Today’s Headline ご参考資料ご参考資料 “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン北米 2016年5月9日米雇用統計の勘所 4月の雇用統計公表直後は予想を下回った非農業部門雇用者数が懸念され米国債利回りは低下しましたが、賃金などには改善も見られ、米国債利回りは上昇に転ずるなど、プラス、マイナス両面があり判断を迷わせる内容でした。 4月の米非農業部門雇用者数:前月比で16万人増にとどまる。労働参加率が低下米労働省が2016年5月6日に発表した4月の非農業部門雇用者数は前月比16万人増と市場予想（20万人増）、前月（20万 8,000人増と速報値21万5,000人増から下方修正）を下回りました。また、家計調査に基づく4月の失業率は5%と、前月比横ばいで市場予想（4.9%）を上回りました(図表1参照)。失業率の内容を判断する目安である労働参加率は62.8%と、前月の63%から低下しました。一方、4月の平均時給は前月比0.3%増と前月（0.2%増）を上回り堅調な伸びを示しました。また、民間部門の週平均労働時間は6分伸びて34.5時間でした。労働所得（総労働投入時間と時間当たり賃金の積)は前月比0.7%と3月(+0.4%)から増加するなど労働所得環境に改善も見られます。どこに注目すべきか：平均時給、非農業部門雇用者数、失業率 4月の雇用統計公表直後は予想を下回った非農業部門雇用者の数が懸念され米国債利回りは低下(価格は上昇）しましたが、賃金など労働所得環境等には改善も見られ、米国債利回りは上昇（価格は下落)に転ずるなど、プラスの面と、マイナスの面があり判断を迷わせる内容でした。まず、プラス面は所得の改善です。例えば4月の平均時給を前年同月比でみると2.5%と上昇傾向です(図表2参照)。平均時給データは単月での振れが大きい面はありますが、足元上昇傾向が見られます。また、労働市場の質の改善の目安である(新たな雇用機会を求める)自発的な失業者の割合が 10.8%と上昇、賃金上昇と整合的な内容と見られます。次に、マイナス面では、非農業部門雇用者が予想を下回ったこと、失業率が前月から横ばいとなる中、労働参加率が低下したことを市場は懸念していると見られます。雇用者数については16万人という全体の数字よりも、業種別に見て過去雇用の受け皿となっていた小売業が減少したことが気がかりです。2016年1-3月期GDP(国内総生産)統計でも個人ピクテ投信投資顧問株式会社消費が軟調であっただけに、エネルギー価格の下落の下支えなどにより回復を想定しているものの注視が必要です。最後に、中長期的に気になる点をあげると、非農業部門雇用者数の好不調の目安の20万人は見直しが必要かもしれません。2008～09年に概ね900万人弱の雇用が喪失しましたが、その後の雇用者数の回復(平均20万人増程度)で失われたポジションは数字的には埋められたイメージです。埋め合わせがなくなる分、雇用を判断する上で、20万人という従来の水準から、経済成長率にふさわしい雇用者数の水準の模索が必要かもしれず、そう考えると、今回の雇用統計を全体的に見ると、それ程悲観的とは言えないのかもしれません。図表1：米非農業部門雇用者数と失業率の推移（月次、期間：2000年1月～2016年4月、雇用者数変化は前月比） 60 万人 40 20 0 -20 -40 -60 -80 -100 00年1月 900万人弱の雇用喪失 % 11 9 7 雇用者数平均約20万人増非農業部門雇用者数(前月比、左軸) 失業率(右軸) 04年1月 08年1月 5 3 16年1月 12年1月図表2：米平均時給(前年同月比) の推移（月次、期間：2007年4月～2016年4月） 4.0 % 3.5 平均時給 3.0 2016年4月 2.5% 2.5 2.0 1.5 07年4月 09年4月 11年4月 13年4月 15年4月出所：ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。