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アジア
2016年4月1日
シンガポール金融政策の味わい方
金利政策でなく通貨政策(並びに流動性管理)で構成されるシンガポールの金融政策。最近の金融政策は微調整
の緩和にとどめていましたが、経済指標の動きを勘案すると、小幅な金融緩和を決定する可能性もあると見られます。
シンガポール金融政策:定例の金融政策会
議を控え、景気回復ペースは鈍い
シンガポール金融通貨庁(MAS)は2016年3月31日にシンガ
ポールの2月のマネーサプライ(M2)を公表しました。M2は前
年同月比で1.0%と前月の1.1%から低下、低水準での推移が
示されました。シンガポールで次に注目される経済指標は
4月7日~14日頃に公表予定の2016年1-3月期GDP(国内総
生産)です。MASはGDPと同じ頃に金融政策を発表する見込
みです。MASは通常、年2回(定例は4月と10月、しかし2015
年は1月など例外もあり)金融政策を公表します。
どこに注目すべきか:
MAS、S$NEER、経済成長率、インフレ率
(週次、期間:2013年1月4日週~2016年2月26日週)
125
124
122
121
120
119
13年1月
1999年1月=100で指数化
S$NEER
緩和
123
通貨指数
引締
ピクテ投信投資顧問株式会社
図表1:シンガポールの名目実行為替レートの推移
高 通貨 安
金利政策でなく通貨政策(並びに流動性管理)で構成される
シンガポールの金融政策。最近の金融政策は微調整の緩
和にとどめていましたが、経済指標の動きを勘案すると、小
幅な金融緩和を決定する可能性もあると見られます。
まず、シンガポールの金融政策をMAS資料等を基に振り返
ります。ユニークな点は通常の金融政策で見られる政策金
利の操作でなく、名目実効為替レート(S$NEER)を金融緩
和では通貨安、金融引締めでは通貨高となるよう調整する
点です (図表1参照)。MASの金融政策の目標は持続的な
経済成長のベースとしての価格の安定とあり、他国と変わ
る点はありません。一方で、手段として通貨を用いる理由は
小規模な開放経済で貿易が主要な産業のシンガポールで
は価格の安定性に通貨政策が機能するためとしています。
実際、1980年代から通貨政策重視の金融政策を採用、価
格安定を支援してきたと述べられています。ただし政策手
段はユニークでも、金融政策動向を占う上では、インフレ動
向や経済環境などを見る点で違いは無いと思われます。
次にシンガポールの景気を見ると低水準での推移となって
います。例えば、2015年10-12月GDP(国内総生産)は前年
同期比で1.8%と低水準です(図表2参照)。アジア開発銀行
(ADB)の最新の予想でも2016年のGDP成長予想は2.0%と
2015年と同じ伸び率が予想されており、2013年の4.7%、2014
年の3.3%から低下しています。また、シンガポールのインフレ
率についてアジア開発銀行は2016年はマイナス0.6%と2015年
のマイナス0.5%からさらに低下すると予想しています(ADBの
データは年率)。
MASは2015年は2回の政策調整(図表1参照)では通貨高の誘
導ペースを緩やかにするとの表現で微調整の緩和にとどめま
したが、景気回復ペースが鈍いこと、インフレ率はマイナス圏
での推移が見込まれること、米国の利上げペースに後退観測
もみられることなどを背景に、4月の金融政策では従来の微調
整にとどめる可能性もある一方、小幅な金融緩和を示唆する
可能性も考えられます。
※S$NEERの自国通貨高
への誘導ペースを緩和=
微調整な金融緩和
14年1月
15年1月
16年1月
※S$NEER:シンガポールドルの名目実効為替レート
出所:MASのデータを参照しピクテ投信投資顧問作成
図表2:シンガポールGDP(国内総生産)の推移
(四半期、期間:2005年10-12月期~2015年10-12月期、前年同期比)
20
%
15
10
5
0
-5
シンガポールGDP
-10
05年12月
08年12月
11年12月
14年12月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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