た4月の経済全体のファイナンス規模は7510億元(約12兆 5,300億円)と市場予想(1兆3,000億元)、前月(2兆3,360億 元)を下回りました(図表1参照)。また、4月の人民元建て新 規融資は5,556億元と予想(8,000億元)を下回りました。 一方、中国国家統計局が14日発表した4月の工業生産は前 年同月比6%増と、市場予想(6.5%)、前月(6.8%増)を下回りま した。また、1-4月の都市部固定資産投資は前年同期比 10.5%増と市場予想(同11%増)を下回りました(図表2参照)。 どこに注目すべきか: ファイナンス規模、固定資産投資、人民元 中国当局が13、14日に公表した様々なデータを要約すると、 資金調達は増加から減少に転じ、投資や工業生産等の ペースは低下しました。当局が積極的に成長を下支えする 姿勢からやや距離を置いた可能性も考えられます。しかし、 投資などに一部過熱感も見られたことから、仮にスピード調 整であるならば、悪い話ではないとも考えられます。 まず、中国の一部の市場では過熱感が見られました。例え ば、不動産販売を見ると、1-4月期(床面積ベース)は前年同 期比で36.5%と1-3月期の33.1%を上回っています。また過剰 在庫を抱え、他国からも生産抑制を求められている中国の 鉄鋼メーカーが(4月は低下するも)生産を増加させました。 しかし、これら過熱する市場は維持可能とは考えにくい状況 です。拡大する中国の債務問題に懸念が高まっており、債 務による過剰な経済支援はリスクが高いと思われるからで す。今日のヘッドライン5月11日号でも取り上げた中国共産 党機関紙の人民日報に掲載された「権威ある人物」も中国 は不良債権および高まる債務水準に伴う他のリスクと向き 合う必要があると指摘しているように、スピード調整はむしろ 必要であったと見られます。 ただし、「権威ある人物」もパタッと投資をやめるべきなどと ピクテ投信投資顧問株式会社 は言っておらず、むしろ適度な需要刺激策実施の必要性に 言及しています。要するに、投資から消費へという構造改革 の流れを止めることなく、ブレーキ(投資などの抑制)とアクセ ル(景気刺激策)を使い分けるバランスが求められていると 見られます。あえて悲観的に考えるならば金融緩和と規制緩 和により不動産市場などが過熱したことで、今後、金融緩和 が打ち出しにくいという面は懸念されるかもしれません。 しかし、中国当局は銀行融資に関して融資の抑制要因を取 り除くよう通達を出すなど投資の鈍化への配慮も示していま す。また、市場に影響を与えることなく人民元安が進行して おり、今後輸出を下支えする可能性もあるなど、以前と環境 が異なる面も見られる点にも注目が必要と思われます。 中国の債務水準が懸念される中、当面、景気と構造改革の バランスをとる難しい課題への対応が求められそうです。 図表1 :中国経済全体のファイナンス規模と融資の推移 (月次、期間:2007年4月~2016年4月) 3.5 兆人民元 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 07年4月 人民元建新規ローン 経済全体のファイナンス規模 10年4月 13年4月 16年4月 図表2 :中国都市部固定資産投資と工業生産の推移 (月次、期間:2011年4月~2016年4月、固定資産投資は前年同期比) 30 % 25 20 15 10 5 11年4月 都市部固定資産投資 工業生産(月次、前年比) 13年4月 15年4月 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆 あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、 その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、 作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構 の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも のではありません。
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