PowerPoint プレゼンテーション

*グローバル投資環境
日銀金融政策決定会合~
No1329 *
ご参考資料
髙木証券投資情報部
「物価安定の目標」の達成予想時期を
先送りも、現状の金融政策を維持
2016年4月28日作成
日銀は4月27日から28日にかけて金融政策 『当面の金融政策運営について』要旨(4/27~28)
(1)「量」:金融市場調節方針 マネタリーベースが、年間80兆円に相当するペース
決定会合を開催、右記の「当面の金融政策運
(賛成8反対1)
で増加するよう金融市場調節を行う
営」についての方針を維持した。但し、9名
①長期国債の買入れペースは年間約80兆円、買
の委員のうち木内委員は14会合続けて「マネ
(2)「質」:資産買入れ方針
入れの平均残存期間は7~12年程度。
タリーベースおよび長期国債保有残高が、年
(賛成8反対1)
②ETFの買入れペースは3月末までは年間約3.3兆
間約45兆円に相当するペースで増加するよう
円。J-REITの買入れペースは年間約900億円
金融市場調節及び資産買入れを行う」ことを
(3)「金利」:政策金利
日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲0.1%
(賛成7反対2)
のマイナス金利を適用する
提案したほか、3月14~15日開催の前回会合
と同様に、「マイナス金利は市場機能や金融仲介機能および国債市場の安定性を損ねることから、
所要準備額を除く日本銀行当座預金については+0.1%の金利を適用することが妥当」と主張したも
のの、いずれも8対1の反対多数で否決された。
また、今回の会合では、「経済・物価情勢の展
望」(展望レポート)が発表された。足下の景気
については、新興国経済の減速の影響などから輸
出・生産面に鈍さがみられるものの、「基調とし
ては緩やかな回復を続けている」という、3月14~
15日開催の前回会合時の判断が維持された。また、
物価については、「消費者物価(除く生鮮食品)
の前年比は、当面0%程度で推移するとみられるが、
物価の基調は着実に高まり、2%に向けて上昇率を
高めていく」という基本観を維持しつつ、2017年
度の初めまではエネルギー価格のマイナス寄与が
残るとの見方に基づいて、「物価安定の目標」の
達成時期の予想は、「マイナス金利」の導入を決
定した1月28~29日開催の会合時点での「2017年
度の前半頃」から「2017年度中」に先送りされた。
その上で、今回示された見通しのうち2017年度までの成長率については、海外経済の減速に
伴う輸出の下振れなどの影響から下方修正するとともに、2016年度の物価見通しの下振れの背
景については、成長率の下振れや賃金上昇率の下振れを挙げている。
なお、金融政策の運営については、「2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定
的に持続するために必要な時点まで、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を継続するとし
た上で、会合後の会見で黒田総裁は「今後とも、毎回の金融政策決定会合において経済・物価の
リスクを点検し、「物価安定の目標」の実現のために必要と判断すれば、「量」・「質」・「金
利」の3つの次元で、躊躇なく追加的な措置を講じる」と述べている。
ちなみに、今回の金融政策決定会合については、何らかの追加緩和が行われることに対する市
場の思惑が相当に高まったが、髙木証券では、とりわけ期待感が大きかったETFの買入目標の増
額は、それ単独では大義名分が立たたないほか、これを正当化するために同時に国債の買入目標
を増額しようとすれば、そのために必要となるマネタリーベースの拡大とマイナス金利は相容れ
ないとの理由から、日銀の追加緩和に対して否定的な立場をとっており、日銀が何らかのアク
ションを起こすことはそう簡単ではないとの見方を継続する。
(文責:勇崎 聡)
(出所:日本銀行より髙木証券作成)
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