みちのくの花野再生塾

みちのく杜の湖畔公園北地区
みちのく自然共生園
みちのく花野再生塾
第5回
平成 27 年 8 月 2 日
オミナエシ、イブキボウフウ、キキョウ、クルマバナ、フクシマシャジン、カワラナデシコ等が咲く半自然草原
①モニタリング
フィールドを1周してモニタリングを行いました。
●樹林地の観察
・コナラ林では、フシグロセンノウ、キツネノカミソリ、シラヤマギク、オトコエシ等が咲いていました。
・トチバニンジンの実が赤く熟していました。
・林床ではアズマザサが繁茂してきています。
写真 樹林の野草の観察
●草原の観察
写真 フシグロセンノウ
・オミナエシが一面に咲き始めました。
・キキョウ、クルマバナ、フクシマシャジンジン、イブキボウフウ、コオニユリ、ヒヨドリバナ、ユウガギク、
ツルフジバカマ、ヤマハギ、ノハラアザミ等が咲いていました。
・宮城県RDB種のイヌハギが増えていました。
・キアゲハがイブキボウフウに産卵していました。イブキボウフウは 1 回しか開花結実しないので、花を食べら
れてしまうと、子孫を残せずに枯れてしまうことになります。
・ナデシコタネコバンゾウムシがカワラナデシコに異常発生したので、危急な対処として、ゾウムシが産卵や羽
化できないように全ての花や実を摘み取る作業を 5 日間実施していますが、摘み忘れが点在していました。
・除去対象のヤブツルアズキやツルマメがあちこちに生育して、野草を覆いつつあります。ヤブツルアズキは小
豆の原種、ツルマメは大豆の原種とされています。所々、除去しそびれたカラスノエンドウがあり、タネを散
布させてしまいました。また、クローバーが昨年除去した場所の一部で実生がでていました。
写真 草原の観察
写真 オミナエシ、コオニユリ、ユウガギク等
●湿地の観察
・サワギキョウ、サワヒヨドリ、エゾミソハギが咲いていました。サワギキョウを訪花したハナバチの背中に花
粉が付くようになっている花の構造を観察しました。
・ムカゴニンジンにキアゲハが産卵していました。
・所々、ツルマメが発芽していました。
写真 湿地の観察
写真 サワギキョウ、花粉も毒のはずですが
②ナデシコタネコバンゾウムシの防除
●ナデシコタネコバンゾウムシ
自然共生園のカワラナデシコにナデシコタネコバンゾウムシが大発生しました。体長2mm程度の濃灰色のゾ
ウムシの仲間です。葉や花の汁を吸うので花がしぼみ、子房に産卵して幼虫がタネを食害します。産卵後、1 ヵ
月内に新たな成虫が羽化すると思われるので、8 月上旬までに全て除去する必要があります。個体数が少なけれ
ば、全ての種子を食べるわけではないので、大きな問題ではないと考えられますが、今年の大量発生がさらにひ
どくなって毎年続くことを懸念して、3000 株以上のナデシコの花や実、全てを摘み取り今後の様子をみます。
写真 繁殖のために花に集まる
写真 タネを食べて育つ幼虫
写真 ナデシコの花や若い実を摘み取ります
写真 オミナエシの群落の中での作業
写真 木陰で大休止
写真 炎天下の中、お疲れさまでした