第6学年2組 理科学習指導案 指導者 福津市立福間小学校 教諭 髙田 泰成 1 単元名 てこのはたらき 2 指導観 ○ 本単元に関しては,第3学年の風やゴムの働きの学習において,風やゴムの力は物を動かすこ とができ,その強さによって動く距離が違うことを学習している。また,第5学年の振り子の運 動の学習において,実験結果から振り子の運動の規則性を見出す学習をしている。 本単元では,これらの上に立って,生活に見られるてこについて興味・関心をもって追究する 活動を通して,てこの規則性について推論する能力を育てるとともに,それらについての理解を 図り,てこの規則性についての見方や考え方をもつことができるようにする。 このことは,中学第1学年における力と圧力の学習や,第3学年における運動の規則性,力学 的エネルギーの学習でそれぞれの見方や考え方をとらえる学習へと発展していく。 ○ 本単元の指導に当たっては,てこの働きやきまりにについて調べていく活動をしていくことで, てこがつり合うときの規則性やてこを利用した身の回りの道具などについてとらえることができ るようにする。そこで,まず,自由にてこで砂袋を持ち上げたり,支点・力点・作用点の位置を 変化させたりして,支点から力点,作用点までの距離が関係することをとらえさせる。次に,て この働きの視点で身の回りの道具について調べ,てこの働きを利用した道具があることをとらえ させる。最後に,実験用てこを使い,うでがつり合う時のきまりについて調べ,てこの規則性を とらえさせる。 3 単元目標 ○ てこの仕組みや働きに関心をもち,力の加わる位置や力の大きさを変えながら,てこの働きや 規則性について意欲的に追究することができる。 (関心・意欲・態度) ○ てこが水平につり合う時のおもりの重さと支点からの距離の関係などを推論しながら調べ,て この規則性を考え,表現することができる。 (科学的な思考・表現) ○ 実験の見通しをもち,力の加わる位置や力の大きさを変えながら,てこが水平につり合う条件 を調べ,その過程や結果を分かりやすく記録することができる。 (観察・実験の技能) ○ てこを傾ける働きの大きさは, 「おもりの重さ×支点からの距離」で表すことができ,両側のて こを傾ける働きの大きさが等しいときにつり合うとともに,それらの規則性を利用した道具が身 の回りにあることが理解できる。 (自然事象の知識・理解) 4 単元計画(全 10 時間) 1 支点・力点・作用点を変えててこを動かし,支点からの力点や作用点の距離が変わることで物 を動かす働きが変わることをとらえる。 4 2 身の回りのてこの道具について調べ,てこの働きを利用した道具があることをとらえる。 1 3 つり合う時のきまりについて調べ,てこの規則性をとらえる。 3 (1)てこのつり合いについて知り,つり合いの規則性を推論しながら自由にを調べる。 ① (2)てこが水平につり合う時のきまりを調べる。 ②本時(1/2) 4 ものづくりをして, てこの規則性を実感する。 2 5 本時の主眼 ○ 実験用てこを用いて,てこがつり合う時のきまりを見つける活動に,意欲的に取り組むことが できる。 (関心・意欲・態度) ○ 自由に実験したときの体験と関連づけながら,実験用てこの左腕の好きな目もりに好きな重さ をつるしたときに,右腕にどのようにつり下げたらつり合うか推論し,立てた予想と比較しなが ら,実験を行い,つり合う時のきまりを見出すことができる。 (科学的な思考・表現) 6 本時の展開 過程 学習活動 及び 子どもの反応 前時学習をふり返り,めあてをとらえ,本時学習 ○前時の活動をふり返る図(おもりの重 1 の問題解決の見通しをもつ。 (1) 前時学習をふり返り,前時に立てた学習問題 から,本時学習のめあてをつかむ。 めあて 時につり合った図)を提示すること で,本時学習のめあてをつかませる。 左右のおもりの重さが違うときは,どのようにしたら実験用てこがつり合うか調べ (2) てこがつり合うときのきまりの予想を立て, ○前時の経験をからつり合う時を予想 実験方法,視点を確認し,見通しをもつ。 む ・左うでの目もり2に30gをつるしたら,右 予 うでの目もり3に20gつるせばつり合うと思 想 方 法 さ さが同じ時は,支点からの距離が同じ よう。 つ か 教師の支援 2 内容的な見通しを明確にする。 ○条件を整理しながら調べる方法と視 う。距離を遠ざけると軽い力でもよかったから。 点を確かめさせることで,方法的な見 ・左うでの目もり○に○○gつるす。 通しを明確にする。 ・右うでに10g,20g,30g,40g, ○実験の手順,安全面の確認をさせるこ 50g,60gでつり合う所があるか調べる。 とで,行動的な見通しを明確にする 見通しをもとに,グループで立てた方法で,てこ ○2人に1つ実験用てこを準備し,ペア がつり合う時のきまりを調べる。 ぐ させ,学習ノートに書かせることで, る 活動を行うよう設定することで,主体 的に活動に取り組ませる。 3 結果について話し合い,各自が結論を書き,交流 し,まとめる。 ○右の図のよう に結果をまとめ (1) 実験結果を出し合い,結果の共通点や差異点 させることで, を見つけ,結果から考えられる事を話し合い, 共通点を見つけ やすくする。 ・ キーワードを明らかにする。 同じ距離,重さならやはりつり合うな。 ・ つり合うには,距離と重さが関係ありそうだ。 つり合うことを確認し,左うでと右う ・ 「おもりの重さ」「目もりの数:支点からのき での数値を「=」で結ぶことで,掛け ま ょり」 「左右」 「つり合う」をキーワードにして, 算を使うと左うでと右うでが同じ値 と 自分でまとめを書いてみよう。 になることに気付かせる。 め (2) キーワードをもとに,自分が調べた過程と結 る 論をまとめ,全体で交流する。 ・ どの結果も(おもりの重さ)×(目もりの数: ○左うでと右うでに同じ力が加わると ○結論の書き方の型を提示することで, 予想と結果を比較し,実験過程を振り 返りながら結論を書かせる。 支点からのきょり)は左右で等しいぞ。 まとめ (おもりの重さ)×(目もりの数:支点からの距離)の大きさが左右で等しい時 につり合う。 (3) つり合わなかった重さの時に,重さと距離を ○つり合わなかった重さの時につり合 いくつにすればつり合うか予想し,実験をし, う場所を計算で求めた上で実験する 確認する。 ことで,理解を深める。
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