解 答

7 類 V クラス 線形代数学第一 中間テスト 略解

1
0

[1] 行列 
0
0
0
1
0
0
1
3
1
0
111
2
4

 を求めよ.
0
1
解答 I. I を 2 次単位行列とする. 分割行列の恒等式
[
] [
] [
]
I P
I Q
I P +Q
·
=
O I
O I
O
I
[
(1)
]
I P
とおけば, f (P )f (Q) =
O I
f (P +Q) が成り立つ. よって, 明らかな数学的帰納法の証明より
nに
[ , 各自然数
]
1 2
ついて f (P )n = f (nP ) が成り立つことが従う. 後者に P =
と n = 111
3 4

111 

1 0 1 2
1 0 111 222
0 1 3 4
 0 1 333 444 




を代入すれば 
=


 であることが分かる.
0 0 1 0
0 0 1
0 
0 0 0 1
0 0 0
1
を言い直すと, 2 次正方行列 P に対して f (P ) =
解答 II. 与えられた行列 A が

 
1 0 1 2
1
0 1 3 4 0

 
A=
=
0 0 1 0 0
0 0 0 1
0
0
1
0
0
1
0
1
0

0
1


00

00
1
0
0
1
0
0
0
0
1
0

2
1


00

00
1
0
0
1
0
0
0
3
1
0

0
1


00

00
1
0
0
1
0
0
0
0
1
0

0
4


0
1
で基本行列の積に分割できる (公式 (1) を参照). 従って, ある 4 次正方行列 X
に左から A を掛けると, X の第 2 行に第 4 行の 4 倍と第 3 行の 3 倍を足し
て, 第 1 行に第 4 行の 2 倍と第 3 行を足した行列になり, 第 3 行と第 4 行は
変わらない. よって, また明らかな数学的帰納法を用いて

1
0


0
0
0
1
0
0
1
3
1
0

110 
111 
1 0 1 2
1 0 1 2
2
0 1 3 4 0 1 3 4
4

 



 
 =
0 0 1 0 0 0 1 0
0
0 0 0 1
0 0 0 1
1
 

1
1 0 1 + 110 · 1 2 + 110 · 2
 0 1 3 + 110 · 3 4 + 110 · 4  0
 

=
=
 0
0 0
1
0
0
0 0
0
1

0 111 222
1 333 444 

.
0 1
0 
0 0
1

k 
1 0 k 2k
1 0 1 2
0 1 3 4
 0 1 3k 4k 




解答 III. 
 であることを予想してから, 簡単な数学的
 =
0 0 1 0
0 0 1 0 
0 0 0 1
0 0 0 1
帰納法より証明できる. (そうすると, 上記の「明らかな帰納法」と違って, 帰
納法の詳細を書くのは必要.)


−1
1 u 0


[2] 複素数 u と v について u2 + v 2 =
̸ 1 とするとき, 逆行列  u 1 v  を計算せよ.
0 v 1


1 u 0
[
]


解答 M (u, v) =  u 1 v  とし, 区分行列 M (u, v) I3 に掃き出し法を施す方
0 v 1
法によって


1 − v 2 −u
uv
1


M (u, v)−1 =
1
−v  が得られる.
 −u
1 − u2 − v 2
uv
−v 1 − u2
 

x1
2 −2 3 −1
x 

 2

[3] M = −1 1 2 1  とし, x =   とおくとき次に答えよ.
 x3 
7 −7 0 −5
x4
 
0
 
(a) 同次方程式 M x = 0 を解け. (ただし 0 =  0 .)
0
 


 
x1
1
5/7
 0 
1
x 
 


 2
解答 掃き出し法による解き方で   = s   + t 
 が得られる.
−1/7
0
 x3 
0
1
x4
ただし
. 他の自由変数 u = t/7 を用いて解答が
 
 tは自由変数である
  s と
5
1
x1
0
1
x 
 
 
 2
  = s   + u   等でも表せる.
−1
0
 x3 
7
0
x4

(b) 答えを M x = 0 に代入して検算せよ.
(c) 階数 rank(M ) と M x = 0 の解の自由度を述べよ.
解答 両方が 2 となる. (M の列は 4 本あり, 2 本に要が現れるが, もう 2 本
に現れないから.)
(d) M の標準形を求めよ.

1 0 0 0


解答 rank M = 2 だから M の標準形は  0 1 0 0 となる.
0 0 0 0
 
−1
 
(e) 非同次方程式 M x =  1  の一般解を求めよ.
−5
 
0
0
 
解答 右辺は M の第 4 列に等しいので, x0 =   は明らかに非同次方程
0
1
 
x1
x 
 2
式の特殊解である. よって, 自由変数 s と u を用いて, 一般解は   =
 x3 
x4
 
 
 
0
1
5
0
1
0
 
 
 
  + s   + u   で表せる.
0
0
−1
1
0
7

以上.