ホスフェニウムを配位子とする 遷移金属錯体の電子構造解析 お茶の水女子大学大学院 人間文化創成科学研究科 理学専攻 化学・生物化学コース 博士前期課程1年 周藤 瞳美 自己紹介 あだ名:みみ 所属:お茶の水女子大学大学院 専門:計算化学 サイエンスコミュニケーター として活動中! ・出前実験教室の講師 ・科学雑誌のライター、編集 ・テレビ番組等への出演 etc… M1 研究概要 対象:遷移金属錯体 量子化学的手法 ホスフェニウム ホスフェニウムとは? ・リン原子上にlone pairと空のp軌道をもつ → Lewis酸としても Lewis塩基としても働く → 錯体の配位子として用いた場合、 中心金属にσ-donation及びπ-back donation ・カルベン ( :CR2 ) と等電子構造 + X M P σ-donation Y π-back donation M=P 二重結合性 ホスフェニウム錯体の合成 中心金属及びホスフェニウム配位子の種類によって生成物の安 定性が異なることが、中沢により実験的に報告されている。1) CO N M N X CO CO CO BF3OEt2 N CO P Y OMe Table 1 ホスフェニウム錯体の安定性 M N X N CO and/or CO P M N CO CO P Y (1) X Y facial form meridional form fac体、mer体とも安定に存在 fac体はmer体へ徐々に異性化 mer体のみ安定に存在 fac体は直ちにmer体へと異性化 他の副産物とともに存在 ホスフェニウム錯体は F 形成されない 1) H.Nakazawa, J. Organomet. Chem., 611 2000 349-363 研究の目的 ① ② NEt2 N P ③ NEt2 NEt2 N P P P N ④ O ⑤ ⑥ P OMe OMe O P O OMe ホスフェニウム配位子の違いが錯体の構造 および安定性に対して どのように影響を及ぼしているか? → 量子化学計算により解析する 研究結果 (1) 中心金属がMoである錯体について 1. エネルギー :fac体 > mer体 → 実験結果と一致 2. P-Mo結合長:fac体 > mer体 → 二重結合性 N M N X 安定! CO CO CO CO P Y facial form N M N CO CO P Y X meridional form P-Mo 二重結合性大 研究結果 (2) E + [PXY]+ [(bpy)(CO)3M] 結合 エネルギー [(bpy)(CO)3M{PXY}]+ R Table 2 配位子とMoの結合エネルギー ( mer体) (kcal/mol) -35.39 -23.22 -45.62 -34.70 -51.58 -51.58
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