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全日教連
全日教連
中央情勢報告
中央情勢報告
No.13
発行
平成27年9月15日
全ての子供の社会的自立実現を目指して!
=不登校児童生徒への支援に関する中間報告=
~文部科学省「不登校に関する調査研究協力会議」~
文部科学省は、9月7日 「不登校に関する調査研究協力会議」において 、「不登校児童生徒への支
援に関する中間報告 」を示し、 各学校や教育関係者等における取組の充実に資するための指針とな
る提言を盛り込んだ。なお、具体的な指導方法や事例紹介等については、引き続き検討し、最終報告
において取りまとめられることとなっている。本会議は、平成27年1月に初等中等教育局長の諮問機
関として発足した。
不登校児童生徒への支援に関する中間報告(全日教連要約・抜粋)
不登校の現状と実態把握
○
不登校の現状と分析
学校種
小学校
中学校
合計
不登校児童生徒数(人)
24,174
95,422
119,617
全体に占める割合(%)
0.36
2.69
1.17 (平成25年度調査)
・ 小中学校の不登校児童生徒数は6年ぶりに増加
・ 小学校6年から中学校2年生にかけて大きく増加
○ 不登校児童生徒への指導の結果、効果があった取組
・ 登校を促すため、電話をかけたり迎えに行ったりする等(48.5%)
・ 家庭訪問を行い、学業や生活面での相談に乗る等様々な指導・援助(46.9%)
・ スクールカウンセラー等の専門的な指導(40.0%)
○ 進路の状況等
平成5年度 平成18年度
高校進学率
65.3%
85.1%
高校中退率
37.9%
14.0%
大学・短大・高専への就学率
8.5%
22.8%
専門学校・各種学校への就学率
8.0%
14.9%
・ いずれも不登校生徒の進路状況は改善
・ 不登校等の課題を持った多様な生徒に対する支援が充実している高等学校等の増加
○ 不登校の要因・背景の多様化・複雑化
・ 児童生徒の社会性等をめぐる課題
・ 核家族化・少子化・地域における人間関係の希薄化等による家庭の孤立
・ 経済停滞により、生活の余裕がなくなり、保護者自身にゆとりがない等の傾向
・ 学校に通わせることが絶対ではないという保護者の意識の変化
・ 自閉症、学習障害、注意欠陥/多動性障害等の発達障害
・ 児童虐待
不登校に対する基本的な考え方
○
○
○
将来の社会的自立に向けた支援の視点
個別の児童生徒に対する組織的・計画的支援
連携ネットワークによる支援
・ 学校や行政機関がフリースクール等の民間施設やNPO等と積極的に連携
・ 幼稚園・保育園・小学校・中学校・高等学校等のそれぞれの間の連携
○ 将来の社会的自立のための学校教育の意義・役割
・ 「社会への橋渡し」や「学習支援」の視点
○ 児童生徒の可能性を伸ばす学校の柔軟な対応
・ 教育支援センター、不登校特認校、夜間中学校での受け入れ
・ ICTを使った学習支援やフリースクール
○ 働き掛けることや関わることの重要性
○ 学校内外を通じた切れ目のない支援の充実
・ 不登校等の中学生等を対象とした地域人材による学習支援(地域未来塾)の活用
○
・
・
・
保護者の役割と家庭への支援
不登校に関する相談窓口の情報提供
不登校児童生徒への訪問時における保護者への助言
家庭教育支援チーム等による相談対応や訪問型支援
重点方針
○
「児童生徒理解・教育支援シート」による困難を抱える児童生徒への支援
中心的かつコーディネーター的な役割を果たす教員の明確な位置付け
生徒指導加配等を含めた人的措置の充実
○ 不登校児童生徒を支援するための体制整備
・ 教育支援センターによるアウトリーチ型支援の実施
・ 教育支援センターの設置、若しくは、不登校児童生徒を支援する体制整備
・ 教育支援センターの人的措置の充実やスクールカウンセラーの配置
○ 既存の学校になじめない児童生徒に対する柔軟な対応
・ 不登校特認校の制度を活用した学校や分校、分教室の設置の検討
・ ICTを活用した学習支援の制度の活用
・
・
今回の報告では、不登校児童生徒数は6年ぶりに増加する等、依然として高い水準にあることが示
された。特に小学校6年生から中学校2年生にかけ大きく増加していることから、児童生徒が抱える
課題に関して校種間で情報交換をする等、小中の連携をより一層重視していくことが望まれる。また、
不登校児童生徒への指導の結果、効果があった取組では、従前より学校が行ってきた電話や家庭訪問
等での登校の促し等の他に、
「スクールカウンセラー等が専門的な指導にあたった」が40.0%に上る。
不登校の要因・背景が多様化・複雑化していることも鑑み、スクールカウンセラー等の専門家の指導
の充実が今後一層期待される。一方で、進路の状況については改善が見られることから、不登校等の
課題に対して充実した支援を行っている高等学校等が増えてきたことが覗える。また、今後の重点方
針では、校内体制においては「児童生徒理解・教育支援シート」の活用及び人的措置の充実、校外体
制では教育支援センターの設置も含めた機能充実等が示された。
全日教連は、今後も教育研究大会や各種研修会等を通して、学習指導や道徳指導、教育相談等の研
究を深め、教職員の資質・能力の向上を図っていく。また、養護教諭の複数配置基準の引き下げやス
クールカウンセラーの全校配置、スクールソーシャルワーカーの配置の拡充等による教育相談体制の
充実や、学校・家庭・地域・不登校児童生徒に対する各種支援施設等を含む関係諸機関との相互連携
強化についての財政的支援を国に対して訴えていく。
子供の健全育成に向けて!
=平成28年度
厚生労働省概算要求=
~厚生労働省~
厚生労働省は、9月10日、平成28年度予算概算要求を公表した。少子高齢化等の厚生労働行政を取
り巻く課題に対応するため、「すべての子どもが健やかに育つための総合的な対策の推進」等に重点
的な要求・要望を行うこととした。
「すべての子どもが健やかに育つための総合的な対策の推進」に関する概算要求の主要事項は、次
の通りである。
「すべての子どもが健やかに育つための総合的な対策の推進」に関する概算要求(全日教連要約・抜粋)
○
子供の貧困対策とひとり親家庭対策推進【一部新規】
223億円
子育て・生活から就業に関する相談窓口のワンストップ化の推進
子供の居場所づくり
子供の学習支援
○ 児童虐待防止対策の強化、社会的養護の推進【一部新規】
143億円
・ 国、都道府県(児童相談所)、市町村の役割と整理等、今後の児童虐待防止対策の在り方
を示した上で、官・民のパートナーシップの構築
・ 児童相談所の体制の強化及び専門性の向上
・
・
・
厚生労働省によれば子供の貧困率は上昇傾向にあり、保護者の経済格差が、子供の学力格差に関係
し、貧困の連鎖が大きな社会問題となっている。これは我が国の家族関係支出が諸外国に比して低い
ことが一因となっている。また、子供を巡る諸課題は、益々複雑化、困難化してきており、児童相談
所の機能強化は喫緊の課題である。
全日教連は、すべての子供の健全育成に向けた社会体制の整備を訴えるとともに、教文研との連携
を通して、家庭や地域における教育力向上を図るための取り組みを進める。また、児童虐待等への迅
速・的確な判断と実効性のある対応ができるよう、児童相談所職員や児童福祉司の増員、施設の増設
や機能強化を関係諸機関に対し強く要望していく。