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*グローバル投資環境
日銀金融政策決定会合~
No1485 *
ご参考資料
髙木証券投資情報部
現状の金融政策を維持。「物価安定の
目標」の達成予想時期は先送り。
2016年11月1日作成
日銀は10月31日から11月1日にかけて金融政
策決定会合を開催、9月20~21日に開かれた前
回の会合で導入された右記の「長短金利調節付
き質的・量的金融緩和」の枠組みを維持するこ
とを、7対2の賛成多数で決定した。
『当面の金融政策運営について』
内容
短期金利:日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利を適用する
金融市場調節方針 長期金利:10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買入れを行う。買入
れ額については、概ね現状程度の買入れペース(保有残高の増加額年間約80兆円)をめど
としつつ、金利操作方針を実現するよう運営する。
また、今回の会合では、「経済・物価情勢の
展望」(展望レポート)が発表された。景気に
長期国債以外の資産の買入れについては、以下のとおりとする。
ついては、「わが国経済は、海外経済の回復に
資産買入れ方針 ①ETFおよびJ-REITについて、保有残高が、それぞれ年間約6兆円、年間約900億円に相
加えて、きわめて緩和的な金融環境と政府の大
当するペースで増加するよう買入れを行う。
型経済対策の効果を背景に、2018年度までの見
②CP等、社債等について、それぞれ約2.2兆円、約3.2兆円の残高を維持する。
通し期間を通じて、潜在成長率を上回る成長を
《2016~2017年度の政策委員の大勢見通し》
続けると考えられる」と述べており、GDPの見通しも7月28~
消費者物価指数
実質GDP
29日の会合時に公表した前回の「展望レポート}から変って
(除く生鮮食品)
いない。一方、物価については、「消費者物価(除く生鮮食
+0.8
~
+1.0
-0.3
~ -0.1
2016年度
〈+1.0〉
〈-0.1〉
品)の前年比は、当面小幅のマイナスないし0%程度で推移す
7月時点の +0.8 ~ +1.0
0.0 ~ +0.3
るとみられるが、マクロ的な需給バランスが改善し、中長期的
見通し
〈+1.0〉
〈+0.1〉
な予想物価上昇率も高まるにつれて、見通し期間の後半には
+1.0
~
+1.5
+0.6
~ +1.6
2017 年度
2%に向けて上昇率を高めていくと考えられる」と述べている
〈+1.3〉
〈+1.5〉
7月時点の +1.0 ~ +1.5 +0.8 ~ +1.8
が、2018年度までの見通しについては総じて下方修正、2016
見通し
〈+1.3〉
〈+1.7〉
年度の中央値は7月時点の+0.1%から▲0.1%に引き下げられた。
+0.8 ~ +1.0 +0.9 ~ +1.9
2018 年度
〈+0.9〉
〈+1.7〉
その上で、リスクバランスについては、「経済・物価ともに
7月時点の +0.8 ~ +1.0 +1.0 ~ +2.0
見通し
下振れリスクの方が大きい」と指摘、金融政策運営については、
〈+0.9〉
〈+1.9〉
「2%の『物価安定の目標』の実現を目指し、これを安定的に
持続するために必要な時点まで、『長短金利操作付き量的・質的金融緩和』を継続する。消費者
物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベー
スの拡大方針を継続する。今後とも、経済・物価・金融情勢を踏まえ、『物価安定の目標』に向
けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行う」という「オーバーシュートコミット
メント」を確認している。
なお、2%の「物価安定の目標」の達成時期の予想は、前回の「展望レポート」で示された
「2017年度中」から「2018年度頃」に先送りされた。ちなみに、2013年4月3~4日の金融政策決
定会合で、今日にまで至る大規模な金融緩和の母体となる「質的・量的金融緩和」を導入した際に、
日銀が「物価安定の目標」を「2年程度の期間を念頭に置いて」、できるだけ早期に実現すること
を明言して以降、達成時期の予想が先送りされるたびに、一部の市場関係者が「追加緩和」の必要
性を声高に主張することが繰り返されてきたが、前回会合での政策変更の前提である「総括的な検
証」において、「予想物価上昇率の引き上げには時間がかかる可能性に留意する必要」に言及する
とともに、黒田総裁も最近の会見では、「物価安定の目標がいつ達成されるかという点については、
不確実性が大きい」と繰り返して述べてきたこともあり、今回の先送りによって、2018年4月まで
の黒田総裁の任期中に目標が達成できなくなる可能性を指摘する声はあるものの、具体的なアク
ションを求める向きは多くないようだ。
髙木証券では、日銀は当分の間現在の政策を維持すると考えており、為替市場にインパクトを
与える次の一手が日銀から出る可能性は低いとの見方を継続する。
(文責:勇崎 聡)
(出所:日本銀行より髙木証券作成)
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