物理化学Ⅱ11 月 14 日分提出解答例 6. ルシャトリエの原理;平行にある反応が、ある条件の変化を受けた場合、この変化をできる限り 少なくする方向に組成が調整される。 化学反応における平行は動的平衡であり生成物ができる平均の速さと生成物が壊れる平均の速さ が釣り合っているという意味である。 7. (a) 左、(b) 右、(c) 左、(d) 右、(e) 変わらない 8. 水の合成は水素の燃焼反応であり発熱反応であるので温度上昇によって反応物の方にずれる 9. 触媒は活性化エネルギーをかえる化合物であるため“反触媒”という作用は存在するが、あらゆ る反応条件で反応を阻止することは難しい。 10. N 2 ( g ) + 3H 2 (g )← → 2NH 3 (g ) Kc = [NH3 ]2 = (0.142)2 = 2.38L× 10−3 [N2 ][H 2 ]3 (1.36) × (1.84)3 Kc = 2.38×10-3 dm6mol-2 11. 反応は定容で完全気体であると考えて良くその体積を V とすると PNH3 = nNH3 V PH 2 = nH2 PN 2 = nN2 ⋅ RT = [H 2 ]RT V V ⋅ RT = [NH 3 ]RT ⋅ RT = [N 2 ]RT また (P ) = ([NH ]RT ) [H ]RT ⋅ ([N ]RT ) P ⋅ (P ) 2 Kp = 2 NH 3 3 3 N2 H2 3 2 2 = Kc 1 (RT ) 2 = 2.38 × 10 −3 × 1 (0.082 × 10 ) ∴ Kp = 3.54 × 10 −7 atm −2 (単位をしっかり確認しておいて下さい) 3 2 = 3.539 × 10 −7 12. 2H 2S( g ) ← → 2H 2 (g ) + S 2 (g ) Kc = [H2 ]2 [S2 ] で表される [H2S]2 ここで S2 の物質量を x とすると 2 1.06 × 10−6 1.17 x ⋅ 5 5 = 2 2.21 5 x = 1.89L×10−5 ≈ 1.89 ×10−5 mol 13. 2H 2 O( g ) ← → O 2 (g ) + 2 H 2 (g ) c 初め 0 0 変化 − cα cα 1 cα 2 平衡後 c − cα cα 1 cα 2 全体のモル数は c − cα + cα + 1 1 cα = c 1 + α 2 2 全圧が 1atm より体積を V とすると cRT 1 1 = ・・・A 1 × V = c 1 + α RT より 1 V 2 1+ α 2 ここで PH2O = PH2 = c(1 − α ) RT V cα RT V 1 cα PO2 = 2 RT より V (P ) P (P ) 2 Kp = H2 H 2O O2 2 cα cα RT RT α3 α3 α3 cRT V 2V = = ⋅ = = 2 2 1 2(1 − α )2 V c(1 − α ) 2(1 − α )2 1 + α (1 − α ) (2 + α ) RT 2 V 2 (Q A) = (0.0118)3 = 8.362L× 10−7 (1 − 0.0118)2 (2 + 0.0118) ∴8.36 × 10−7 atm 14. 加えたヨウ素の濃度は 0.02 = 0.04moldm−3 −3 500× 10 − であり、 I はヨウ化カリウム溶液から生じるので、 − I 3 − (aq )→ ← I 2 (aq ) + I (aq ) 初め 0 0 . 04 平衡後 x 0.04 − x Kc = 0 .2 0 .2 − x [I2 ][I − ] = (0.04 − x)(0.2 − x) = 0.0015 [I ] − x 3 (0.04− x)(0.2 − x) = 0.0015x 0.008− 0.24x + x2 = 0.0015x x2 − 0.2415x + 0.008 = 0 x= 0.2415± ((0.2415) 2 2 ) = 0.2415± 0.1622 = 0.20185or 0.03965 − 4 × 0.008 2 0 .04 − x >0 かつ 0.2 − x >0 より 0.0397 の方が求める解である。 [I ] = 0.0397moldm − 3 −3 [ ] − −3 、 [I 2 ] = 0.0003moldm −3 、 I = 0.1603moldm 蒸気圧測定 純溶媒と溶液の蒸気圧差を利用して分子量を測定する方法 安息香酸は、カルボン酸部分がありそれが分子間水素結合(○枠部分)することで下図のような 二量体を形成する。そのため分子量が倍になる。特にベンゼンの用な非極性溶媒中では二量体形 成が有利に働くことが知られている。 15. 影響を及ぼす因子 平衡に達する速さ 平衡定数の値 以上は教科書をよく読み直すこと。 (a) 初めの XY のモル数を c とすると XY (g )→ ← X (g ) + Y ( g ) c 0 0 − cα cα cα 変化 cα 平衡後 c − cα cα 全体のモル数は c − cα + cα + cα = c(1 + α) ・・・① 初め ここで全圧を P とすると PXY = c (1 − α ) ×P c (1 + α ) PX = PY = cα ×P c (1 + α ) よって α PX ⋅ PY α2 α2 1+α KP = P= P = = (1 + α )(1 − α ) 1 − α 2 PXY 1−α P 1+α 2 1 3 α = より 2 1 1 3 K P = 2 P = P ∴ P = 8K P 8 1 1− 3 (b) C 2 H 5COOH(l ) + CH 3OH (l )← → C 2 H 5COOCH3 ( l ) + HO 2 (l ) 初め 1 1 平衡後 1 3 1 3 0 0 2 3 2 3 よって [C H COOCH 3 ][H 2O] = Kc = 2 5 [C2 H 5COOH ][CH 3OH ] 2 2 ⋅ 3 3 = 4 ・・・・① 1 1 ⋅ 3 3 同じように C 2 H 5COOH(l ) + CH 3OH (l )← → C 2 H 5COOCH3 ( l ) + HO 2 (l ) 1 0 .5 0 0 変化量 −x −x 平衡後 1− x 0.5 − x x x x x 初め 上の①式より Kc = 4 = x2 (1 − x )(0 .5 − x ) 4(1 − x )(0.5 − x ) = x 2 3x2 − 6x + 2 = 0 3 3 ∴x = 1± x 〈 0.5 より x = 1 − 3 = 0 .4226 L 3 よってエタン酸は 1 − 0.422 = 0.578 mol 残る 16. (a) N 2 ( g ) + 3H 2 (g )← → 2NH 3 (g ) (b) ∆H = 945+ (436) × 3 − (391× 3) × 2 = −93kJ/mol (P ) P (P ) 2 (c) Kp = NH 3 3 N2 H2 (d) (i) 圧力を上げると平衡は右に進む (ii) ルシャトリエの法則より高圧にすると平衡は右に移動するので NH3 が生成する (iii) アルゴンは反応に関与しないので意味がない (e) 反応速度を上げるため (f) 鉄は触媒として働くが、細かく砕くことで表面積が増え効率が上がるから (g) N 2 ( g ) + 3H 2 (g )← → 2NH 3 (g ) 500℃で全圧が 200 atm、 N2 : H2 = 1: 3 より N 2 ( g ) + 3H 2 (g )← → 2NH 3 (g ) 初め 50 150 0 変化量 −x − 3x 2x 全体量 50 − x 150 − 3 x 2x 全圧は 50 − x + 150 − 3 x + 2 x = 200 − 2 x ここで P = n RT より分圧 ∝モルよりモルパーセントを考えると V 2x 100×18 ×100 = 18 x = = 15.25L 200 − 2 x 100 + 18 窒素が変わるモルパーセントは 50 50 − x × 100 − × 100 = 25 − 20.50L = 4.5 % 200 200 − 2 x 17. (a). 化学平衡は動的な平衡にあり生成物ができる平均の速さと壊れる平均の速さが丁度釣り合っ ている (b). 温度と触媒 (c). i) 同じ温度で圧力が増加するとXの割合が増加するので体積が減少する ii) 温度上昇とともに同じ圧力でXの割合が減少しているので発熱的反応であるといえる iii) 上記 i)と ii)より低温高圧で反応を行うといい 18. X の分子量を M とする。又抽出される X の質量を x とすると 分配係数 = [ トリクエタンに溶けて いる濃度 ] である [水に溶けている濃度 ] x 50 M 12 = 8 − x 200 M 12 8 − x x = 200 M 50 M x = 6 ∴6g 19. カラムクロマトグラフィー;カラムに固定相を充填して溶媒を移動相として上から流すことで生 成物の分離精製に用いる 簿層クロマトグラフィー;p. 211 をみること ペーパークロマトグラフィー;生成物の確認等に主に用いる a) ガスクロマトグラフィー(どちらも気体であるため) b) 液体カラムクロマトグラフィー c) X線回析(月から持ち帰った場合は地球で分析できる) d) 赤外線(火星そのものを調べるには赤外線を利用する必要がある) 20. 2+ − PbCl2 (s )→ ← Pb (aq ) + 2Cl (aq ) [ ][ ] Ksp = Pb 2 + Cl − 2 Pb2+がラジオアイソトープになるということは動的平衡ではあるということである。 (Pb2+が常に 存在している) 21. 溶解におけるエネルギーを反映している I = 126 .9 、CS2 に溶けている I2 の量が 32.3gdm 585 = −3 なので水相に溶けている I2 の量は 32.3 ∴ x = 0.0552gdm−3 x 水相に全部で 32.3gdm −3 (I2 と I3=で)存在するので I3=として 1.14 − 0.0552 = 1.0848gdm −3 である [I2 ] = 0.00552 = 0.0002174 126.9 × 2 1.0848 [I ] = 126 = 0.002849 .9 × 3 − 3 [I ] = 0.3 − 0.002849 = 0.29715 − − I 2 (aq ) + I − (aq )→ ← I 3 (aq ) K= [I ] − [I 2 ][I 3 − ] = 0.002849 = 44.10dm3mol −1 0.0002174× 0.29715 22. 教科書をよく読み直しておくこと。
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