1. 目的 十勝川中流部に見られる在来の野草による原生花園を創出することで、十勝における新たな観光ス ポットを作り出すことを目指す。 この地区は十勝川温泉の対岸に位置し、十勝エコロジーパークと隣接している地区でもあり、十勝 川温泉及び十勝エコロジーパークに来訪する観光客を含めて、十勝内外在住者が在来種の草花や山菜 を楽しむことができる場所となることを期待する。 また、外来種植物によって平野部から駆逐された在来種植物や、絶滅の危機に瀕している植物の新 たな生育地となることも目指す。 2. 予定地 十勝川中流部で掘削が終了した相川地区(途別川合流点下流部)において、掘削後に発生する土地 約 5ha を活用する。 原生花園創出予定地 (約 5ha) 途別川 十勝川 3. 原生花園創出にあたっての基本方針 ① 導入する植物は十勝川中流部(十勝地方平野部)に自生している植物又はかつて自生していたと 推定される植物とする。 ② 導入にあたっては、種子と根茎を活用するものとする。 ③ 導入する植物の種子又は根茎は十勝地方で採取したものとする。根茎採取は掘削工事予定地から 採取することとし、採取後は出来るだけ早急に復元地に移植する。 ④ 草本植物を基本とするが、林床を構成する木本植物やツル性植物も対象とする。 ⑤ 乾燥した土壌から湿潤した土壌(水域を含む)に生育する多様な植物を導入する。 4.植生区分(ゾーン区分)と導入種 原生花園創出は以下の 3 種類の草原形成を目標に造成するものとする。 ⑥ 在来草地ゾーン(約 3.0ha) ⑦ 山菜ゾーン(約 0.7ha) ⑧ 原生花園ゾーン(約 1.6ha) 使用する草種は以下のものとする。 ① 在来草地ゾーン:オオヨモギ、ヤマハギ、クサフジの他、イネ科を混植する ② 山菜ゾーン:ハンゴンソウ、ヨブスマソウ、ウド、アキタブキ、ヤマブキショウマ、クサソテツ ③ 原生花園ゾーン:季節ごとに開花期が異なる草種を考慮する。加えて低木を混植する。 ① 主な導入候補植物写真(低木類) ナワシロイチゴ カラフトイバラ ホザキシモツケ ホザキナナカマド ノリウツギ ヤマハギ マユミ チョウセンゴミシ ② 主な導入候補植物写真(山菜構成種) ウド ハンゴンソウ ヨブスマソウ オオアマドコロ ユキザサ アキタブキ クサソテツ ③ 主な導入候補植物写真(原生花園構成種) フクジュソウ エゾエンゴサク エゾキケマン オオバナノエンレイソウ オオアマドコロ アヤメ エゾスカシユリ ヒメイズイ クサレダマ ムラサキケマン モメンヅル エゾノコンギク 幕別町相川原生花園 イメージ図
© Copyright 2024 ExpyDoc