第 27 回万有仙台シンポジウム Poster 発表用紙 水溶液中における 1,6-アンヒドロ糖の直接合成 Direct Synthesis of 1,6-Anhydro Sugars in Aqueous Media 目黒康洋、芹澤一成、野口真人、正田晋一郎(東北大院工) 1,6-アンヒドロ糖は C-グリコシド、N-グリコシド、S-グリコシド等の様々な糖質合成におけ る重要な合成中間体である。従来、1,6-アンヒドロ糖の合成は保護・脱保護を必要とする多段 階反応であり、目的物の収率を低下させていた。さらに、反応途中に酸を用いることからグリ コシド結合の開裂を併発し、オリゴ糖への適用が困難であった。当研究室では、ホルムアミジ ン型脱水縮合剤を用いることにより、1,6-アンヒドロ糖を、水中で一段階にて簡便に合成可能 であることを報告している 1)。これによりオリゴ糖を含む広範な糖基質に適用が可能であり、 効率的かつ汎用性の高い合成法の確立を達成した。 OH DMC or CDMBI O RO RO OH D2O, Base, 0 ℃ OR OR Cl- Cl O OR O + Cl- Cl- Cl + OR N N N DMC R=H or Me N CDMBI Scheme: The synthesis of 1,6-anhydro sugars さらに反応の検討を行った際、糖基質により収率が異なことを見出した。この結果から、我々 は糖ヒドロキシ基の置換が 1,6 アンヒドロ化の反応性に影響を与えていると想定した。そこで 基質として 2 位、3 位、4 位のヒドロキシ基をメチル化したグルコース誘導体を用い、無保護 糖の場合との比較および検討を行った。その結果、各グルコース誘導体に関して 1,6-アンヒド ロ糖の収率には顕著な差が現れた。本研究は、これまで想定されてきた 1,6-アンヒドロ化の反 応機構ならびにアノマー位直接誘導化における基礎的な知見になると考える。 O OH O OH HO OH OH OH HO HO 1,6-Anhydro galactose 85% O OMe 1,6-Anhydro 2-OMe-glucose N.D. OMe O OH OH OH O OH 1,6-Anhydro maltose 96% O 1,6-Anhydro 3-OMe-glucose trace O OH O O OH 1,6-Anhydro glucose 89% OH O O OH O O OH O OMe OH 1,6-Anhydro 4-OMe-glucose 80% (Determined by 1H NMR) <参考文献> 1)Tomonari Tanaka, Wei Chun Huang, Masato Noguchi, Atsushi Kobayashi, Shin-ichiro Shoda, Tetrahedron Lett., 2009, 50, 2154-2157 発表者紹介 氏名 目黒康洋 (めぐろやすひろ) 所属 東北大学大学院工学研究科 バイオ工学専攻 機能高分子化学分野 学年 修士課程 2 年 研究室 正田研究室
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