「物理学 I 」2012年度前期期末試験 担当:山口、吉田 まずは肩ならしから。 [1] 図のように2つの力 F1 と F2 が点 O にはたらいている。F1 と F2 の合力を図に示 しなさい。 F1 O F2 [2] 作用・反作用の法則を説明しなさい。図を用いてもよい。 答 [3] 角の国際単位は [rad] (ラジアン)である。1 rad の大きさについて説明しなさい。図 を用いてもよい。 答 [4] あるバネのバネ定数を測定したい。どのような測定をすればバネ定数が決定できる か説明しなさい。適宜必要な道具や測定器を示し、図を用いて説明してもよい。 答 1 「物理学 I 」2012年度前期期末試験 担当:山口、吉田 [5] 図のように滑らかな床の上を質量 m の物体が速さ v0 で右向きに動いている。この 床面は図の O から右は摩擦のある面になっている。物体は回転することなく1次元運動 するとし、x 軸を図のようにとる。x 軸の原点は O である。重力加速度を g として以下の 問に答えなさい。物体の大きさは無視できるとする。 m v0 O x (1)摩擦のある床面を運動している物体の運動方程式を書きなさい。ただし、物体と床 面の間の摩擦力を F としてよい。 答 (2)物体が点 O を通過してから静止するまでの時間 ts と静止する位置 xs を運動方程式 を解くことによって求めなさい。 解き方 ts= xs= 答 (3)力積と運動量変化の間の関係を使って、物体が静止するまでの時間 ts を求めなさ い。 解き方 ts= 答 2 「物理学 I 」2012年度前期期末試験 担当:山口、吉田 [5](続き) (4)床から物体に作用する摩擦力が行う仕事と運動エネルギーの間の関係を使って、物 体が静止する位置 xs を求めなさい。 解き方 xs= 答 物体が静止した後、水平方向に物体に力を加えて物体を動かそうとした。 f O (5)物体の質量が 2 kg の時、上に記した力を徐々に大きくしていった所 16 N で物体 が動き出した。物体と床面の間の静止摩擦係数を求めなさい。ただし、重力加速度 g = 10 m/s2 として計算し、有効数字1桁で答えなさい。 答 3 「物理学 I 」2012年度前期期末試験 担当:山口、吉田 [6] 長さが b の細い剛体棒(質量:M)が鉛直の回転軸に水平に固定されている。回転 軸は棒の重心を通る。静止している剛体棒に泥ボール(質量:m)が速さ v0 で棒の端 に、棒の長さ軸に対し垂直に衝突した。泥ボールは剛体棒と同一平面上を運動していて、 衝突後壊れることなしに棒に付着した。衝突後、棒とボールは一体となって角速度ωで回 転した。以下の問に答えなさい。ただし、回転軸と棒の間に摩擦はないものとし、泥ボー ルの大きさは無視してよい。 M 上から見た図 G M b ω G m m v0 (1)衝突前の棒の中心に対する泥ボールの角運動量を書きなさい。 答 (2)剛体棒の回転軸に対する慣性モーメントを I として、衝突後の棒と泥ボールからな る系の棒の中心に対する角運動量を I、m、b およびωを使って表しなさい。 答 (3)衝突の前後で角運動量が保存することを使って回転角速度ωを求めなさい。 解き方 ω= 答 4 「物理学 I 」2012年度前期期末試験 担当:山口、吉田 [7] 下のグラフは1次元運動する物体の位置を横軸に、エネルギーを縦軸に示したもの である。曲線は位置エネルギーで、位置 x の関数として x2 U(x) = 3 = U0 (x ≤ a) (x ≥ a) で表されている。物体の質量を m として、以下の問に答えなさい。 エネルギー E1 U0 E2 0 a x 全力学的エネルギーが E1 (> U0) である物体の運動について考えてみよう。 (1)原点における物体の速さはいくらか。 E1 と m で表しなさい。 答 (2)この物体が原点から左向きに運動した場合、物体が静止する位置はどこか。その x 座標を求めなさい。 答 (3)上の物体が原点から右向きに運動した時、x > a における運動エネルギーを求めな さい。 答 5 「物理学 I 」2012年度前期期末試験 担当:山口、吉田 [7](続き) 次に物体の全力学的エネルギーが E2 (< U0) である場合について考えてみる。 (4)この物体の位置 x における速度を v として力学的エネルギー保存の式を書きなさ い。 答 (5)力学的エネルギー保存の式の両辺を時間 t で微分することにより、この物体の運動 方程式が m d2 x = dt 2 となる。空欄に入る式を解答欄に記入しなさい。このような物体の運動をなんと呼 ぶか。 d2 x m 2 = dt 物体の運動 答 (6)この物体に働く力を位置エネルギーと保存力の関係を使って求めなさい。 答 最後に (7)この物体が運動中に何らかの抵抗を受けてエネルギーが徐々に減少していくとす る。この物体の運動の様子を説明しなさい。 答 6 「物理学 I 」2012年度前期期末試験 担当:山口、吉田 [8] 図は分子の速さを測定する装置である。気体を詰めた容器(ガスセル)の一端に穴 を開け、そこから気体分子が飛び出すようになっている。穴が何個か多重に並べられて、 気体分子は水平方向の速度をもってガスセルから出射する。ガスセルの出射孔を原点と し、図のように x 軸(水平方向)と y 軸(鉛直方向)をとる。x=L (L>0) の位置で分子検 出器が鉛直方向に上下できるようになっている。また、これらの装置全体が真空中に配置 されている。以下の問に答えなさい。 y m L x d v0 ガスセル 分子検出器 (1)気体分子も万有引力によって地球と引き合っている。距離 r だけ離れた2質点(質 量 m1、m2)にはたらく万有引力は、万有引力定数を G として F=G m1m2 r2 で表される。 今、気体分子の質量を m、地球質量を ME、地球半径を R とし、地球は中心に全 質量が集中した質点と見なすことが出来るとする。 (a)分子にはたらく引力を書きなさい。 (b)いわゆる重力加速度 g は物理定数の組み合わせとしてどのように表される か。 答 (a) (b) (2)分子検出器を d だけ下げた時、分子が検出された。この分子の出射孔での速さ v0 を決める式を求めなさい。 解き方 v o= 答 7 「物理学 I 」2012年度前期期末試験 担当:山口、吉田 [8](続き) (3)(2)で求めた式の妥当性を次の2つの観点から検証してほしい。 (a)君が求めた式は速さを表しているか。 (b)常温でガスセルに水素ガスを入れた場合、L= 20 m で d= 0.5 mm にした時、 分子が検出された。君が求めた式で決定される分子の速さは km/s のオーダー (桁)になっているか。ただし、以下の数値を必要に応じて使ってよい。 g= 9.8 m/s2、水素分子の質量:mH= 3.3×10−27 kg、地球質量:ME = 6.0×1024 kg 地球半径:R= 6.4×106 m 、万有引力定数:G= 6.7×10−11 N・m2/kg2 答 (a) 答 (b) 8 「物理学 I 」2012年度前期期末試験 担当:山口、吉田 [9] コリオリの力は回転加速度系(非慣性系)において現れる見かけの力である。回転 系の回転ベクトルをωとし、そこで物体(質量 m)が速度ベクトル v で運動すると物体 に働くコリオリの力は 2mv × ω で表される。以下の問に答えなさい。 地球も図のように自転しているため、コリオリの力が現れる。自転軸は南極と北極を通 る軸である。自転の向きから回転ベクトルは図のように北を向く。北極と赤道上で振り子 を振らせたときの運動を考えてほしい。なお、振り子の振動の振幅は変化しないものとす る。 振り子1 ω 回転ベクトル 自転の向き 北極 赤道 振り子2 南極 (1)北極点で振り子を振らせたとき、真上から見た振動面はどのようになるだろうか。 コリオリの力の向きを明らかにして解答欄に書き入れなさい。 説明 初めの振動面 答 (2)赤道上で南北に振り子を振らせたとき、地上真上から見た振動面はどのようになる だろうか。コリオリの力について説明した上で解答欄に書き入れなさい。 説明 初めの振動面 答 9 「物理学 I 」2012年度前期期末試験 担当:山口、吉田 [10] 長さ ℓのひもの両端におもり(質量:m1、m2)をつけて地上から放り投げたと ころ、空中でひもがたるまずに、おもりは重心のまわりに角速度ωの回転運動を始めた。 以下の問に答えなさい。 ℓ ω m2 r2 おもり2 r1 G ω おもり1 m1 (1)重心からのおもりの距離 r1、r2 を m1、m2 およびℓで表しなさい。 r1= r2= 答 (3)一般に、半径 r の円周を角速度ωで等速円運動する物体の加速度の大きさはどのよ うに表されるか。 答 (2)重心系におけるおもり1とおもり2の向心加速度の大きさ a1、a2 を r1、r2 、ωの うち必要なものを使って表しなさい。 a 1= a 2= 答 (3)ひもの張力を m1、m2 、ωおよびℓを用いて表しなさい。 答 (4)重心はどのような運動を示すか、説明しなさい。 答 10
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