第3学年2組 理科学習指導案 指導者 宗像市立赤間小学校 教諭 田村 隼輝 1 単元名 2 指導観 ものの重さをしらべよう ○ 児童は物に重さがあることを理解しているが,空気やほこりなど,見えない物やとても小さな物 には重さがないと考えたり,広げた物を丸めると力が加わり重くなると考えたりする児童も多い。 そこで本単元では,ものの重さについて興味・関心をもって追究する活動を通して、ものの形や体 積、重さなどの性質の違いを比較する能力を育てるとともに、それらの関係の理解を図り、ものの 性質についての見方や考え方をもつことができるようにすることがねらいである。この学習は,第 5学年「物の溶け方」において,物を水に溶かしたときの重さの変化を調べる活動を通して,物が 水に溶けて見えなくなっても重さは保存されるという質量保存の学習へと発展していく。 ○ 本単元の指導にあたっては,児童に体感させる活動を重視しながら学習を進めていく。いろいろ な物を自分の手で実際に重さを感じ,予想を立てさせることで,はかりの正確性,自分の感覚の限 界を感じさせ,興味を喚起していく。そして,客観的な測定の良さに気づかせるとともに,物の形 に着目させ,形を変えると重さは変わるか調べる。さらに,同じ体積の様々な素材の重さを測定し, 同じ体積でも素材が違うと重さが異なることをとらえることができるようにする。本単元の学習と 日常生活との関わりを意識させて身近な生活経験と関連づけて考えていくようにさせる。 3 単元目標 ○ 物の形や体積と重さの関係に興味・関心をもち、進んで物の重さについて意欲的に追究すること ができる。 (自然事象への関心・意欲・態度) ○ 物の形を変えたときの重さや素材が異なるが体積を同じにしたときの重さを比較して,考えを出 し合いまとめることができる。 (科学的な思考・表現) ○ はかりを適切に使って,安全に物の重さを調べ,その過程や結果を記録することができる。 (観察,実験の技能) ○ 物は,形が変わっても重さが変わらないこと,体積が同じでも重さが違うことがあることを理解 することができる。 (自然事象についての知識・理解) 4 単元計画 (全6時間) 1 重さ比べを行い,物には重さがあることをとらえる。 1 2 はかりを使って身の回りの物の重さを調べ,はかりの定量政の良さをとらえることができる。 1 1 3 辞典を異なる置き方ではかり,置き方が変化しても重さは変化しないことをとらえる。 4 粘土やアルミニウム箔の形を変えたり,小さく分けたりしたときの物の重さを調べ,形が変化し ても重さは変化しないことをとらえる。 2(①粘土:本時,②アルミ二ム箔) 5 同じ体積のアルミニウム・木・鉄・プラスチックの重さを比べ,同体積でも重さは種類によって 異なることをとらえる。 1 5 本時の主眼 ○ 粘土の形を変えたり,小さく分けたりした際の重さについて,自分の調べてみたい方法を決めて, 意欲的に調べ,結果を根拠に,友達と考えを出し合うことができる。 (関心・意欲・態度) ○ 物の形を変えたときと小さく分けたときでの実験前後の重さを比較することから,物は形や小さ く分けても重さは変化しないことをとらえることができる。 (知識・理解) 6 本時の展開 過程 学習活動 及び 子どもの反応 1 同体積の形の異なる粘土の重さを追究す るめあてを設定し,調べる見通しをもつ。 (1)同体積の形が異なる粘土を見比べ,めあ てを設定する。 つ めあて ○ 粘土を提示し、重さを確認したうえ で、変形の方法を児童に考えさせるこ とで、多様な予想を引き出す。 粘土の形を変えたとき,粘土の重さはどうなるか調べよう。 か (2)調べる見通しをもつ 予 む ・平べったい形の方がはかりをたくさ 想 ん押すから重くなる。 ・もともとは同じ物だから重さは変わ らないと思う。 ・分けると,ひとつひとつが小さくな るから軽くなる。 2 教師の支援 ○変形前の粘土と変形後の粘土の重さを 手に持って体感することで,予想のて がかりにさせる。 ○図や言葉を使って,予想とその理由を 表現させ,内容的な見通しを持たせる。 ○予想を出し合わせる中で,考えの差異 点をまとめ,調べる方法と視点を確か めさせる。 見通しをもとに,形を変えた粘土の重さを さ 調べ,結果から自分の考えをつくる。 ぐ 形を変えてみて 小さくばらばらにして る 粘土の形を変える前と同じ重さになった ○ 比較する視点(粘土を変形する前と後 での重さの変化)を児童に意識させて 電子てんびんを用いて探究活動を行 い,絵図や言葉で記録させることで、 考察を導きやすくする。 3 ま 結果と考えを出し合い,共通点からキーワ ードを明らかにして,結論をまとめる。 ○全体交流で実験結果を出し合う際に, (1)結果を出し合い,共通点からキーワード 変形の種類を以下の4観点でグループ を明らかにする。 化して板書することで,共通点と差異 点を見出しやすくする。 ・それぞれの結果を比べると,丸い形, (共通点:重さ,差異点:形) 平らな形,棒のような形など,どんな と 形でも重さは変わらないといえるね。 「どんな形にしても」 「どんなに小さくし ても」 「粘土の重さ」をキーワードにして, 自分でまとめを書いてみよう。 広げる・伸ばす 丸める・固める 小さく分ける その他(星形など) め る ○児童の変形後の粘土を電子黒板で提示 することで,グループの可視化を行い, (2)キーワードを使って明らかになった結論 キーワードを明らかにする。 をまとめる。 ○学習プリントを活用して,キーワード ・どんな形に変わっても,どんなに小さく を使って,見いだした結論を自分の言 分けても,粘土の重さは変わらないこと 葉で書かせるようにする。 がわかったよ。 ○結論を書くことが困難な児童に対し て,ヒントカードを配付して支援する。 まとめ どんな形にしても,どんな小さくしても,粘土の重さは変わらない。
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