NY連銀、米 GDP予想に参入

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北米
2016年4月27日
NY連銀、米GDP予想に参入
今日のヘッドライン2015年5月28日号でGDPナウをご紹介しましたが、NY連銀もGDP予想(ナウキャスト)の公表を開
始しました。2つのGDP予想方法は使用するデータや計算方法が異なっているため予想値にクセが見られます。
米地区連銀GDP予想モデル:アトランタ連銀
に続きNY連銀も公表開始
ニューヨーク(NY)連銀は、米国のGDP(国内総生産)を予想
する「ナウキャスト」を2016年4月15日から毎週金曜日に公表
(ただし当局者が金融政策に関する公式発言を自粛するブ
ラックアウト期間を除く)しています。4月15日時点の、NY連
銀が予想する2016年1-3月期GDP成長率は前期比年率で
0.8%となっています。一方、先行してGDP予想を発表していた
米アトランタ連銀の「GDPナウ」は同成長率を0.4%と予想して
います(4月26日時点、図表1参照)。
どこに注目すべきか:
GDPナウ、ナウキャスト、1-3月期GDP
今日のヘッドライン2015年5月28日号でGDPナウをご紹介し
ましたが、NY連銀もGDP予想(ナウキャスト)の公表を開始し
ました。2つのGDP予想方法は使用するデータや計算方法
が異なり、予想値に特色(クセ)が見られます(図表1参照)。
予想方法の違いは以下の通りです。
まず、アトランタ連銀のGDPナウはGDP(の予想)に関連する
経済指標であるISM製造業景況指数や国際貿易統計、小売
売上高などのデータを用いて、これらの指標が新たに公表
されるたびに新たなGDP予想値を算出するイメージです。し
たがって、GDPナウの予想値はデータが出揃う予想期間の
終わりにかけて「真の値」に近くなる傾向が見られます。例
えば、GDPナウによる2016年1-3月期のGDP予想値の推移
を見ると、予想開始時期の2月は2%を越えていました(図表2
参照)。しかしデータが出揃う4月末に向け低下(4月26日で
0.4%)しています。米国のGDPがこの期間に大きく変動した
可能性もありますが、予想開始当初のデータがたまたま好
調で、3月頃に公表されたデータ(例えばコア資本財出荷)の
低下がGDP予想に影響した可能性もあります。
一方、NY連銀が公表するナウキャストはGDPナウと違い幅
広いデータを利用します。例えば、雇用者数などGDPの構
成と異なるデータも使用します。ナウキャストの算出方法は
ピクテ投信投資顧問株式会社
様々な経済指標の動向の背後にある共通因子からGDPを予
想します。数学的には動的ファクターモデル(DFM)を使用
(GDPナウでもDFMを一部使用)しています。そのため、ナウ
キャストでは予想する各時点で様々なデータを反映しやすく、
どの時点の予想でも景気動向の実態に近いことが期待され
ます。GDPナウと比べナウキャストの予想値は(データによ
る)変動が小さいように見られます(図表2参照)。
米商務省が4月28日に「正式」の1-3月期GDPを公表します。
どちらの予想値が正式のGDPに近いかという点だけで予想
方法の優劣を判断しがちですが、十分とはいえないでしょう。
今後の検証(ナウキャストは公表されたばかり)が必要ですが、
動向を知る上ではナウキャストの利用など予想方法の違い
を踏まえて使い分けるのが望ましいと考えています。
図表1:アトランタ、ニューヨーク連銀GDP予想比較
ア ト ラ ンタ(GD Pナウ)
公表開始
2014年7月
更新頻度
主な指標の公表後
特定のGDP予想項目
データを使用
予想期間終わりに精度
予想値の傾向
が向上
2016年1-3月 (前期比年率) 0.4%
期GDP予想値 (4月26日時点)
予想値の特色
N Y( ナウキ ャ スト )
2016年4月15日
毎週金曜日、ただしブ
ラックアウト期間を除く
幅広い経済指標から
GDP成長率を推定
どの時点でも一定の精
度を期待
(前期比年率) 0.8%
(4月15日時点)
図表2:アトランタ連銀とNY連銀のGDP予想値の推移
(期間:2016年2月1日~4月26日、NYは2016年3月17日~4月15日)
3
※前期比年率
%
GDPナウは
+0.4%を予想
2
※4月15日に3月分も公表
1
0
16年2月
アトランタ
ニューヨーク
16年3月
1.1
0.9
1.1
1.1
0.8
16年4月
出所:アトランタ、NY各連銀のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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