2016年4⽉11⽇ ⽇本株ファンドマネージャーの視点 『隠れた安定収益銘柄を探そう!』 ※このレポートでは、⽇本株ファンドマネージャーが注⽬しているトピックなどを毎週お届けします。 内閣府の発表した3⽉の消費動向調査によると、2015年度のスマートフォンの世帯当たりの普及率が 67.4%(前年度⽐+6.8%)となり、とうとう⽇本でも従来型携帯電話(ガラケー)を逆転したそうです。 ⼀⽅、携帯電話の普及率は95.3%(+0.9%)とほぼ飽和に近づいており、ハードは成熟期を迎えています。 今後のモバイル関連の成⻑の主戦場は台数の増加をベースにしたものから、質や付加価値をベースにした サービス分野の重要性がますます⾼まっていきそうです。 モバイル端末が⼀⼈⼀台の時代となり誰もがEC(Electronic Commerce:電⼦商取引)を⽇常的に⾏う時代 になりました。株式市場を⾒ていると、ヤフーや楽天のように低コストで消費者につながるインターネット の 利 点 を ⽣ か し 、 端 末 の 拡 ⼤ と と も に 爆 発 的 に 売 り 上 げ と 利 益 を 増 や し て き た BtoC(Business to Consumer)企業が注⽬されてきました。 ただ、リサーチ活動の中で企業と話をしていると、売上や収益のポジティブファクターとして「BtoB (Business To Business) 」という⾔葉をよく⽿にします。価格にうるさくすぐ他社に浮気する消費者との取 引(BtoC)と異なり、企業は安定性を重視し取引を⾏うため好ましいそうです。そのうえ継続的に取引を ⾏ってくれるため、ストック収益化が期待しやすいのです。 とはいえ、BtoBで伸びてきたインターネット企業を探してみると、これはというのはなかなか思いつきま せん。上場しているすべての会社はホームページを持ち⾃社の情報は提供していますが、そのサイト内です べての商取引が完結することはまれです。ホームページで情報を得たあと営業担当者を通して、商談をする のが普通です。どの上場企業もBtoBのインターネット企業という側⾯を持っていますが、それが業績を決 定づける会社はなかなかありません。あえてあげるならMonotaRoやアスクル、トラスコ中⼭などの中⼩企 業をメインの顧客とした卸売り系のBtoB企業になるでしょうか。 前述のとおり安定的な収益を期待して、BtoBを主体としたインターネット企業を探そうとすると⼤企業で はなかなか難しいのですが、実はマイクロキャップ銘柄まで視野を広げると、上場会社でもBtoB企業を⾒ つけることができます。ユニクロなどの⼤型⾐料品店と差別化したい町の⾐料品店と、量が期待できないた めこれまで取りこぼしてきた町の⾐料品店に商材を提供したい⽇本全国のメーカーをつなぐECサイトを運 営している会社、中⼩企業向けに決済と利便性を提供する会社、企業のセキュリティ意識向上に伴い需要が 拡⼤しているフィルタリングサービスなど、ユニークなニッチ企業が多く上場しています。 また市町村などの公的機関にクラウドサービスを廉価で提供する、BtoG(B to Government)系のマイクロ キャップ企業もあります。市町村はネット対応が遅れているため、事業拡⼤余地は多く残っています。 ⼀旦勢いがつくと売上拡⼤が速く株価も期待を織り込み⼀気に上がるECやゲームを主体とするBtoCの企業 も良いですが、成⻑率は緩やかですが中⻑期に拡⼤が期待される企業を発掘するのも、また株式投資の醍醐 味だと思います。 株式運⽤部 永⽥ 芳樹 ■当資料は情報提供を⽬的として⼤和住銀投信投資顧問が作成したものであ り、特定の投資信託・⽣命保険・株式・債券等の売買を推奨・勧誘するもの ではありません。■当資料は各種の信頼できると考えられる情報源から作成 しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。■当 資料に記載されている今後の⾒通し・コメントは、作成⽇現在におけるレ ポート作成者の判断に基づくものであり、事前の予告なしに将来変更される 場合があります。■当資料内の運⽤実績等に関するグラフ、数値等は過去の ものであり、将来の運⽤成果等を約束するものではありません。■当資料内 のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。 大和住銀投信投資顧問株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第353号 加入協会 一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
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