AAP OME guideline- 1

AAP OME guideline-
1
AMERICAN ACADEMY OF PEDIATRICS
CLINICAL PRACTICE GUIDELINE
Otitis Media With Effusion
米国小児科学会
臨床診療ガイドライン
滲出性中耳炎
(和歌山県立医科大学耳鼻咽喉科邦訳)
Pediatrics 2004;113:1412-1429
概要
この滲出性中耳炎の臨床診療ガイドラインは、小児滲出性中耳炎の診断・治療におけるエビデ
ンスに基づいて推奨されるものである。これは、The Agency for Healthcare Policy and Research (現
在 the Agency for Healthcare Research and Quality) によって 1994 年作られた臨床診療ガイドラ
インである「Otitis Media With Effusion in Young Children」の 最新版(update)である。以前のガイ
ドラインでは、頭部顔面、神経学的に異常のない、また知覚障害のない1∼3歳の小児に限定され
ていたが、最新のガイドラインは、発育障害や、滲出性中耳炎とその続発症の素因がある状態の
有無にかかわらず、2 ヶ月から 12 歳までの小児が適応となっている。米国小児科学会、米国家庭
医学会、米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会は、滲出性中耳炎ガイドラインを改訂するために、プラ
イマリーケア医、耳鼻咽喉科医、疫学感染症、言語聴覚士、専門看護師(advanced-practice
nursing)の各分野から専門の委員を選出した。
委員会は、基本的な診断法として気密耳鏡検査法を用いて急性中耳炎と滲出性中耳炎を鑑別
することを強く推奨した。
委員会は次の点を推奨した。
1)滲出性中耳炎の患側、滲出液の存在する期間、関連する症状の存在および重症度を記載す
ること
2)滲出性中耳炎を有する小児において、発音、言語、学習障害に対するリスクのある滲出性中
耳炎の小児を見分け、聞こえ、発音、言語を適確に評価し、そのリスクに対する介入の必要性
を出来るだけすばやく評価すること
3)リスクのない滲出性中耳炎の小児では、滲出性中耳炎が発症した日から、もしそれが分から
なけれが滲出性中耳炎と診断した日から 3 ヶ月間注意深く経過観察しながら診療すべきであ
る。
4)滲出性中耳炎が 3 ヶ月以上存在するときや、言語発達遅延や学習障害や明らかな聞こえの
低下が疑われたときはいつでも、聞こえの検査をすること
5)リスクのない遷延性滲出性中耳炎患児では、滲出液が消失しなくなるまで、明らかな難聴が
確認されるまで、または鼓膜あるいは中耳に構造的異常が疑われる時点まで、3−6ヶ月間隔
で再診すべきである
6)さらに、患児が外科的治療(鼓膜換気チューブ挿入が第一選択となる)の候補者となるまで3
から 6 ヶ月間隔で検査すべきである。
アデノイド切除は、明白な適応が存在しない限り(鼻閉、アデノイドの慢性炎症)、するべきでない。
この手術は、鼓膜換気チューブ挿入の併用の有無に関わらず鼓膜切開とアデノイド切除のことで
ある。扁桃摘出術単独および鼓膜切開単独は、滲出性中耳炎の治療としては適応とならない。
委員会は次の項目に対しては否定的な推奨とする。
1)健康で症状のない小児対する滲出性中耳炎の集団スクリーニングプログラム
2)抗ヒスタミン剤やうっ血除去薬は、滲出性中耳炎に有効でないので治療に使うべきではないこ
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と。抗菌薬やコルチコステロイドは、長期的有効性がないので通常の治療として使うべきでは
ない
委員会は次の項目はオプションとする。
1)チィンパノメトリーは滲出性中耳炎の診断を確認するために使うことができる
2)滲出性中耳炎患児が耳鼻咽喉科医、聴覚訓練士、言語聴覚士による評価のためプライマリ
ーケア医により紹介されたとき、紹介する医師は、滲出液の存在した期間や紹介する特別な
理由(評価や手術)を明確にし、さらに急性中耳炎の既往歴や小児の発達状態などの関連情
報を提供すべきことである。
委員会は次の項目は推奨しない。
1)有効性を実証する科学的エビデンスが欠けているので、滲出性中耳炎の治療としての代替医
療は推奨しない
2)アレルギーと滲出性中耳炎の因果関係に関してはエビデンスが不十分であり、その治療の有
効性に関するエビデンスも不十分なため、滲出性中耳炎の治療としてのアレルギー診療は推
奨しない
最後に、委員会は検討したエビデンスがまだ不十分であることから、今後必要な研究のリストを編
集した。
このガイドラインの目的は、2 ヶ月から 12 歳までの小児における滲出性中耳炎を確認、監視、治
療するエビデンスに基づいた方法を臨床医に伝えることである。このガイドラインは 12 歳以上の小
児には適さない。これは12歳以上では滲出性中耳炎は少なく、さらにその自然経過が急激に進展
する幼小児とは異なるからである。対象母集団は、発達障害や滲出性中耳炎やその続発症の素
因の有無に関わらない。このガイドラインは、プライマリーケア医、専門医、看護師、ナースプラクテ
ィショナー(プライマリーケアの高度教育を受けた登録看護師)、医師助手、聴覚訓練士、言語聴
覚士、小児発達専門士、を含む小児のヘルスケアに携わるすべての関係者の使用を前提としてい
る。このガイドラインは、滲出性中耳炎患児の診断、監視、診療におけるあらゆる状況においても適
応されるものである。
このガイドラインは、滲出性中耳炎患児を評価する唯一の指針となるものではない。むしろ、プラ
イマリーケア医やその他の臨床医が治療方針を決めるためのエビデンスに基づいた枠組みを提供
するのを助けるように作られている。このガイドラインは臨床判断に取って代わるものではなく、さら
にこのような状態の全ての患者に対する診療プロトコールを確立することを意図していない。さら
に、この問題を診断、管理する唯一の適切なアプローチを与えているわけではない。
このガイドラインで述べられている滲出性中耳炎は急性耳感染の所見や症状が無く、中耳に滲
出液が存在するものと定義されている1,2。滲出性中耳炎は、急性発症の病歴、中耳貯留液の存
在、中耳の炎症の所見や症状が存在する急性中耳炎とは全く異なる病態と考えられる。滲出性中
耳炎における持続的な中耳貯留液は、鼓膜の動きを制限し、伝音を悪化させる3。合衆国では毎
年約 220 万人が診断されており、毎年直接的および間接的に 40 億ドルの費用を生み出す2。
滲出性中耳炎は耳管機能の未熟や急性中耳炎の炎症反応から発症すると考えられている。約
90%の小児(個々の耳の 80%)は、就学前4、ほとんどが生後 6 ヶ月から 4 歳に滲出性中耳炎に罹
患している5。1 歳までに 50%以上の小児が滲出性中耳炎に罹患しており、2 歳までに 60%以上が
罹患する6。ほとんどが3ヶ月以内に自然治癒するが、30∼40%の小児が滲出性中耳炎を再発させ、
5∼10%は 1 年以上続く1,4,7。
このガイドラインにおける基本的なアウトカムは、難聴、発音、言語、教育に対する影響、生理的
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続発症、ヘルスケアの利用(薬物治療、外科的治療)、および QOL である1,2。滲出性中耳炎の高
い有病率、診断や評価する期間の困難さ、伝音難聴の増加する危険性、言語や認識に対する潜
在的な影響、さらに治療における様々な診療バリエーションの存在8、などがあるため、滲出性中耳
炎に診療において、最新のエビデンスに基づいた診療ガイドラインを使用することが極めて重要で
ある。
方法
一般的な方法および文献検索
滲出性中耳炎を治療するためのエビデンスに基づいた臨床診療ガイドラインを作成するために、
American Academy Pediatrics(AAP)、American Academy of Family Physician、American Academy
of Otolaryngology-Head and Neck Surgery は、Healthcare Research and Quality(AHRQ)、およびそ
の他の組織と協力した。この組織には、聴覚訓練士、言語聴覚士、情報科学、専門看護のおのお
のの組織の代表者も加わった。滲出性中耳炎の小児を治療する最新の文献を評価し、調査はエ
ビデンスの評価過程を導くことまでおよんだ。
Southern California Evidence-Based Practice Center(EPC)からの滲出性中耳炎における AHRQ
の報告は、自然経過、診断方法、長期間の発音、言語、聞こえのアウトカム2、等に対する重大な
問題に焦点を絞った。調査は 2000 年 1 月まで、Medline、Embase、Cochrane Library において行
われた。参考文献としては、会議録のリファレンスリスト、報告書、その他のガイドラインも含めた。
EPC は、3200 のアブストラクトを検討し、970 の論文を選び評価した。EPC は、品質基準の設定9,1
0
を用いて無作為試験、前向きコホート、診断試験の有効性(コホート研究の正当の証明)の論文
評価を行った。
AAP 滲出性中耳炎委員会は、2003 年 4 月までの文献を Medline オンライン検索により検索し、さ
らに委員会メンバーの手作業で検索した論文を評価し最新版にした。文献のコピーを委員会メン
バーに提供し検討を行った。代替医学(CAM)に関連した文献は、2003 年4月まで Medline および
Allied and Complementary Medicine Database を用いて、特別に検索した。アレルギーと滲出性中
耳炎との関連の文献は 2003 年 4 月まで Medline を用いて確認した。この委員会は 1 年以上の間
に 3 回招集し、その間は、内容の正確さと臨床診療ガイドラインを報告するための標準化基準11に
沿っていることを確認しながら、電子レビュー(electronic review)やおのおののガイドラインの修正
が行われた。
2003 年 5 月に、Guideline Review Group of the Yale Center for Medical Informatics は、その時の
ガイドライン草案の内容を分類するために Guideline Elements Model12を用いた。方針の記載は変
化や行動の決定の分割を分析し、それから決定の可能性や実行の可能性を評価した。すでに確
立した基準を用いた品質評価13は、Guidline Elements Model-Q online14,15で行われた。遂行可能
性の問題については、Yale Guideline Review Group によって開発中の Implementability Rating
Profile によって前もって予測された。滲出性中耳炎小委員会メンバーは要約した結果を受け取り、
そのガイドラインの最新案を修正した。
診療ガイドライン最終草案は小委員会によって認定した多くのことがらがさまざまなピアレビュー
(専門分野の査読)を受けた。 それぞれの評価は委員会議長によって編集され再検討された。診
療ガイドラインに含まれる推奨は 2003 年 4 月までのもっとも有用なデータを基づいている。データ
が欠けているところは臨床経験や専門家の意見を用いた。本ガイドラインは発刊から 5 年後に再評
価される予定である。新しい有力なエビデンスが早期に認められた場合には、この再評価はもっと
早く起こるだろう。
エビデンスに基づいた記載の分類
ガイドラインは医療における不適当なバリエーションを減らし、患者の最適な健康状態を導き、害
を最小限にすることを意図している。ガイドライン作製のエビデンスに基づいた方法は、方針を支え
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るエビデンスが確認され、評価され、要約されることや、エビデンスと記載の間の明白なつながりが
定義されることを必要とする。エビデンスに基づいた記載は、エビデンスの質やその記載に従うとき
に予期される有用性と害のバランスを反映する。エビデンスに基づいた記載の AAP の定義16を表1、
2に示す。
ガイドラインはけっして専門家の判断を否定することを意図していない。むしろ、ガイドラインはそ
れぞれの臨床状況における個々の臨床医の裁量を相対的な抑制するものであると考えられるであ
ろう。診療におけるバリエーションが非常に少ない場合には(多くの意見の一致が得られている場
合)、推薦より強い推薦が期待される。オプションは臨床のバリエーション17にもっともよく用いられる
方法を提供する。全ての臨床医はいつも信じる方法で行動し決定すべきで、ガイドラインの推薦に
関係なく患者の有用性、必要性を供給するのに最善を尽くすべきである。ガイドラインはある特定
のトピックスに関する科学的エビデンスを扱う経験のある臨床医や方法学者のチームの専門的な
判断を示すものである16。
健康診療についての推奨は、治療オプションに関するさまざまなアウトカムにおける望ましさの価
値判断することを含む。滲出性中耳炎小委員会における価値のある判断は、害を最小限にし、不
必要な治療を軽減する効果がある。有益なアウトカムの得られる機会を最大限にするため、話し方、
言語、学ぶことにおけるリスクのある小児をすばやく確認、治療することが強調されている。また、診
断やスクリーニングに関係する直接費用を記載することを考慮し、他の項目の費用の記載に関して
は重きを置かなかった。
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表 1 エビデンスに基づいた記載法に対するガイドラインの定義
記載
強い推奨
(Strong Recommendation)
推奨(Recommendation)
選択(Option)
推奨しない
(No Recommendation)
定義
小委員会が、推奨した方法の有用性が明らかに有
害性を上回る(有害性が明らかに有用性を上回る
場合には反対の強い推奨となる)、または、サポート
するエビデンスの質が優れている(gradeA,B)と信頼
すること。質の高いエビデンスが得ることができなく
とも、有用性がその有害性より明らかに大きいときに
は、強い推奨とされる場合がある。
小委員会が、有用性が有害性を上回る (有害性が
有用性を上回る場合には反対の推奨となる) が、
エビデンスの質がそう高くない(gradeB,C)。質の高
いエビデンスが得ることができなくとも、有用性がそ
の有害性より大きいときには、推奨とされる場合が
ある。
エビデンスの質が疑わしい(gradeD)、もしくは注意
深く行われた研究(gradeA,B,C)がそれぞれの治療
法に明らかな有意差を示さなかった場合である。
適切なエビデンス (gradeD)の欠乏と、予想される
有用性と有害性のバランスが不明確なこと。
意味
臨床医は他の方法があると
いう明確で強い理論的根拠
がなければ従うべき
臨床医は一般的に推奨に従
うべきだが、新しい情報や患
者の訴えに注意すべき
選択の境界を示すことになる
が、臨床医は適切な診療に
関する自分の決定におい
て、柔軟にすべきである。患
者の要求は治療を決定する
とき、本質的に重要な意味を
持つ
臨床医は意思決定に関して
ほとんど制限を設けるべきで
なく、有用性と有害性につい
て明らかなエビデンスの発表
を待つべきである
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表2エビデンス・グレードにおけるエビデンスの質
Grade
A
B
C
D
エビデンスの質
うまくデザインされた、無作為比較試験もしくは診断学的研究で、ガイドラインの目的とする母集団と類似
した母集団において研究がなされている
わずかな制限がある無作為比較試験もしくは診断学的研究
全く矛盾しない観察研究からのエビデンス
観察研究(ケースコントロール、コホート研究)
専門家の意見、症例報告、基本的原理(first principle)からの推論(研究室研究、動物実験)
1A 気密耳鏡検査法
臨床医は気密検査法を滲出性中耳炎のための基本的な診断法として使用すべきであり、滲出性
中耳炎は急性中耳炎と鑑別されるべきである。
これは、コホート研究のシステマティック・レビュー(系統的評価)と、有用性が有害性を上回る優
位さに基づいた強い推奨である。
1B ティンパノメトリー
ティンパノメトリーは滲出性中耳炎の確定診断をつけるために使うことができる
このオプションは、コホート研究と、有用性と有害性のバランスに基づいている。
正しく滲出性中耳炎を診断することは、適切な診療の基本である。さらに、不必要な抗菌薬の使
用を避けるため、急性中耳炎と鑑別しなければならない18,19。
滲出性中耳炎は急性耳感染の所見や症状が無く、中耳に滲出液が存在するものと定義されて
いる2。鼓膜はしばしば混濁しており、明らかに動きが悪く20、液体が貯留している線や気泡が中耳
に観察できることがある。逆に急性中耳炎と診断することは、所見や症状の急性の病歴、中耳貯留
液の存在、中耳の炎症の所見や症状が必要となる。重要な点は、急性中耳炎のみ、急性の所見
や症状があるということである。鼓膜の明らかな発赤は抗菌薬の処方の基準であるべきではない。
なぜなら発赤のみでは急性中耳炎と診断する価値は乏しく、滲出性中耳炎を伴った耳の5%以下
に存在するからである20。
AHRQ エビデンスレポート2は、滲出性中耳炎の9つの診断方法における感度、特異度、信頼度
を系統的に評価した。
気密耳鏡検査は 1994 年のガイドライン1と一致して、感度、特異性の点でもっともバランスが良か
った。メタアナライシスでは、診断技術を有する医師にとってゴールドスタンダードとすべき検査法と
して、気密耳鏡検査と鼓膜切開を比較検討した結果、94%の集団感受性(pooled sensitivity)
(95%信頼区間:91∼96%)、80%の特異度(95%信頼区間:75%∼86%)を示した。したがって気密
耳鏡検査は滲出性中耳炎診断の第一選択であるべきである。なぜなら、気密耳鏡検査は、診療に
おいてすぐに利用でき、低コストで、熟練者には正確であるからである。気密耳鏡検査無しに、診
断することは勧められない。
日常臨床診療において気密耳鏡検査の正確さは、公表された結果より低いかもしれない。なぜ
なら、診断する臨床医の訓練や経験は様々であるからである 21,22。滲出性中耳炎の診断が不正
確なときティンパノメトリーや音響反射が気密耳鏡検査の代わりになると考えられる。標準 226Hz の
プローブトーンを用いたティンパノメトリーは、4 ヶ月以上の小児で信頼して用いることができ、日常
臨床診療において、そのカーブパターンによる診断は観察者間で多くの意見の一致を見ている23,
24
。4 ヶ月以下の乳児はさらに高い周波数のプローブトーンの特別な装置が必要である。ティンパノ
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メトリーは、機械購入、1年毎のキャリレーション、試行に関係するコストがかかる。スペクトル傾斜分
析を用いた音響反射は、外耳道にエアータイトシールを必要としないティンパノメトリーの低コストな
代替品である。しかしながら、意義のある研究では滲出性中耳炎の良く起こる2歳以上の小児には、
最初に使うと述べている。
気密耳鏡検査が不快を引き起こすかどうかの調べた研究は無いが、専門家の一致した意見で
は、特に急性感染症(急性中耳炎)が存在しないときは、その行為は、痛がらない。非侵襲性の検
査は、丁寧に使い、必要であれば適切に押さえつけ、外耳道の 3 分の1(軟骨部)のみ鏡を挿入す
ることによって行う。含気球部を、挿入時に少し圧縮させる。なぜなら滲出性中耳炎はしばしば中
耳が陰圧になっており、圧縮した球部を放出する事によってもっと正確に評価することができる。耳
鏡は充分充電し、球(ハロゲンやキセノン)を輝き発光させ、球状注入器は、密封の有害性を防ぐ
ため、頭にきつく付けなければならない。窓は同じくふさがなければならない。
エビデンスプロファイル:気密耳鏡検査
・エビデンスの質の総計:A、適切な母集団における診断学的研究
・有用性:診断の正確さの向上、安価な器機
・有害性:耳鏡気密検査における臨床医の訓練費
・有用性有害性の評価:有害性より有用性のほうが優勢
・方針のレベル:強い推進
エビデンスプロファイル:ティンパノメトリー
・エビデンスの質の総計:B、小さな制限のある診断学的研究
・有用性:気密耳鏡検査より診断の正確さ増す、記録
・有害性:購入金額、管理の負担、キャリブレーションの繰り返し
・有用性有害性の評価:有用性と有害性の均衡
・方針のレベル:オプション
1C スクリーニング
滲出性中耳炎に対する人口を対象としたスクリーニングプログラムは、健康な症状の無い小児
には推奨されていない。
この推奨は、無作為比較試験、コホート研究に基づいており、有用性より有害性のほうが優勢で
ある
この推奨は、病気のあらゆる先行する症状や病歴を無視して地域社会や学校ですべての小児
の人口を対象としたスクリーニングプログラムに関することである。この推奨は、既往のある、再発性
の滲出性中耳炎のある特別な小児の聞こえのスクリーニングや監視は唱えていない。
滲出性中耳炎は幼児に非常に多い。新生児から 5 歳までの健康な小児のスクリーニング調査で
は、15%∼40%に中耳貯留液の有病率を示す。1 年ごとに定期的に検査した小児の間では、ケア
センターにいる小児の 50∼60%、就学児の 25%は、冬の間、発生率のピーク時には、試験実施期
間に何回か中耳に貯留液が存在する。
人口を対象としたスクリーニングでは短い期間の言語習得に対する影響を見出すことができず、
長い期間の言語習得の無作為臨床試験は評価されていない。したがって、スクリーニングに対す
る推奨は、滲出性中耳炎を確認する能力だけではなく、さらに重要であるこの病気の好ましい自然
経過より良いと思われる小児を治療することからの明らかな有用性の欠如に基づいている。New
Zealand Health Technology Assessment は、滲出性中耳炎に対する就学前検査が効果的かどうか
決定することができなかった。最近では、Canadian Task Force on Preventive Health Care は、滲出
性中耳炎の型どおりのスクリーニングをするかしないか推奨するのに役立つエビデンスは不十分で
あると報告した。滲出性中耳炎に対するスクリーニングは本来有害ではないが、不正確な診断、一
定に期間で終わる病気の行き過ぎた治療、親の不安、スクリーニングや不必要な治療のコストなど
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潜在的なリスクが含まれる。
人口を対象としたスクリーニングというものは、一般的な状態に適しており、感度や特異度試験
および早期発見治療の有用性によって検出される。就学児の最高 80%影響を及ぼしティンパノメト
リーで簡単にスクリーニングできる(参照 推奨1B)滲出性中耳炎では、最初の要求は、満たされる。
しかしながら、スクリーニングで見つかった滲出性中耳炎の早期発見治療は、知能、言葉の受け取
りに関することの改善を示さない。すなわち、症状の無い小児における滲出性中耳炎の早期発見
する人口を対象としたスクリーニングは結果的に改善を示さず、推奨されない。
エビデンスプロファイル:スクリーニング
・エビデンスの質の総計:B、小さな制限のある無作為試験、観察研究からの矛盾しないエビデンス
・有用性:結果として潜在的発達上の改善がある(最も良い最新のエビデンスが証明されていない)
・有害性:不確かな診断(偽陽性や偽陰性)、一定に期間で終わる病気の行き過ぎた治療、親の不
安、スクリーニングのコスト、不必要な治療
・有用性有害性の評価:有用性より有害性のほうが優勢
・方針のレベル:反対の推奨
2.記録(documentation)
臨床医は、滲出性中耳炎のある小児についての各々の評価である、左右や滲出液の存在する
期間、関連する症状の存在や重症度を記録すべきである。
この推奨は、観察研究と有害性より有用性が上回る強い優勢に基づいている。
病歴の記録は、診断や治療を促進し、他の臨床医に患者の安全を保障し、医療の間違いを減
少させるための関連情報を提供する。滲出性中耳炎のある小児の治療決定は、滲出液の存在す
る期間や左右、関連する症状の性質や重症度を加えたことに依存する。したがって、これらの特徴
は、滲出性中耳炎によりおこるすべての医療の遭遇することがらであり、記録されるべきである。滲
出性中耳炎に対する記録を明確に扱った研究はないが、外来治療の病歴の記録を改善する余地
はある。
理論上、滲出性中耳炎の起こった時間や左右は、急性中耳炎が先行したとき、中耳に貯留した
と思われる急性の兆候や症状の起こったとき、以前の正常な検査の後すぐにオージオグラムやティ
ンパノグラムで異常が出たとき定義される。しかしながら、このような状況はしばしば欠けており、臨
床医は、日常の診療に訪れたときや学校でのスクリーニングでのオージオメトリーで滲出性中耳炎
を見つけられた小児において、起こった時間や滲出液の存在する期間を推測する事を強いられ
る。
滲出性中耳炎の 40∼50%において、病気にかかっている小児やその親や使用人たちは誰も中
耳の滲出液に対する強い不満は言わない。しかしいくらの小児において、滲出性中耳炎は、記録
すべき炎症や滲出液の存在(急性の感染ではない)の原因となる兆候や症状に関連していると思
われる。以下に例を挙げる。
・軽度の間欠的耳痛、耳閉感(充満感 popping)
・乳児における耳痛の2次性の表現、耳を良く触る、易刺激性、睡眠障害など。
・声や環境の音の反応に対して乳児の適切でない反応、音源の方向に正確に向かないなど。
・小児は訴えることがほとんど無いが、集中力が欠けているように思われる、態度の変化、普通の会
話レベルおける話し声の反応の欠如、音響機器の使用時やテレビを見ているときの非常に大き
な音量が必要なことにより、難聴が疑われる
・間に滲出性中耳炎が持続する、繰り返す急性中耳炎エピソード
・学校でのふるまいに関する問題
・バランスの問題、説明できない不器用さ、ひどい運動発達の遅れ
・ 言語発育の遅れ
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左右(一側性や両側性)、滲出液の存在する期間、症状に関する存在や重症度は、滲出性中耳
炎のある小児の各々の評価における病歴を記録すべきである。
エビデンスプロファイル:記録
・エビデンスの質の総計:C、観察研究
・ 有用性:重症度を明確にする、予後の期間、他の臨床医との将来コミュニケーションを容易に
する、適切な介入時をサポートする、常に一側性であれば、滲出性中耳炎より他の特別な問
題(retraction pocket や真珠腫など)を同定するかもしれない
・有害性:運営上の負担
・有用性有害性の評価:有害性より有用性のほうが優勢
・方針のレベル:推奨
3.リスクのある小児(CHILD AT RISK)
臨床医は会話、言語、学習能力障害などのリスクをもつ子供をその他のそれらの障害を持たない
OME 患児と区別し、より早い段階で聴力、会話、言語および適切な治療の必要性を検討すべきで
ある。
この推奨は有用性が有害性を上回る症例検討に基づいており、リスクのある OME 患児の研究
では倫理的制限がある。
委員会は表3に挙げたような感覚的、身体的、先天的、行動様式、の要因のために発達に多く
の問題がある(遅延または障害)ものをリスクのある児童と定義する。これらの要因は OME に由来
するものではないが、中耳貯留液に続発する難聴や前庭障害を起こしやすくする。対照的にリスク
のない OME 患児は他の点では健康であり、表3に挙げたような要因は持たない。
表3 発達障害に関するリスクファクター*
OME とは別に存在する永続的な難聴
会話や言語の発達遅延や障害の疑診または確診
自閉症―関連疾患または幅広い発達障害
症候群(Down 症など)、認知、会話、言語遅延を含む頭蓋顔面奇形
盲目、または難治性の視覚障害
関連する症候群に合併する、または単独の口蓋裂
発達遅延
* OME を有する患児の発達障害(遅延または障害)のリスクを増悪させる感覚的、身体的、認知
的、行動的要因
OME 管理のための前回のガイドラインは健康で発達遅延を示さない幼児にのみ適用している1。
OME と難聴や会話/言語発達間の関係に関する研究では、特に頭蓋顔面奇形、遺伝子疾患や
その他の発達障害の子供を除外している。したがって、採用した文献は無作為比較試験の基準に
合致する健康な子供を主に対象としていた。OME に由来する難聴が原因となった発達の後遺症
に関する数少ない研究はリスクのある子供に一般化されうる。
会話や言語の発達遅延のリスクのある児童は、断定的な研究はないが、OME に由来する聴力
障害によりさらに影響を受けうる51。例えば、ダウン症52や脳性麻痺53の子供や青年の小比較試験
では、早期の中耳炎既往に関連して計算能力や言語理解が劣ることが示された。発達遅延があっ
たり、更に遅延が進むようなリスクを持つ子供に関する大規模研究は、方法的、倫理的に難しいた
めに将来的に実現しそうではない。したがって、OME 患児の管理を行う臨床医は発達遅延(表3)
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のリスクを子供にもたらしそうな他の条件が共存していないかどうかを検討し、評価や管理の計画を
練る際に、これらの条件を考慮に入れるべきである。
頭蓋顔面骨奇形(口蓋裂;ダウン症;ロビン症候群:コロボーム:心欠損:後鼻腔閉鎖:精神発育
発達遅滞:遺伝子異常:聾を伴う耳介欠損(CHAGE))を有する小児では、これらの奇形をもたない
小児たちに比べて、慢性的な OME、難聴(伝音及び感音性)、会話や言語発達遅延の発生頻度
が高い54−57。 その他の子供たちではあまり OME になりやすい傾向はないだろうが、OME とは関
連しない難聴58,59や特定の言語障害60、自閉症61、認知能力や言語の発達に対して悪影響があ
る症候群を持つ子供たちと同じように、会話や言語の障害を持つ傾向がある。あるレトロスペクティ
ブな研究52,62,63ではダウン症のように先天的な遅延を持つ子供で、OME による難聴はより言語レ
ベルを低くすることを示唆している。言語の遅延や障害をもち、中耳炎の既往のある子供は OME
既往のみの子供に比べて、言語認知能力がずっと劣る64,65。
重度の視力障害をもつ子供は、正常な視力をもつ子供に比べ、高度に聴力に依存するため
に OME の影響をより受けやすい51。視覚障害者の言語のための最も重要な残存感覚入力(聴力)
が少しでも低下すれば、言語の発達や他者とのコミュニケーション能力が有意に危うくなる。重度
の視力障害をもつ全ての患児は OME の後遺症を受けやすく、特に平衡感覚や音の方向性、情報
伝達の分野が障害されやすいと認識するべきである。
発達遅延の多くのリスクを持つ OME 患児の管理には、聴力検査や会話や言語の評価を含め
るべきである。さらに、OME 治療と同時に行う会話言語の治療、OME とは関連しない難聴に対す
る補聴器やその他の増幅デバイスの使用、鼓膜チューブ留置治療54,63,66,67、それに OME は潜
行する難聴や発達遅延をマスクする可能性があるため、OME 治癒後に行う聴力検査、なども管理
として重要である59,68,69。
エビデンスプロファイル:リスクのある小児
・ 総合的なエビデンスの質:C、
¾ リスクのある患児の観察研究;D、結果を改めるための迅速な評価と管理能力における専
門的な意見
・ 有用性:聴力、会話言語の条件を最適化する。
¾ 子供がかれらの潜在能力に到達できるようにする。
¾ OME に由来する聴力障害による教育の有用性制限をさけること
・ 有害性:コスト、時間、薬物治療もしくは外科的治療の固有なリスク
・有用性と有害性の評価:現在まで無作為試験を除外するという環境にあるため、小委員会のコン
センサスに基づき並はずれて有用性が有害性を凌ぐ
・方針レベル:推奨
4.注意深い経過観察
臨床医はリスクのない OME 患児でも、(確認できれば)中耳貯留液出現時期から、もしくは(発症
時期不明の場合は)診断開始から3ヶ月の間注意深く経過観察するべきである。
この推奨は利得が有害性を上回る cohort 分析の体系的評価に基づく。
この推奨は大部分の OME の自然治癒の経過に基づき、cohort 分析と無作為試験のコントロール
群で充分に実証されている2,70。
OME の自然治癒の見込みは貯留液の原因や持続に左右される70。例えば、AOM 症状発現後
に残存した OME の75∼90%が3ヶ月以内に自然治癒する71−73。同様の結果が cohort 分析のサ
ーベイランス期間中に発症した OME 症例で観察された32,37。その他に、新しく指摘された OME が
ティンパノグラムで B タイプ(平坦)から非 B タイプ(平坦でない波形)へ変化するという改善(治癒で
はない)もみられる。患児の55%近くが3ヶ月以内にはっきりと改善するが70、3分の1が続く3ヶ月
AAP OME guideline- 11
以内に OME を再発する4。B タイプのティンパノグラムは OME の完全な目安とはならないが(鼓膜
切開に対して81%の感受性、74%特異性)、治癒率によく相関する検査として報告されている2,7
0
。
先行持続期間が不明の2∼4歳の子供で、新たに指摘された OME の25%近くが3ヶ月で治癒す
る。この場合、治癒はティンパノ波形がタイプ B からタイプ A/C1(peak pressure>200daPa)へ変化
することと定義された2,70,74−77。特にプロスペクティブな研究や、きちんとケアしている場合には、
一般に貯留液の先行持続期間が短い乳幼児の方が治癒率は高くなるようだ。3ヶ月以上続く両側
の OME は、主として2歳以上の患児の約30%未満が6∼12ヶ月後に自然に治癒し、それ以上観
察してもそれほど治癒率は上がらない70。
OME に対する如何なる治療(内服にしても外科的治療にしても)も経過観察に比較して固有の
障害をもたらす。構音・言語・学習能力のリスクがない子供では、特定の観察期間に関与する障害
はほとんどない。OME 患児を観察する場合には、臨床医は両親や養育者に対して、貯留液が特
に両側に存在する場合にはこれが消失するまで、聴力低下を呈することを知らせなければいけな
い。臨床医は貯留液が消失するまで、聞いたり学んだりする環境を効率的に利用できるように対策
を検討したい。これらの対策には子供にずっと近づいて話したり、子供に向き合ったり、明確に話し
たり、聞き違いがあれば同じフレーズを繰り返したり、学校での席を優先的に与えたりすることを含
む78,79。
3ヶ月の観察期間の推奨は明確に有用性が有害性を上回ることに基づいており、不要な外科治
療を回避することを意図した元の OME ガイドラインに一致する1。臨床医の裁量でこの3ヶ月の注
意深い経過観察期間は気密耳鏡やティンパノまたはその両方を使用して OME を監視するための
定期的な診察を含む。フォローアップの為の最適な間隔を決定する要因には、臨床判定、両親の
安心度、患児独自の性格や環境、健康ケア施設への交通の便、もし分かれば聴力レベルが含ま
れる。
すべての罹患耳で OME の治癒が実証されれば、更なるフォーローアップは不要である。
エビデンスプロファイル:注意深い経過観察
・総合エビデンス評価:B,コホート研究のシステマティック・レビュー(体系的評価)
・有用性:不要な治療を避け、好ましい自然経過によって、不要な紹介や検査を避ける
・有害性:経過観察で治癒しない OME の治療が遅れること;聴力低下が長引くこと
・有用性と有害性の評価:有用性が有害性を凌ぐ
・方針レベル:推奨
5.薬物治療
抗ヒスタミン剤・鬱血除去剤は OME には無効であり、治療には推奨されない。抗菌薬や副腎皮質
ホルモンは長期間の効果は無く、ルーチンの治療としては推奨されない。
この推奨は有用性が有害性を凌ぐ無作為比較試験評価に基づいている。
OME の治療は自然治癒を上回るような持続的かつ臨床的意義を持つ場合に初めて適応とな
る。幾つかの薬物治療において統計学的に有意な有効性が証明されてきたが、その有用性は短
期間で相対的に小さい。それよりも重大な副作用が全ての内服治療で起こりうる。
前回の OME ガイドライン1では、OME の治療において、抗ヒスタミン剤と抗鬱血薬の併用を指示
するデータは見られなかった。4つの無作為試験のメタ分析では、プラセボとの比較で抗ヒスタミン
剤や抗鬱血剤の有意な有用性は一つも見られなかった。1994年以降この推奨を変える更なる研
究は発表されていない。抗ヒスタミン剤や抗鬱血剤の副作用には、不眠や落ち着きのなさ、眠気、
行動変化、血圧変動が含まれる。
無作為試験では2∼8週間の短期的有効性が多少あっても、OME に対する抗菌薬治療の長期
的有効性はまだ証明されていない1,80,81。この初期の短期的有効性も薬物治療を中止して2週間
AAP OME guideline- 12
以内に有意差が消失する82。更に、7人抗菌薬治療をして1人しか一時的な効果を得ることができ
ない1。抗菌薬は副作用が問題となり、発疹、嘔吐、下痢、アレルギー反応、小児の鼻咽腔細菌叢
の変化、耐性菌の発育83、コストなどが含まれる。社会的な影響としては家庭や小児療養施設で耐
性菌が伝播することが含まれる84。
前回の OME ガイドライン1は小児 OME の治療に経口ステロイドを使用することを推奨しなかっ
た。後のメタ分析85ではプラセボと比較して経口ステロイドは2週間以内で全く有用性が見られなか
ったが、抗菌薬単独に比べ、経口ステロイドを併用して治療された3人のうちの1人で一時的な効
果が認められた。この有用性は先行のメタ分析1と大きな無作為試験86において数週間後有意で
なくなった。経口ステロイドは行動変化や食欲亢進、体重増加を生じる1。その他の副作用には副
腎機能抑制や致命的な水痘感染、虚血性大腿骨頭壊死が含まれる。3点鼻のステロイドは副作用
はあまりないが、ある無作為試験87では OME に対して、抗菌薬単独治療に対して12週間の抗菌
薬と点鼻ステロイド併用治療が同等の成績しか得られていない。
抗菌薬治療はステロイドの併用の有無にかかわらず、OME の長期の治癒に有効であるとは実
証されていないが、両親や養育者が外科的治療を嫌がっている場合には、短期有用性はあるため、
一つの選択肢となりうる。このような場合には10∼14日の治療期間とする。このレジメで OME が長
期に治癒する見込みは小さく、抗菌薬やステロイドの長期または反復は全く推奨されない。
OME の文献で議論される他の非外科的治療は耳管通気、粘液溶解剤の経口的、中耳内投与、
抗菌薬、ステロイド、抗ヒスタミン剤や抗鬱血剤以外の薬剤の全身投与が含まれる。OME の治療に
おいて、これらの治療法が推奨されるという十分なデータは見られない3。
エビデンスプロファイル:薬物治療
・ 総合的なエビデンスの質:A、うまくデザインされた無作為比較試験のシステマティック・レビュ
ー(体系的評価)
・ 有用性:副作用を避け、薬物治療を行わないことでコストを削減する;短期間改善の後、悪化
することによる決定的な治療の遅れを避ける。
・ 有害性:前述したような特定の薬物治療の副作用、菌耐性における抗菌薬治療の社会的影響
と耐性菌の伝播
・有用性有害性の評価:有害性が有用性を上回る。
・方針レベル:推奨に反する。
6.聴力と言語
聴力検査は OME が3ヶ月またはそれ以上持続する場合、または言語発達遅延や学習能力低下
が見られた場合、または OME 罹患患児に有意な聴力低下が疑われた場合、に推奨される。;言
語検査は聴力低下のある小児に施行されるべきである。
この推奨は有用性が有害性を凌ぐコホート研究に基づく。
聴力検査
聴力検査は OME が3ヶ月以上持続する場合、言語発達遅延や学習能力低下が見られた場合、
または有意な聴力低下が疑われた場合に推奨される。伝音難聴はしばしば OME を伴っており1,88、
両耳処理機能89、音の方向性90、騒音下での音の認知91−94に悪影響がおこりうる。OME に由来す
る難聴は早期言語獲得能を障害しうるが95−97、その子供の家庭環境が結果により大きな影響をも
つ98;最近の無作為試験では41,99,100リスクを持たない OME 患児に対しては、スクリーニングやサ
ーベイランスによる検出は全く影響がないと提言している。
OME 患児の聴力を調べる研究では、4波長(500,1000,2000,4000Hz)での平均純音聴
力は正常聴力から、中等度難聴(0∼50dB)までに位置づけられると報告している。50%が25dB
までの難聴で、患耳の20%以内が35dB を越える難聴である101,102。難聴を呈する片側の OME は
結果的には両側とも正常の中耳機能を持つ乳児に比べ、両耳聴力が全般的に劣る103,104。しかし、
AAP OME guideline- 13
ある限られた研究では、最大の伝音難聴が長期間あると、小児は発達や学習能力に後遺症をのこ
す傾向にある1,95,105。
4歳以上の小児に対する主な聴力検査はプライマリケア施設で施行可能であろう。検査は静か
な環境下で行うべきで、特別にその目的で設置された独立した閉鎖空間か、防音施設で行われる
ことが望ましい。イヤフォンを用いた簡易聴力検査は、どちらの耳でも1つ以上の周波数(500,10
00、2000,4000Hz)で20dB 以上の欠格基準で行われる106,107。ティンパノメトリーや気密耳鏡10
2
、養育者の難聴判断108,109、言語聴力検査、音叉、耳音響反射、行動様式の観察1などは、プラ
イマリケアにおける聴力検査の代用としては推奨されない。
総合的な聴覚評価は、4才未満でプライマリケア検査をされない、または、プライマリケア施設で
検査できない小児に推奨される。聴力評価には純音の気導骨導閾値、語音検出や語音認識閾値
102
、可能であれば言語理解測定を評価すること94が含まれる。評価の方法は児童の発達年令に
依存し、視覚的な補強や6∼24ヶ月の乳児では条件詮索反射聴力検査、24∼48ヶ月の幼児で
は遊技聴力検査、4歳以上の児童では簡易スクリーニング聴力検査も含む106。聴性脳幹反応や
耳音響放射は聴力ではなく、聴覚路の構造的な整合性を検査するものであり、純音聴力を代用す
るものではない106。
言語検査
言語検査は難聴(総合的な聴覚評価で純音平均20dB 以上の難聴)を呈する児童に施行され
るべきである。言語発達遅延の検査は重要である。なぜなら情報伝達は人類の機能の全局面で欠
かすことの出来ないものだからである。就学前に構語や言語の発達遅延を有する幼児は情報伝達
障害が続いたり、後に読み書きに遅れがでる危険がある110−112。ある研究では3歳児の6∼8%、
幼稚園児の2∼13%が言語障害を有していた113。言語治療は OME 既往を持つ児童の情報伝達
やその他の機能の結果を改善する114。
反復性、遷延性 OME を有している児童で、幼児期の早い段階で OME による難聴を呈する場
合には、会話や言語の学習において後退するかもしれない 79,115 。Shekelle らは 2 生後3年間の
OME が、後の言語の理解や表現に関連するとするエビデンスは全くないと結論づけたが、このメタ
分析は注意深く解釈されるべきである。なぜなら語彙のような特定の言語ドメインを調べておらず、
独立変数が難聴でなく、OME であるからである。他のメタ分析79,115では、小学校の期間を通じて
子供の言語の理解や表現において OME と難聴はわずかな負の関連しかないことを示唆している。
言語や学習に対する OME による影響に関する臨床的な意義は、リスクのない児童では不明瞭で
ある。例えば、ある無作為試験100では3歳児で OME に対してすぐチューブを挿入しても発達結果
を改善しなかったと報告している。一方、両側の OME と難聴を呈した児童では小さな有用性を得
たとする無作為試験116もある。
臨床医は両親や養育者に子供の言語発達に関して特に関心を持つよう促すべきである。子供
の会話や言語は生後6∼36ヶ月の時に子供を直接検査するか、あるいは、Early Language
Milestone Scale117を用いて両親を介して検査可能である。両親や養育者にのみ尋ねる場合には
MacArthur Communicative Development Inventory118 や Language Development Survey119の様
な別のアプローチが要求される。年長の子供では会話や言語を含めた全般的な発達を見るため
に、Denver Development Screening TestⅡ120が使われるだろう。総合的な会話や言語の評価は検
査を出来ない児童か、児童の両親や養育者が関心を示したときに推奨される121。
エビデンスプロフィール:聴覚と言語
・全体のエビデンスの質:B、小さな制約を有する診断的研究;C、観察研究
・有用性:難聴や言語発達遅延を指摘し、発達の成果を改善するために対策や治療を見分けるこ
と
・有害性:両親の不安、評価のための直接的または間接的なコスト、擬陽性の成績
・有用性有害性の評価:有用性が有害性を上回る。
・方針レベル:推奨
AAP OME guideline- 14
7.サーベイランス
リスクのない持続する OME をもつ患児は、貯留液が消失するか、明らかな難聴が認められるか、
中耳または鼓膜の構造的異常が疑われるまで、3∼6ヶ月の間隔で再検査されるべきである。
この推奨は有用性が有害性を上回る無作為比較試験と観察研究に基づく。
OME が無症状で自然に治癒しそうなときは、OME が3ヶ月以上持続しても治療は不要である。臨
床医は、望ましくない後遺症を引き起こしたり、貯留液の遷延を来すリスク要因があるかどうか決定
すべきである。OME が持続する限り、子供には後遺症のリスクがあり、適切な治療を必要とする要
因の有無について定期的に診察するべきである。
1994年の OME ガイドライン1では4∼6ヶ月続く OME で、難聴を伴うものは外科的治療が推奨
されたが、チューブや発達の後遺症についてその後に報告されたデータによる再検討が求められ
ている122。例えば、持続期間に基づいた基準(3ヶ月以上の OME または累乗閾値を超えるもの)を
用いて外科的治療法を選択しても、リスクのない乳児や幼児の発達は改善しない41,42,99,100。さら
に1994年の OME ガイドラインは特に6ヶ月以上続く有意な難聴のない貯留液の管理に関しては
特に言及していなかった。
無症状の OME は通常自然に治るが、治癒率は貯留液の存在が長引くほど低下し36,76,77、再
発も多い123。
自然治癒を減少させる危険因子としては以下のものが含まれる124,125:
・夏か秋に OME が発症する
・良耳で30dB 以上の難聴がある
・鼓膜チューブ挿入の既往がある。
・アデノイド切除術をしていない。
慢性化した OME 患児は鼓膜の構造的な障害のリスクがある126。なぜなら、貯留液には局所の
炎症反応を誘起するロイコトリエン、プロスタグランジン、アラキドン酸代謝物が含まれるからである1
27
。このような構造変化は隣接する鼓膜や粘膜内に起こりうる。中耳の相対的な低換気により陰圧
となり、病巣の陥凹した窪みを作りやすい。;全体的に鼓膜が癒着したり、真珠腫になることもある
だろう。
構造的障害の有無は、多くの場合、プライマリーケア施設で携帯型の気密耳鏡で注意深く観察
することで診察される。診察では陥凹した窪みや骨性融解、癒着や萎縮の部位を重点的に見るべ
きである。もし観察される構造がすべて正常であるか不確かであるならば、顕微鏡を用いて診察す
べきである。OME の持続期間にかかわらず、こうした鼓膜条件をもつ子供はすべて聴覚の総合評
価をすべきである。
鼓膜チューブ挿入を必要とする鼓膜条件は、上鼓室の陥凹、骨性融解、癒着性のアテレク、角
化性のデブリを堆積する陥凹した窪みである。構造的障害の発生が貯留液の持続期間で増加す
るために、現行のサーベイランスが勧められている128。
推奨の6で述べたように3ヶ月以上持続する OME をもつ患児は聴力検査を受けるべきである。
臨床医はイヤフォンを使ったり、子供が幼すぎるときには防音室でスピーカーを用いて検査し、難
聴の程度に基づき3つの行動レベルを定義することが出来る。
1.
40dB 以上の難聴(少なくとも中等度難聴):もし以前にされていなければ、総合的な聴力
評価が望ましい。中等度難聴が実証され、このレベルが持続するなら、外科的治療が推奨
される。なぜなら、この程度の持続する難聴が放置されると会話、言語、学業に影響が出る
ことが示唆されるからである129−131。
AAP OME guideline- 15
2.
3.
21∼39dB の難聴(軽度難聴);もし以前にされていなければ、総合的な聴力評価が望ま
しい。軽度の感音難聴は会話、言語、学業成績が困難になることがあり129,132、OME 由来
の持続する軽度伝音難聴は同様の影響を持つ可能性がある。貯留液の持続期間、難聴
の重度、両親や養育者の意向に基づいて更なる管理が個別にされるべきである。またこの
管理には聞いたり学んだりする環境を最大限活用する対策や外科的治療も含むであろう。
OME がフォローアップにより持続したり、鼓膜チューブが留置されていない場合は3∼6ヶ
月の間繰り返し聴力検査を行うべきである。
20dB 以下の難聴(正常聴力):OME がフォローアップにより持続している場合には3∼6ヶ
月の間繰り返し聴力検査を行うべきである。
表4
OME や難聴を持つ子供への聴覚や学習の環境を効率化する対策*
話をする前に3フィート以内に子供に近づく。
バックに不要な音楽やテレビなどの競合する音をけす。
子どもに向き合い、はっきりと目に見える手段(手や絵)を用いて、明瞭に話す。
テンポをおとし、音量をあげ、子供にむかってはっきり話す。
絵を説明したり、質問したりして、子供に話しかける
分からなければ、言葉やフレーズ、質問を繰り返す。
教師の近くの席を優先的に割り当てる。
個人や音響の周波数を変調した増幅機構を学校で使用する。
*Robert らの許可を得て改変している。78,79
難聴や会話・言語発達遅延に加えて、持続する OME に対する治療の決定には他の要因が影
響する。Robert ら98,133は、養育環境が OME や難聴よりも学業成績に強く関係していると示唆した。
会話や言語発達の遅れの危険因子は母親の教育レベルが低いことや、子供の養育環境が好まし
くないこと、社会的地位が低いことを含め、貧しい養育環境によって引き起こされた。このような症
例ではこれらの要因が難聴に付随し、学業成績が劣ったり、学校での問題行動に影響する。
幾つかの研究134−136で、持続する OME は落ち着きのなさや、注意力の低下、問題行動、子供
の生活の質の低下を含めた肉体的または行動的な症状に関連しうることが報告されている 46。反
対に、持続する OME に対して、チューブ留置を早めに行ったものと後で行ったものを無作為に比
較すると、幼児では早期に外科的手術を行っても行動的な有用性は全く見られなかった41,100。一
方、慢性の OME 患児は OME のないコントロール群に比較して前庭機能と運動能力が有意に劣っ
たと報告され48−50、さらに前庭機能、行動、生活の質はチューブ留置後に改善しうると報告されて
いる47,137,138。
耳痛や説明できない睡眠障害、反復する AOM が共存するなど、他の身体的な OME の症状が
存在し持続する場合、外科的治療の十分な理由となる。チューブは反復性 AOM を1年に1回のエ
ピソードを減少させるが、相対的なリスク減少は56%である139。
OME 患児を経過観察するリスクは外科的治療と秤にかけられるだろう。3∼6ヶ月の間隔で定
期的に、または OME 関連の症状が発達したら早めに診察するようにした OME 患児は大抵、身体、
行動、OME の発達面での後遺症のいづれも低いリスクになる傾向がある。反対に、定期的なサー
ベイランスが出来なかったり、子供に OME の発達面の後遺症のリスクがある場合、延長して注意深
く観察することは適切ではない(表3)。これらの子供にとって、麻酔や外科的治療(推奨9参照)の
リスクは観察を続けるよりも少ないであろう。
エビデンスプロフィール:サーベイランス
・総合的エビデンスの質:C、観察研究と幾つかの無作為試験
AAP OME guideline- 16
・有用性:成果を改善しない治療を回避する
・有害性:鼓膜の発達の構造的な異常を引き起こす。子供の難聴の影響を過小評価する。治療を
要する有意な兆候や症状を指摘できない。
・有用性有害性の評価:有用性が有害性を上回る。
・方針レベル:推奨
8.紹介
耳鼻咽喉科医、聴覚療法士または言語聴覚士による評価を受けるために OME を伴う子供をプラ
イマリケア医が紹介するときには、紹介した医師は滲出液が認められた期間ならびに紹介の特別
な理由(評価、手術)を付記し、さらに AOM 歴や紹介する子供の発達状態などの適切な情報も提
供すべきである。
この選択肢は小委員会の合意ならびに有用性が有害性を上回ることに基づく。
この推奨では紹介するプライマリケア医と耳鼻咽喉科医、聴覚療法士および言語聴覚士との間
のコミュニケーションの重要性を強調している。子供に対して手術が推奨されたとき、代わりとなる
管理戦略に関する矛盾した情報の為に、両親や養育者は混乱し、フラストレーションがたまるかも
しれない。患者の耳の障害や一般医学的な状態に関する病歴を最もよく知っているプライマリケア
医と熟達した看護師が専門家に正確な情報を提供すると、管理選択肢の中から選ぶのは容易とな
る。OME の歴史のより良い考証から、より改善された結果を示す研究はないが、情報や期待してい
ることをプライマリケア医からコンサルタント、サブスペシャリストへ伝えるより良い方法、機構が必要
なことは明らかである140−142。評価してもらう為に子供を耳鼻咽喉科医に紹介する時、プライマリケ
ア医は患者の親または養育者に次のことを説明すべきである。
z
z
z
紹介の理由:子供が耳鼻咽喉科医の診察を受けるのは、耳の検査と聴力検査を含む評価の
為であり、必ずしも単に手術の予定を立てるためのものではないことを説明する。
予想されること:手術が勧められるであろうことを説明し、選択肢、有用性および危険に関して、
耳鼻咽喉科医がさらに説明することを親に伝える。
意志決定のプロセス:管理に関する選択肢は多数あり、手術の決定は任意であることを説明
する。親または養育者の勧告に関する懸念を外科医に伝えるように促す。
子供を耳鼻咽喉科医、聴覚療法士または言語聴覚士に紹介する時に、文書で伝えるべき必要最
低限の情報に含まれるものは、以下の項目である。
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z
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OME の期間:どの位の期間、液が存在しているかを述べる。
OME の偏在性:片側または両側の耳に症状があるかを述べる。
以前に受けた聴力検査またはティンパノメトリーの結果。
言語障害の疑い:言語発達遅延が認められるか、または子供のコミュニケーション能力、学業
成績または注意力などに関する懸念を親または養育者が話しているかどうかを述べる。
OME の有害性を悪化させる状態:永久的な難聴、認識障害、発達遅延、口唇口蓋裂または
不安定な、支援の得られない家族やその家庭環境などの状態が子供にあるかどうかを述べ
る。
急性中耳炎歴;子供に再発性の急性中耳炎があるかどうかを述べる。
プライマリケア医が耳鼻咽喉科に提出すべき追加医学情報に含むものは次の項目である。
z
手術に対する親の態度;管理選択肢のひとつとして両親が手術を強く望んでいるか、あるい
は望んでいないかを述べる。
AAP OME guideline- 17
z
z
併用手術を必要とする状態;子供に全身麻酔をするとしたら、手術を是認するその他の状態
(例えば、アデノイド切除が適応と思われる鼻閉および鼾、または扁桃摘出術が適応になると
思われる睡眠中の閉塞呼吸)が存在しているかどうかを述べる。
一般健康状態;先天性の心臓異常、出血性障害、喘息や反応性気道疾患または悪性高熱の
家族歴などの、手術または全身麻酔施行時に問題になると思われる何らかの状態があるかを
述べる。
子供を評価した後、耳鼻咽喉科医、聴覚療法士または言語聴覚士は診断に関する印象、追加検
査の計画及び進行中のモニタリングと管理に関する推奨について紹介元の医師に告げる。
エビデンス プロフィール;紹介
z 総体的なエビデンスの質;C、観察に基づく研究。
z 有用性;より良好なコミュニケーションとよりよい意志決定。
z 有害性;機密に関すること、管理上の負担、または親、養育者の心配が増すこと。
z 有用性と有害性の評価;有用性と有害性のバランス
z 方針レベル;オプション(任意)
9.手術
子供が手術の対象になった時、鼓膜換気チューブ挿入術がより好まれる最初の方法である。明ら
かな適応症(鼻閉、慢性咽頭扁桃炎)が存在しない限り、アデノイド切除術は実施すべきではない。
反復手術はチューブ挿入を伴うまたは伴わないアデノイド切除術+鼓膜切開術により構成される。
OME 治療の為に扁桃摘出術または鼓膜切開術を単独で行うべきではない。
この推奨は有害性に対して、有用性が優っていることを示す無作為比較対照試験に基づいてい
る。
OME に対する手術の選択は聴力の状態、関連する症状、子供の発達へのリスク(表3)、および
タイムリーな滲出液の自然消失の予想される機会に大きく依存する。
手術対象に含むのは、
1. 持続する難聴または他の徴候、症状を伴う4ヶ月以上持続する OME の子供、
2. 難聴の有無に関わらず、再発または持続する OME、
3. OME と鼓膜または中耳の構造的障害
である。
結局、手術推奨はプライマリケア医、耳鼻咽喉科医及び親または養育者との間で、その治療が
特定の子供に有益になりうるか同化の合意に基づいて、個々の患者ごとに取り扱わなければなら
ない。どのような罹病期間であっても、リスクのある子供は早期手術の対象である。鼓膜換気チュー
ブは滲出液発症率を平均62%低下させ、翌年の滲出液貯留絶対日数を128日減少させることが
無作為試験により証明されていることから、最初の手術は鼓膜換気チューブ挿入術が勧められる13
9,143−145
。聴力レベルはチューブが入っている間は平均で6∼12dB改善する。アデノイド切除+
鼓膜切開術(チューブ挿入しない)は4歳以上の子供では匹敵する効果があるが、より侵襲的で、
追加手術になるし、麻酔による危険を伴う143。同様に、アデノイド切除術により加わるリスクは、以
前にチューブ挿入術を受けたことのない3歳以上の子供に対する限定された短期有用性よりも影
響力がある148。したがって、咽頭扁桃炎、後鼻閉塞または慢性副鼻腔炎などの明らかな適応症が
存在しない限り、アデノイド切除術は最初の OME 手術としては推奨しない。
鼓膜換気チューブを留置されたことのある子供の約20∼50%に、チューブ抜去後に再発が認
められる144,145,149。OME に対して反復手術が必要な子供では、将来の手術の必要性が50%低
AAP OME guideline- 18
下する為、(子供に口蓋裂がない限り)アデノイド切除術を勧める。アデノイド切除の有用性は2歳
児で明らかとなり、3歳以上の子供で最も顕著になるが、アデノイドの大きさに左右される143,151,152。
鼓膜切開術はアデノイド切除術と共に行う。鼓膜切開術+アデノイド切除術は、4歳以上の子供に
有効であるが143、滲出液が再発する可能性を最小限にしなければならない時、または鼓膜と中耳
粘膜に著しい炎症があるときには、より年少の子供達にチューブ挿入術を勧める。(アデノイド切除
術を併用しない)扁桃摘出術または鼓膜切開術を OME 治療の為に、単独で行うことは勧められな
い152。扁桃摘出術は無効あるいは限定された効果148,150しかないが、出血の危険性(約2%)と追
加入院は、扁桃摘出術に対する明らかな適応症が存在しない限り、考え得るどの様な有用性よりも
影響力がある。チューブ挿入術またはアデノイド切除を行わない単独の鼓膜切開術は、切開部が
数日で閉鎖する為、慢性 OME には無効である144,145。レーザー鼓膜開窓術は換気期間を数週間
に延長するが153、有効性を立証する為の同時対照による無作為試験は実施されていない。これに
対し、鼓膜換気チューブは平均で12∼14ヶ月にわたり中耳を換気する144,145。
麻酔死亡率は外来手術で約1:50000と報告されているが154、現在の死亡率はより低い155。麻
酔された子供では、成人より喉頭痙攣や気管支痙攣がより頻繁に発生する。鼓膜換気チューブ後
遺症は一般的に見られるが156、通常は一過性(耳漏)または機能に影響を及ぼさない(鼓室硬化、
局所萎縮または浅い陥凹ポケット)。修復が必要なことのある鼓膜穿孔は、短期(grommet type)チ
ューブ留置後の子供の2%及び長期チューブ留置後の子供の17%に認められる。アデノイド切除
術による出血発生率は0.2%から0.5%で150,157、一過性口蓋帆咽頭不全の発生率は2%であ
る148。鼻咽腔狭窄や持続性の口蓋帆咽頭不全などのアデノイド切除に伴うことのあるその他のリス
クは適切な患者を選択及び手術手技により最小限にできる。
滲出液の発生頻度、聴力レベル、AOM の術後発生率、アデノイド切除後の再手術に対する
OME の手術の影響を考慮すると、有害性よりも有用性が明らかに優っている。しかし4歳未満の子
供におけるアデノイド切除術に関する情報は限られている。手術及び麻酔の費用は無視できない
が、チューブ留置術後の OME,AOM 発生の低下により相殺される。1件のチューブ再挿入を避け
るためにほぼ8例のアデノイド切除術が必要だが、避け得た各手術は追加手術を必要としなかった
子供達の中で、AOM と OME の発生件数を大きく低下させた150。
エビデンスプロフィール;手術
z 総体的なエビデンスの質;B、僅かな限界のある無作為比較対照試験
z 有用性;聴力の向上、OME 発生率の低下、AOM 発生率の低下、追加チューブ挿入の
必要性の軽減(アデノイド切除後)
。
z 有害性;麻酔及び特別な術式に伴う危険、鼓膜換気チューブ後遺症。
z 有用性と有害性の評価;有害性に対して有用性が優る。
z 方針レベル;推奨
10.CAM(代替治療)
OME 治療法として CAM を推奨しない。
有効性を示す科学的根拠がなく、有害性と有用性のバランスも不確かなため、推奨しない。
1994年の OME ガイドライン1は、OME 治療法として CAM に関する推奨は行わなかった。この
結果を変えるための比較対照試験もその後発表されていない。現在の「推奨なし」という声明は、
有効性に加え、有用性と有害性のバランスを示す科学的な証拠がないことに基づいている。
OME に対する CAM による成績が、注意深い観察と自然消失による成績と異なるかどうかを確認
AAP OME guideline- 19
する為の証拠は、CAM に関しては不十分である。OME に対する CAM の有効性に関して十分なサ
ンプルサイズの無作為比較対照試験は行われていない。AOM の CAM 治療に関する症例報告や
主観的な検討は数多く認められたが、OME 治療あるいは予防に関しては殆ど発表されていない。
ホメオパシー158やカイロプラクティスによる治療159は、少数の患者を使ったパイロット試験では評価
されたが、臨床的あるいは統計学的に有意な有用性を示すことができなかった。その結果、OME
に対しての CAM 推奨を行うための基礎的な調査研究は認められない。
先に述べた小児における OME の歴史は、逸話に満ちたコントロールされていない報告や症例
報告において如何なる治療でも役立つことを示すことができるということである。OME に対する
CAM あるいは他の治療法の有効性は、根拠のある確実な診断法と適切なサンプルサイズを使っ
た平行群による無作為試験によってのみ示すことができる。中耳疾患に有用なことが証明できたと
主張されている不確実な方法には、整骨及びカイロプラクティスによる治療、除外食(乳製品など)、
ハーブや他の補助食品、鍼、伝統的な漢方薬、およびホメオパシーが含まれる。しかしこれらの方
法のいずれもが発表されたピアレビューされた臨床試験の対象にはなっていない。
発表された臨床試験がないということは、CAM の有害作用のすべての報告も逸話に満ちている
ことを意味する。最近の証拠を系統的に再検討したところ、従来の方法ではない治療には小児に
対して著しく重大な有害作用のあることがわかった。その殆どは不適切に調整したハーブ薬と関連
していた。CAM 療法161に関連した医療過誤責任に関する報告では、小児における問題を特に扱
ってはいなかった。エキナセアに対してアレルギー反応は発生するが、小児では稀と思われる162。
ハーブ製品に対する一般的な懸念は、製品の品質や純度に対する政府の監視が全くないことで
ある160,163,164。加えて、ハーブ製品は抗凝固剤を含むアロパシー薬の血中のレベルを変えること
がある。ホメオパシーに関する考え得る懸念は、症状の悪化である。これはホメオパシーの早期徴
候として、有効性を示す陽性の所見と考えられているが。小児における徒手療法(カイロプラクティ
ス治療や整骨治療など)は、僅かな証拠しかないため評価するのは難しいが、カイロプラクティス療
法により AOM や OME を治療した332名の小児における症例検討では副作用は認められなかっ
た。しかし、脊椎操作を受けた後の斜頸乳幼児1名に四肢麻痺が報告されている166。
エビデンス、プロフィール:CAM
z 総体的なエビデンスの質;D、対照のない報告
z 有用性;確立されていない
z 有害性;インターべンションにより著しい有害性がありうる。
z 有用性と有害性の評価;有用性と有害性のバランスは不明。
z 方針レベル;推奨しなし。
11.アレルギー管理
OME 治療法としてアレルギー管理に関しては何も報告されていない。
治療の有効性またはアレルギーと OME との因果関係の証拠は不十分なため推奨はされていな
い。
1994年の OME ガイドライン1では、OME 治療法としてのアレルギー管理に関して推奨はなかっ
た。この結果を変えるための比較対照試験もその後発表されていない。現在の「推奨なし」という声
明は、治療の有効性またはアレルギーと OME との間の因果関係に加え、有用性と有害性のバラン
スを示す十分な科学的な証拠がないことに基づいている。
アレルギーと OME との関連性は推測されているが、現在までのところ定量化されていない。
AAP OME guideline- 20
OME 患者の間のアレルギー発生率は、10%未満から80%以上167と報告されている。アレルギー
は耳管機能不全に関与することにより OME をおこすと長年にわたり推測されている168。アレルゲン
に対する呼吸粘膜の細胞性反応は十分に検討されている。従って、呼吸粘膜と他の部位と同様に、
中耳腔を被っている粘膜はアレルギー反応を起こすことができる169,170。アレルゲンに対する感受
性には個人差があり、アトピーは炎症性反応を促進するI型アレルギー反応で出現する好中球を
伴うと思われる171。
OME とアレルギーの相関性は広く検討されているが、観察単独あるいはその他の管理選択肢と
比較した免疫療法の作用を検討した前向き試験は見られない。殆どの未治療 OME は好ましい自
然の歴史を示すため、免疫療法あるいは食品除外食172をとったあとの、OME 治癒の報告を同時
に対照群をおかずに解釈するのは不可能である。発表されている報告にみられるアレルギーの証
拠は明確にされているが、矛盾している(病歴、身体検査、皮膚穿刺検査、鼻塗抹標本、血液免
疫グロブリン E と好酸球数、滲出液中の炎症メディエーター)。研究群は、主に多様性に欠ける専
門家の診察室で集められ、一般的な医療現場を代表していない。
エビデンスプロフィール;アレルギー管理
z 総体的なエビデンスの質:D、対照のない症例報告。
z 有用性:確立されていない。
z 有害性:有害作用および治療、身体検査、除外食や脱感作の費用。
z 有用性、有害性評価:有用性と有害性のバランス。
z 方針レベル:推奨しない。
研究の必要性
診断:
z OME の定義をさらに標準化する。
z プライマリケア医および熟達した看護師が、日常的な治療設定で実施したときの OME に対す
る診断検査としての気密耳鏡検査の性能特徴を評価する。
z 研修医および臨床医に気密耳鏡検査を教える適切な方法を決める。
z OME 診断のための簡便かつ信頼できる客観的な方法を開発する。
z 定量可能なティンパノメトリー検査結果の特徴に基づき臨床医が実際に使用する為に OME
の存在を見分ける分類法を開発する。
z 臨床現場で OME を検出する為に、気密耳鏡検査とティンパノメトリーを併合する算式の有用
性を評価する。
z OME に対する診断法としての聴覚反射検査の追加確証コホート検査を特に2歳未満の子供
において実施する。
リスクのある子供
z 会話、言語および学習障害のリスクのある OME を伴った子供をより明確に定義する。
z OME の有害な後遺症が発生しうると最も推測されるリスクのある子供を見分ける為に、観察に
基づいた大規模な多施設コホート検査を実施する。
z リスクのある子供達において、OME に対する様々な管理戦略により達成された成績を分析す
る為に、観察に基づいた大規模な多施設コホート検査を実施する。
注意深い観察
z 乳幼児及び年少児たちにおける OME の自然消失を明らかにする。(既存データは主として2
歳以下の子供達に限定される)
AAP OME guideline- 21
z
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以前の期間が不明な新たに診断された OME の自然消失に関する現在のデータを得るため
に、大規模な前向きコホート試験を実施する(既存データは主として1970年代後半から198
0年代前半のものである)。
注意深い観察に最も適した対象を見分ける為の、診断指標を開発する。
スクリーニングまたは迅速な検査により明らかになった、無症候性の年少の OME 患児に認め
られる会話、言語の成績に対して、鼓膜換気チューブの迅速な挿入が影響を及ぼさないこと
を、より年長な OME 患児あるいは評価の為に紹介されてきた症候性のOME患児にも一般化
できるかどうかを確認する。
投薬治療
z その様な子供がいるのであれば、どの子供に OME に対する抗菌薬、ステロイド剤あるいは両
方を投与すべきかを明らかにする。
z 最近抗菌薬を投与されていない、手術の対象となる OME 患児において手術を実施せずに、
経口ステロイド剤を併用する、あるいは併用しない抗菌薬の効果に関する無作為プラセボ比
較対照試験を実施する。
z 難治性または再発性 OME における粘膜表面のバイオフィルムの役割を調べ、その治療法を
を開発する。
聴力および言語
z OME に伴う難聴の自然史に関する縦断的研究を実施する。
z OME を伴う子供の聴力の経時的変動を示し、定量化できるより良い方法を開発する。
z OME に関連した難聴と遅発性の聴覚、会話、言語、行動、および学業成績との関係に関する
前向き比較対照試験を実施する。
z OME に関連した難聴を推測する為の、信頼できる簡便な客観的方法を開発する。
z OME に関連した会話または言語の発達遅延を推測する為の、信頼できる簡便な客観的方法
を開発する。
z プライマリケア医による言語検査の有用性と管理上の負担を評価する。
z OME による難聴を発生しやすかったり、影響を受ける言語の性質に関して意見を一致させ、
測定の為の最良の方法に関する合意を得る。
z OME および関連する難聴により会話および言語の発達遅延の危険が、特別な集団から集め
た子供たちにおいて増大するかを確認する。
サーベイランス
z 日常的な臨床ケアに適した OME 患児をモニターする為のより良い方法を開発する。
z 親または養育者が家庭で実施する聴覚反射検査などの OME をモニターする為の新たな戦
略の調査至適化における価値を評価する。
z 長期的な調査ではなく、早期手術から有用性を得ると思われる子供を見分ける我々の能力を
向上させる。
z 合併症を防ぐ為に、手術を必要とすると思われる OME に関連した鼓膜の構造的な異常の早
期検出を促進する。
z OME の発達転帰の調整役としての親または養育者の教育の役割、社会経済状態、および介
護環境の質を明らかにして定量化する。
z 有害性を最小限にする為に、OME 調査期間における経過観察法を開発する。
手術
z 3歳児およびより年少児における特別な OME 療法としてのアデノイド切除術の役割を明確に
する。
z 難聴、他の症状、あるいは会話、言語の発達遅延のある子供における発達転帰に対する鼓
AAP OME guideline- 22
z
z
膜換気チューブの有効性に関して比較対照試験を実施する。
客観的な測定法(滲出液の発生率、聴力レベル、AOM 発生率、再手術)に加え、患者に基づ
いた転帰の測定法(生活の質、機能的な健康状態)を主に検討する手術対非手術の無作為
比較対照試験を実施する。
親または養育者の好みを手術の意志決定に組み入れる適切な方法を明らかにする。
CAM
z OME に対する CAM の有効性に関する無作為比較対照試験を実施する。
z 子供の OME に対して、CAM 療法を使用する親あるいは養育者を見分けるための戦略
を開発し、プライマリケア医による調査を促す。
アレルギー管理
z OME におけるアトピーの起因的役割を評価する。
z プライマリケア医に一般化できる OME に対するアレルギー療法の有効性に関して、無作為比
較対照試験を実施する。
結論
この科学的根拠に基づいた実践的なガイドラインは、OME 患児を見分け、モニターし、そして管
理する為の推奨を提供する。ガイドラインでは適切な診断を強調しており、また、観察、投薬治療ン
および外科的治療の為の紹介を含む様々な管理戦略に対する選択肢を提供している。これらの
推奨はプライマリケア医やその他の医療ケア提供者が OME を伴う子供達を管理するときに役立つ
はずである。
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