- 福岡県臨床衛生検査技師会

(一社)福岡県臨床衛生検査技師会
生物化学分析部門勉強会
事例から学ぶ検査データの読み方~Reversed CPC ~
天理医療大学医療学部
臨床検査学科
松尾 収二
R-CPCは病気の当てものではありません。検査データの読み方を学習するツール
です。どのような病態にあるかを読みとる力を養うことが目的です。
以下の検査データ全体を読んで、どのような病態にあるかを考えて下さい。目立つ検
査データがあるとそこに飛びつきますが、全体を丁寧に読む癖をつけることが大切です。
そして、患者さんがどのような状態にあるかをイメージしましょう。
症例1
血液ガス・酸塩基平衡の読みは難しいとよく言われます。検査の現場では臨床情報は
ほとんどありません。しかし、血液ガス・酸塩基平衡の解釈はコツを掴めば解釈可能で
す。
緊急検査ですので、3分程度で読んでみましょう。
10 歳代女性
意識障害にて緊急入院
pH
(7.35~7.45)
意識障害にて緊急入院
(35~45torr)
PaCO2
(80~90torr)
PaO2
BE
(0±2mmol/l)
(21~30mmol/l)
HCO3
(22~31mmol/l)
CO2
(96~97%)
SaO2
O2ct
(16~23mlO2/dl)
Hb
(11.5~14.5g/dl)
Na
(139~147mmol/l)
K
(3.5~4.8mmol/l)
CL
(101~111mmol/l)
A. gap
(9~18mmol/l)
尿素窒素
(7~19mg/dl)
血糖
(65~110mg/dl)
総蛋白
(6.7~8.1g/dl)
RA
7.074
28.9
31.6
-19.3
8.3
9.2
37.3
8.3
15.8
127
4.7
85
39
51.0
1,302
10.4
症例2
日常検査のデータです。じっくり読んでみて下さい。
腹痛、黄疸を主訴とした 70 歳代女性(初診時)
RBC
総蛋白
376
(370-500×104/μL)
Hb
(11.5-14.5 g/dL)
アルブミン
12.0
Ht
(36-45 %)
グロブリン
35.6
MCV
(84-99 fL)
α1-グロブリン
95
MCH
(27-34pg)
α2-グロブリン
31.9
MCHC
(31-35 %)
β-グロブリン
33.7
4
血小板
γ-グロブリン
13,6
(15-35×10 /μL)
白血球
(3500-8000/μL) 4,500
LD
桿状核球
(1-3 %)
44
pH
AST
分葉核球
(45-70%)
54
PaCO2
ALT
リンパ球
(20-45 %)
2
PaO2
総ビリルビン
CRP
(<0.2 mg/dL)
29.3
BE
直接型
PT
(10.4-12.0 sec)
14.1
HCO3
γ-GT
APTT
(22-36 sec)
33.6
ALP
フィブリノーゲン
(170-330 mg/dL)
510
アミラーゼ
アンチトロンビン
(70-125 %)
53
CK
FDP
(<5μg/mL)
25
Na
尿素窒素
(7-19 mg/dL)
74
K
クレアチニン
(0.5-0.9 mg/dL)
1.2
Cl
尿酸
(2.7-6.0 mg/dL)
4.6
CO2ct
血糖
(65-110 mg/dL)
199
Ca
コリンエステラーゼ
(215-460 U/L)
170
P
(6.7-8.1 g/dL)
(4.0-5.0 g/dL)
(2.6-3.2 g/dL)
(1.5-2.8 %)
(5.0-9.6 %)
(8.0-12.8 %)
(11.0-23.5 %)
(100-225 U/L)
(11-32 U/L)
(3-30 U/L)
(0.2-1.0 mg/dL)
(%)
(10-40 U/L)
(100-335 U/L)
(70-185 U/L)
(20-120 U/L)
(139-147 mmol/L)
(3.5-4.8 mmol/L)
(101-111 mmol/L)
(24-33 mmol/L)
(2.1-2.5 mmol/L)
(0.7-1.4 mmol/L)
5.1
2.4
2.7
7.2
11.7
10.2
23.8
245
55
91
15.0
>90
208
662
26
211
134
4.3
95
23
2,1
1.0