2011 年度 3EC 応用物理 I (力学) 補助プリント No.2 -微分方程式の練習問題群馬高専 一般教科 (自然科学) 小林晋平 2011. 5. 13 df (t) 以下では t, x, v はそれぞれ時間・位置・速度を表す.またドットは時間微分 f˙(t) = である.重力加 dt 速度の大きさは g とする. 1 1 次元の等加速度運動 1. [一般論] 質量 m の質点に一定の力 F が働いているとき,初速度を v0 ,初期位置を x0 として,時刻 t に おける物体の加速度 a(t), 速度 v(t), 位置 x(t) を求めよ. 2. [自由落下] 鉛直下向きに x 軸を取る.初速度 0 で位置 x = 0 から物体を自由落下させるとき,時刻 t に おける物体の速度 v(t) と位置を x(t) を求めよ.空気抵抗は無視してよい. 3. [鉛直投げ下ろし] 鉛直下向きに x 軸を取る.初速度 v0 で位置 x = 0 から物体を自由落下させるとき,時 刻 t における物体の速度 v(t) と位置を x(t) を求めよ.空気抵抗は無視してよい. 4. [鉛直投げ上げ] 鉛直上向きに x 軸を取る.初速度 v0 で位置 x = 0 から物体を鉛直上方に投げ上げるとき, 時刻 t における物体の速度 v(t) と位置を x(t) を求めよ.空気抵抗は無視してよい.また,v − t グラフ, x − t グラフを書け.グラフには最高点の座標,落下したときの物体の速度などを書き込むこと. 5. [斜面を滑る質点の運度] 水平面に対して角 θ だけ傾いた摩擦のない斜面を質点が滑る.斜面に沿って下向 きに x 軸を取ってこの運動について考える. (1) 質点の加速度はいくらか. (2) 時刻 t での質点の速度 v(t) を求めよ.ただし初速度は 0 とする. (3) 時刻 t での質点の位置 x(t) を求めよ.ただし初期位置は x = 0 とする. 6. [摩擦のある斜面を滑る質点の運度] 水平面に対して角 θ だけ傾いた斜面を質点が滑る.質点と斜面の間の 動摩擦係数は µ′ である.斜面に沿って下向きに x 軸を取ってこの運動について考える. (1) 質点に働く垂直抗力 N の大きさと質点の加速度を求めよ. (2) 時刻 t での質点の速度 v(t) を求めよ.ただし初速度は 0 とする. (3) 時刻 t での質点の位置 x(t) を求めよ.ただし初期位置は x = 0 とする. 7. [電場中を運動する電荷] x 軸方向に平行な電場 E = Eex がかけられた電場中を,質量 m, 電気量 e の電 荷が運動する. (1) 電荷の運動方程式を書け. (2) 電荷に初速度 v(0) = −v0 (v0 は正の定数) を与えるとき,時刻 t での電荷の速度 v(t) を求めよ. (3) 電荷が最初に出発した位置に戻ってくるまでの時間と,出発してから戻ってくるまでに進んだ道のり を求めよ. 1 2 変数分離を使う運動 1. 以下の微分方程式を変数分離法を使って解け. √ ′ (1) y = y (2) ′ y = xy (3) ′ y = sin x tan y ′ (4) y = − 4 − y2 4 − x2 (5) y ′ = x3 + e2y − x3 e2y − 1 2. 質量 m の物体が鉛直下方に落下している.この物体に速度に比例する抵抗力 kv (k は比例定数) が働くと する.鉛直下方に向かって x 軸を取り,この運動について考える. (1) 物体の運動方程式を書き,加速度を求めよ. (2) 物体の運動方程式を変数分離法を使って解き,時刻 t での物体の速度 v(t) を求めよ.ただし初速度は 0 とする. (3) 前問の速度をさらに積分し,時刻 t における物体の位置 x(t) を求めよ.ただし初期位置は 0 とする. (4) v − t グラフ,x − t グラフを書け.終端速度など,物理的に重要と考えられる値を書き込むこと. (5) 物体に働く抵抗力が kv ではなく αv 2 (α は定数) であった場合に v(t) を計算せよ.初速度は 0 とする. 3 単振動とその応用 1. 以下の微分方程式を考える. d2 x(t) + ω 2 x(t) = 0 dt2 (ω は定数) (1) sin ωt がこの微分方程式の解であることを示せ. (2) この微分方程式の実一般解を求めよ. (3) この微分方程式の複素一般解を求めよ. (4) 初期条件 x(0) = A, ẋ(0) = 0 のもとで,この微分方程式の解を求めよ. (5) 初期条件 x(0) = x0 , ẋ(0) = v0 のもとで,この微分方程式の解を求めよ. 2. 質量 m の質点が,摩擦のない水平面の置かれたばね定数 k のばねに繋がれて運動している.ばねは水平 方向にのみ伸び縮みするものとし,その方向に沿って x 軸を取る.ばねが自然長のときの質点の位置を座 標原点 x = 0 とする. (1) 質点が位置 x にあるとき,ばねの運動方程式を書け. (2) 質点の運動の角振動数 ω はいくらか. (3) 質点の運動の周期 T はいくらか. (4) 質点を位置 x = x0 まで動かし,速度 ẋ(0) = v0 で手を離した.質点の時刻 t での速度 v(t) と位置 x(t) を求めよ. (5) この運動の振幅はいくらか. (6) v − t グラフ,x − t グラフを書け. (7) 任意の時刻で,この系が持っている力学的エネルギーは一定であることを示せ. (8) ばね定数 k のばねを 2 本並列に繋いで同じ質点と繋いだ場合,質点の単振動の角振動数は何倍になる か.ばねを 2 本直列に繋いだ場合ではどうか. 3. 電気容量 C のコンデンサーと,インダクタンス L のコイルを直列に繋いで LC 共振回路を作る.コンデン サーに電荷 Q をため,その後の電荷の変化を観察する. (1) 時刻 t にコンデンサーに蓄えられている電気量を q(t) とするとき,キルヒホッフの法則を使って q(t) が満たす微分方程式を書け. 2 (2) 電気量 q(t) は単振動と同じ周期的な運動をする.その角振動数,振動数,周期はいくらか. (3) 今考えている状況は初期条件 q(0) = Q, q̇(0) = 0 に対応することを使い,微分方程式を解いて q(t) を 求めよ. 3
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