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全日教連
全日教連
中央情勢報告
中央情勢報告
No.5
発行
平成27年6月9日
現場の実態に合った英語教育の制度設計を!
=平成26年度「英語教育実施状況調査」の結果について=
~文部科学省~
6月4日、文部科学省は、公立小学校、中学校及び高等学校における英語教育の状況について、結
果をとりまとめ、公表した。本調査は、平成25年6月に閣議決定された「第2期教育振興基本計画」
に基づく「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」及び「英語教育の在り方に関する有識者
会議」での提言を踏まえ、英語教育の充実・改善を図るとともに、新たな英語教育の在り方を検討し
ていく上で必要な実態を把握するために実施したものである。
英語教育実施状況調査(小学校)の概要(全日教連要約・抜粋)
外国語指導助手(ALT)等を授業で活用する時数及び活用人数の状況
○ 小学校における外国語活動等の授業で、
外国語指導助手(ALT)等を活用する時数
の割合は、平成22年度は54.4%、平成24年
度は56.2%、平成25年度は58.4%、平成26
年度では60.1% であり、増加傾向にある。
○ 小学校におけるALT等の総数は10,163人
である。
外国語活動等におけるICT機器の活用状況
○ 外国語活動等においてICT機器を活用し
た学校の割合は、平成25年度は88.7%であ
った。
○ 平成25年度にICT機器を活用した学校のうち、87.0
%の学校が「パソコン」、51.7%の学校が「電子黒板」
を活用した。
外国語活動等におけるモジュール学習の活用状況等
○ 平成25年度は4.8%の学校が実施しており、平成26
年度は5.4%の学校が実施予定である。
○ モジュール学習(教育課程内に実施)における指導
者は、平成25年度は「学級担任」が59.6%と最も多く、
次いで「学級担任及びALT等」が22.5%である。
○ モジュール学習(教育課程内に実施)における使用
教材は、平成25年度は「自作テキスト・絵カード・ビ
デオ」が72.9%と最も多く、次いで「自作デジタル教材・ビデオ」が44.8%である。
○ モジュール学習(教育課程内に実施)の年間指導計画は、平成25年度は83.3%の学校が作成し
ている。
○ モジュール学習(教育課程内に実施)の回数等の状況は、平成25年度は「15分以上20分未満」
かつ「週3回」が25.3%と最も多く、次いで「20分以上」かつ「週1回」が14.2%となっている。
(詳しくは、http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/1358566.htm)
小学校高学年における外国語活動は、基本的に学級担任が行うことが前提となっているが、小学校
の教員で、英検準1級取得者は2.8%、英語免許状所有者は5.3%と英語が堪能な教員の割合はきわめ
て低い。国や各自治体において英語教育に関する研修等が行われているものの、十分とは言えない状
況であり、英語教育に自信がない教員の割合は依然として高い。このような現状の中、各自治体、各
学校において外国語活動の充実を図るために、ALT等の専門人材の活用時数の増加、ICT機器活用割合
の高い水準は当然の結果である。しかし、ALT等との授業の打ち合わせや授業準備。研修時間の確保
等、教員にかなりの負担がかかっており、ICT機器の整備状況も不十分である。英語教育を充実させ
るためには、地域間格差を含め多くの課題がある。
全日教連は、今後の英語の教科化を見据え、全ての児童が充実した英語教育を受けられるよう、英
語学習におけるの専科教員の配置とそれに伴う予算の確保、充実した研修を受けられる体制づくりに
ついて強く訴えていく。