PowerPoint プレゼンテーション

*グローバル投資環境
No.976*
ご参考資料
髙木証券投資情報部
欧州委員会の春季経済見通し~2015年の成長見通しを前回
に続いて上方修正
2015年5月7日作成
欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は5日、
春季経済見通しを発表した。
《欧州委員会の成長見通し》
2015年
11月時点 2月時点 今回 11月時点
欧州委員会は2月5日に発表した冬季経済見通しにおい ユーロ圏
1.1
1.3
1.5
1.7
て、2015年と2016年のユーロ圏の成長率予想を1.3%と ドイツ
1.1
1.5
1.9
1.8
1.9%としており、昨年11月時点の1.1%及び1.7%から引 フランス
0.7
1.0
1.1
1.5
き上げていたが、今回は2015年の見通しを1.5%に再上 イタリア
0.6
0.6
0.6
1.1
方修正、その要因として、①今なお相対的に低位にある スペイン
1.7
2.3
2.8
2.2
石油価格、②グローバル成長率の安定、③通貨ユーロの 《インフレ率》
2015年
下落、④ECBによる量的緩和、などを挙げている。一方、
11月時点 2月時点 今回 11月時点
2016年の成長見通しについては1.9%で据え置いたが、
1.2
0.1
0.3
1.4
欧州委員会は、引き続き成長の牽引役は国内需要である ドイツ
フランス
0.7
0.0
0.0
1.1
との見方を示すとともに、今年については民間消費の加
イタリア
0.5 -0.3
0.2
2.0
速が、来年については投資のリバウンドが見込めると述
スペイン
0.5 -1.0 -0.6
1.2
べている。
ユーロ圏
0.8 -0.1
0.1
1.5
インフレ率については、春季経済見通しでは、2015
年を昨年11月時点の0.8から▲0.1%へ、2016年を1.5%
から1.3%へそれぞれ引き下げていたが、今回は2015年
を0.1%、2016年を1.5%へそれぞれ上方修正した。欧州
委員会は、2015年の上期のインフレは引き続き0%近辺
での推移が見込まれるとしているが、下半期からピック
アップし、2016年はそうした傾向が強まると述べてお
り、その要因として、①国内需要の強まり、②生産
ギャップの縮小、③コモディティ価格下落の影響の消失、
④ユーロ安に伴う輸入物価高を挙げている。
(%)
2016年
2月時点 今回
1.9
1.9
2.0
2.0
1.8
1.7
1.3
1.4
2.5
2.6
2016年
2月時点 今回
1.6
1.8
1.0
1.0
1.5
1.8
1.1
1.1
1.3
1.5
(2015、2016年は欧州委員会予想)
1月22日にECBが2016年9月末迄(2%のインフレ目標
達成に向けた持続的な調整を確かなものとするために必
要な場合には延長される)の量的緩和を決定、この決定
に基づく国債買入を3月9日に開始したことを受けて、
ユーロ圏のソブリン債利回りは一貫して低下するととも
に、通貨ユーロの下落が続いていたが、先月半ば以降は
こうした流れに歯止めがかかりつつある。その主な要因
は、ユーロ圏のソブリン債利回りの低下は行き過ぎであ
るとみる投資家が多くなったことだとみられるが、同時
にインフレ見通しの改善が続いた場合には、先に述べた
量的緩和の延長が実施されない可能性が意識されている
側面もあろう。
(文責:勇崎 聡)
(出所:欧州委員会及びBloombergデータより髙木証券作成)
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