平成26年度期末試験

基礎流体解析 学期末試験問題(平成 26 年度、松井教員)
問1
速度ポテンシャル φ の等高線が流線に直交することを示しなさい。
問 2 長さ 4a の平板が、その重心を原点に、かつ直線 y = 0 に平行に置かれている。この平板に迎え角 α で、
流速 U の流れがあたるときの流れを、ジュコフスキー変換
z=ζ+
a2
ζ
を用いて写像した ζ 空間の中で解く。このことについて、以下の問に答えなさい。
(1) ζ 空間で原点に中心を持つ半径 a の円が、写像により z 空間での長さ 4a の平板に移されることを示し
なさい。
(2) ζ 空間において、角度 α の一様流となる複素ポテンシャルを示しなさい。
(3) この平板の周りの流れを表す ζ 空間での複素ポテンシャルの式を示しなさい。ただし原点まわりの循環
Γ を足し合わせたものとする。
(4) z 空間での平板後縁での速度が無限大にならないためには、後縁にあたる位置での ζ 空間での共役複素
速度 Vζ = 0 でなくてはならない。このことを利用して、Γ の値を記号 a, U, α, π を用いて求めなさい。
問3
x 方向に一様な流速 U で流れている密度 ρ, 粘度 µ の流体の中に、流れに平行に平板が置かれている。
!
この流れの境界層は層流境界層であったとし、その運動量厚さが θ(x) = a (µx)/(ρU ) として (a は定数)、
以下の問に答えなさい。ただし手順も簡潔に示すこと。
(1) この平板の幅が B, 長さ L であるとき、この平板の片面に作用する抗力 D を求めなさい。
(2) この流れにおける排除厚さを推定しなさい。
問4
乱流境界層の中での壁付近の乱流におけるせんだん応力は、流体の密度 ρ と壁からの距離 y および定数
κ を用いて
τ = ρ(κy)2
"
du
dy
#2
とモデル化できることが知られている。作動流体の粘性係数を µ として、以下の問に答えなさい。
(1) 壁の近傍では、せんだん応力 τ は、壁面でのせんだん応力 τ0 の値とほぼ等しくなることが知られてい
る。このことを利用して、この流れにおける摩擦速度 v ∗ の式を求めなさい。ただし項の正負は無視してよい。
(2) 小問 (1) の結果から、この場合の速度分布を求めなさい。ただし y = y1 において u = 0 となるものと
する。
(3) y1 を求めるために粘性底層に近い部分の速度分布を考える。粘性底層の厚さを d とすると
β≡
v∗ d
µ/ρ
の値はどの程度の値となるか。推定しなさい。なお、この値 β は広い範囲の流れにおいて一定となる。
(4) 一般的には d と y1 が比例すると考えられるが、簡単のためこれらが等しいとして y1 を求め、一般的な
対数速度分布と同じ形の式になることを示しなさい。答には β を用いてよい。
(以上)