第2節 ライフプランの基礎知識

第 1 章 FP の概要
第2節 ライフプランの基礎知識
ライフプランとは
1
重要度
★☆☆
ライフプランとは、自分自身の将来生活設計(=人生設計)のことです。現
在の収入・支出や貯金の状況、将来の希望などを考慮し、このままの生活を続
ければどうなるのか、希望を達成するために何を目標にするべきかなどを決め
ていくこと全体を指します。
一般的に、在職中の生活プランをライフプラン(狭義)とよび、退職後の生活プ
ランをリタイアメントプランと呼んでいます。
人生の 3 大資金
2
重要度
★☆☆
ライフプランの中で経済的な負担が大きい(=お金がかかる)代表的なものが、
「教育資金」「住宅資金」「老後資金」の3つで、人生の3大資金と呼んでいます。
これらの資金は一度に用意することが難しいため、早くからの計画的な準備やロ
ーンの活用等が重要となります。
年代ごとのライフプラン
3
重要度
★☆☆
ライフプランは一人ひとり違うので、一般論だけでは通用しない一方、年代や
世代別による特徴があるため、ライフステージにおける一般的なニーズを把握し
ておくことは重要です。
3.1
独身時代(一般的には 20 歳代~30 代半ば)
社会人としてスタートを切り、定期的な収入を得るようになると、目先の楽し
みを大事にしながらも、将来のライフプランを意識して準備を始めていくことが
重要です。そのためにも、将来の目標を設定し、貯蓄・保険商品、教育費、住宅
の取得などに関連するお金についての基本的な知識を身につけたい時期といえま
す。
また、最近では晩婚化が進み、30 代後半以降で独身の方も増えていますが、いず
れにしても独身時代には、今後結婚するつもりがあるのかどうかを考え、結婚資
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金の準備などをするとともに、女性であれば結婚・出産によって仕事を続けるの
か続けないのか等、今後のキャリアについても考える必要がある時期といえるで
しょう。
3.2
家族形成期(20 歳代~40 歳代)
結婚を選択した場合に、子どもをどうするのかや、住む家をどうするのかを考
える時期です。出産や育児、その後の教育資金の準備を考えるとともに、住宅取
得についての準備も必要となってきます。扶養する家族ができることにより、万
一の際の保障も考える必要があります。
3.3
家族成熟期(30 歳代~50 歳代)
子どもの成長に伴って必要な教育費が増加すると同時に、住宅を取得した場合
のローンの返済などによって、支出が増加する時期となります。家族構成の変化
に合わせた保険の見直しも重要です。また、親世代の介護の問題や相続問題への
対応が必要なケースもあります。
3.4
家族円熟期(50 歳代~60 歳代)
子どもが独立することで、教育費の負担はなくなりますが、同時に自分自身の
老後に備えた準備が必要な時期といえます。退職金の見込みや、年金の見込み額
などを意識して、リタイアメントプランを考えることが大切です。ここでも家族
構成の変化や自分自身の健康状態などに応じて、保険を見直しすることは大切で、
死亡保障重視から医療保障、介護保障重視へと変更していくケースも多くありま
す。
3.5
退職後のリタイア期(60 歳代~)
いつまで働くかは人によって様々ですが、一般的には働くことによる収入から、
今までに蓄えてきた資産や退職金の取り崩し、そして年金等の収入を中心に生活
を営む時期です。住宅のリフォームなどで多額の資金が必要となるケースもあり
ます。また、医療費や介護関連費がかさむ可能性や、相続についても意識する時
期となります。
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