自 然 を め ぐ る エ ッ セ ー 34

自 然 を め ぐ る エ ッ セ ー
由井
34
浩
知人から招待券をいただいて、1 月中旬に東京・上野の国立科学博物館で開催され
ているヒカリ展―光のふしぎ、未知の輝きに迫る!―を見に行った。初めに「光の
科学」のコーナーで光に関する基礎知識を復習し、次に「宇宙と光」のコーナーで
今の宇宙に漂っている宇宙創成直後の電波についての説明で太古のロマンを感じた
後で、3Dオーロラシアターでオーロ
ラの映像を堪能した。
その次の「地球と光」コーナーでは、
紫外線やレーザーの照射によって青、
緑、赤などに発光する鉱物に多いに魅
せられた。フィラーの原料である鉱物
のあまり知られていない一面を具体的
な展示で見ることができた。ホタルな
どの生物が光るのには求愛やコ
ミュニケーションなどの動機が
紫外線照射で発光する鉱物
左)方解石
右)オパール
あるようだが、鉱物が光るのに
は何か目的があるのだろうか?
そんなことを考えながら次の展
示に進んだ。ここでオワンクラ
ゲなどの光る生物や、その発光
機構の解析結果を応用した光る
マユや光る花などの展示を見た
後で、第2会場入口にある光る
マユを飾った“コクーンツリー”
コクーンツリー
を撮影した。蛍光タンパク質を
コクーンツリー
持つ光るカイコのマユで作った
ツリーで、マユの中に青色 LED が入っていて、中央部のようにオレンジ色のフィル
ターを通して見ると青い光が消えてマユが出す蛍光だけが見える一方、フィルター
を通さずに見ると左右のツリーのような青い光が混じった幻想的なデモンストレー
ションとなっている。
今話題の青色 LED の技術の周辺などで光の技術が発展していることを実感する一
方で、最後にあった“現在の宇宙の中身で通常の物質は 4.6%しかなく、残りはダ
ークエネルギー、ダークマターという正体のまだわからないものである。”という展
示を見て、今なお宇宙は不思議さに満ち溢れていて人類にとって挑戦すべき課題が
沢山残されているという思いを抱いて会場を出た。
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