米国MLPマーケット・ウィークリー - レッグ・メイソン・アセット・マネジメント

米国MLPマーケット・ウィークリー
当レポートでは、パイプライン等のエネルギー関連資産を保有・運営する米国のMLP(共同投資事業の一形態)に関する情報提供を行います。
≪先週の米国MLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ)市場概況≫
アレリアンMLP指数
価格指数
トータル
リターン指数
米国株(S&P500)
予想配当
利回り
トータル
リターン指数
予想配当
利回り
2016年3月23日
米国REIT
トータル
リターン指数
米10年国債
利回り
予想配当
利回り
WTI
原油先物
( ドル/ バレル)
ヘンリーハブ
天然ガス先物
( ドル/ 百万
BTU)
2015年12月31日
289.76
1,103.67
8.53%
3,821.60
2.15% 14,650.51
3.83%
2.27%
37.04
2.34
2016年3月11日
261.88
1,022.58
9.18%
3,800.07
2.29% 14,869.32
4.48%
1.98%
38.50
1.82
2016年3月18日
274.33
1,071.17
8.77%
3,852.15
4.39%
1.87%
39.44
1.91
前週比
4.8%
4.8%
-0.41%
1.4%
-0.03%
2.2%
-0.09%
-0.11%
2.4%
4.7%
年初来
-5.3%
-2.9%
0.24%
0.8%
0.11%
3.7%
0.56%
-0.40%
6.5%
-18.4%
前年比
-35.7%
-30.6%
2.33%
-0.2%
0.22%
2.1%
0.82%
-0.05%
-11.7%
-34.7%
2.26% 15,190.33
トータルリターン指数(配当込み)
(2012年末=100)
180
14%
S&P500
160
MLP・S&P500・米国REITの配当利回りと長期金利
12%
10%
140
8%
120
100
MLP
6%
米国REIT
米国REIT
4%
80
2%
MLP
60
13/1/1
13/7/1
14/1/1
14/7/1
15/1/1
15/7/1
0%
13/1/1
16/1/1
米10年国債利回り S&P500
13/7/1
14/1/1
14/7/1
15/1/1
15/7/1
16/1/1
(出所)ブルームバーグ (注)データ期間:2013年1月1日~2016年3月18日、MLP=Alerian MLP Index、米国REIT=FTSE NAREIT All Equity REITs Index
≪アレリアンMLP指数構成銘柄(全50銘柄)の週間騰落率ランキング(3月14日~3月18日)≫
上昇率上位5銘柄
業種
時価総額
( 1 0 0 万ドル)
週間騰落率
(%)
下落率上位5銘柄
1
Teekay Offshore Partners LP
石油海上輸送
667
63.9 Vanguard Natural Resources LLC
2
Archrock Partners LP
中流サービス
667
42.7 Columbia Pipeline Partners LP
3
Martin Midstream Partners LP
石油貯蔵
737
23.5 Golar LNG Partners LP
4
Enable Midstream Partners LP
集積・処理
3,485
17.4 Boardwalk Pipeline Partners LP
5
Teekay LNG Partners LP
LNG海上輸送
1,158
16.9 ONEOK Partners LP
(出所)ブルームバーグ
業種
時価総額
( 1 0 0 万ドル)
週間騰落率
(%)
209
-30.7
1,309
-10.3
935
-1.9
天然ガス輸送
3,492
-1.7
集積・処理
9,206
-1.0
探査・生産
天然ガス輸送
再ガス化
(注)時価総額は2016年3月18日時点。
≪先週の米国MLP市場の動き≫
先週のアレリアンMLP指数(トータル・リターン)は前週末比4.8%の上昇となりました。石油輸出国機構(OPEC)加盟国・非
加盟国による原油の増産凍結措置への期待感から、WTI原油先物価格が3月17日に1バレル=40ドル台を回復するなど、
原油価格の上昇がMLP市場の投資センチメント改善に寄与した模様です。
先週はMLPの親会社によるドロップダウン(資産譲渡)や社債発行、買収などが公表され、親会社の財務基盤の安定が
MLPの事業環境を下支えしていることが示唆されました。大手石油精製企業Marathon Petroleum社は子会社のMPLX LP
(MPLX)に対して、内陸部での石油製品の船舶輸送事業の売却を公表しました。また、Western Gas Partners LP(WES)
の親会社でもある米大手独立系探査・生産企業Anadarko Petroleum社が30億ドルの社債発行を実施したことで、大手採
掘企業の資金調達環境に改善の兆しが示されました。このほか、カナダのパイプライン大手TransCanada社は、Columbia
Pipeline Partners LP(CPPL)の親会社であるColumbia Pipeline Groupの買収で合意しています。
●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種データに基づいて作成したも
のですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、将来の成績を予測あるいは保証するものではありません。
また記載されている運用スタンス、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予告なく変更されることがあります。●この書面及びここに記載された情報・商品
に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面による同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で配布することはご遠慮ください。●当
資料は情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当該銘柄の売買または保有を推奨するものではありません。
米国MLPマーケット・ウィークリー
≪先週の米国MLP関連ニュース≫
【3月14日、ドロップダウン】 MPLX LP(MPLX、集積・処理、時価総額89億ドル)は、親会社の大手石油精製企業
Marathon Petroleum社(MPC)との間で、内陸部での石油関連製品の船舶輸送事業を取得する合意を結ぶ。事業取得
の資金調達は、MPCに対する6億ドル相当の株式発行によって行われる。取引は3月31日に完了予定。
【3月14日、社債発行】 米大手独立系探査・生産企業のAnadarko Petroleum社(APC)は、30億ドルの社債発行を実施。
APCは大手MLPのWestern Gas Partners LP(WES、集積・処理、同60億ドル)の親会社でもある。
【3月17日、買収】 カナダのパイプライン大手TransCanada社(TRP)は、米パイプライン企業Columbia Pipeline Group(CPG
X)を13億ドルで買収する合意を結ぶ。CPGXは子会社にMLPのColumbia Pipeline Partners LP(CPPL、天然ガス輸送、
同13億ドル)を持ち、買収完了後はTRPがCPPLのゼネラル・パートナーとなる。買収完了後もCPPLの上場は継続される。
(出所)MLP公表資料、各種報道、ブルームバーグ、ファクトセット (注)各MLPの時価総額は2016年3月18日時点。
≪MLP関連トピック≫ 中流MLPの2016年以降の配当見通し
原油価格低迷の中でも中流MLPは増配を維持
MLPの配当動向は、原油価格の低迷下でも、中流MLP
市場全体では2015年も概ね増配基調が維持されました。
先行きについても、2016年2月末時点の市場コンセンサ
図1:中流MLPの一株当たり配当伸び率(中央値)
(前年比、%)
8
+6.8%
7
6
+5.2%
5
スによれば、中流MLPの配当成長は2016年が前年比
4
+5.2%、2017年が同+6.8%と、底堅い増配が続くと見込
3
まれています(図1)。
2
1
今後のMLP投資に当たっては銘柄選別が重要に
0
09
もっとも、原油価格が不安定な値動きを続ける中、上流
エネルギー部門での原油・天然ガス生産の不透明感など
10
11
12
13
14
15
16
実績
17
(年)
予想
(出所)ファクトセット (注)2015年末時点の中流MLP61銘柄の中央
の要因から、一部の中流MLPでは経営環境の悪化に直面 値を集計。予想はファクトセット集計コンセンサス(2016年2月末時点)。
しつつある模様です。今後、中流MLPの中でも銘柄毎の実
図2:中流MLP各銘柄の2016年の配当見通し
力差が生まれやすくなるとみられ、MLPへの投資に当たっ
2016年は中流MLPの配当見通しが二極化
実際、中流MLP銘柄毎の2016年の配当伸び率予想を
詳細に見ると、二桁以上の堅調な配当成長が予想される
MLPと配当据え置きが予想されるMLPの間で配当見通し
が二極化する傾向がみられます(図2)。もっとも、中流
年の配当伸び率予想
2016
ては銘柄選別の重要性が増すと考えられます。
23
10%以上の増配
7
5%以上~10%未満の増配
13
0%超~5%未満の増配
12
0%(配当据え置き)
4
マイナス(減配)
MLPの中では、2016年に減配や無配が予想される銘柄
は極一部に留まると見込まれています。
配当見通しが二極化
1
無配
0
(銘柄)
5
10
15
20
25
(出所)ファクトセット (注)母集団は2016年の配当予想コンセンサス
が集計可能な中流MLP60銘柄。予想はファクトセット集計コンセンサ
ス(2016年2月末時点)。
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のですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、将来の成績を予測あるいは保証するものではありません。
また記載されている運用スタンス、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予告なく変更されることがあります。●この書面及びここに記載された情報・商品
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