米国の小売売上高(2016年4月)

2016年5月16日
(No.2,459)
〈マーケットレポートNo.4,803〉
米国の小売売上高(2016年4月)
雇用・所得の拡大を背景に大幅に増加
大幅な増加
自動車を除いても拡大
■4月の小売売上高は前月比+1.3%増となりました。
市場予想は同+0.8%(ブルームバーグ調べ)と、
悪天候の影響などで1月~3月に伸び悩んだ反動
による大幅な増加を見込んでいましたが、実績値は
それを上回る伸びとなりました。
■自動車が同+3.2%と大幅に伸びましたが、それを
除いても同+0.8%となります。自動車のほか建材、
ガソリンを除いたコア小売売上高も同+0.8%でし
た(小売売上高のうち、GDP統計の個人消費に
含まれる項目を集計したものをコア小売売上高と呼
びます)。 特に無店舗販売、アパレル、パーソナル
ケアなどの販売増が目立ちました。
(前月比、%) 【米国の小売売上高】
1.6
小売売上高
1.2
小売売上高(自動車を除く)
コア小売売上高
0.8
0.4
0.0
▲ 0.4
▲ 0.8
16/1
16/2
16/3
16/4
(年/月)
(注)データの期間は2016年1月~4月。
コア小売売上高は全体から 自動車、ガソリン、建材をひいたもの。
(出所)米商務省のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
50
(万人)
【非農業部門雇用者数と失業率】
(%)
非農業部門雇用者数(前月比、左軸)
同上3カ月移動平均(左軸)
失業率(右軸)
9
米国株は足踏み
40
天候要因で百貨店の決算が低調
30
7
20
6
10
5
■小売統計が公表された5月13日の米国株式市場
は ダ ウ 平 均 株 価 で 17,535.32 ド ル 、 前 日 比
185.18ドルの値下がりとなりました。
■同日に発表された大手百貨店の16年2~4月期
決算が低調だったためです。もっとも、小売売上高
統計から判断すると、不振だったのは2月、3月で、
4月の業績は持ち直したと考えられます。
0
8
4
13/1
13/7
14/1
14/7
15/1
15/7
16/1
(年/月)
(注)データの期間は2013年1月~2016年4月。
(出所)米国労働省のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
雇用・所得増から景気、消費は拡大持続へ、株価も上昇見込み
■個人消費は、5月以降も増勢を維持する見通しで
す。雇用・所得環境が良好なこと、1月~3月の消
費が伸び悩んだことで貯蓄率が高まっている(余裕
資金が豊富)ことなどが、その理由です。
■利上げも継続される見通しですが、物価上昇率が
比較的低い水準にあることなどから、そのペースは緩
やかなものとなる見通しです。企業収益の拡大も予
想されるため、株価は堅調な展開が見込まれます。
2016年5月9日 米国の雇用統計(2016年4月)
2016年5月6日 米国のISM景況感指数(2016年4月)
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