みちのくの花野再生塾

みちのく杜の湖畔公園北地区
みちのく自然共生園
みちのく花野再生塾
第6回
平成 27 年 9 月 6 日
オミナエシに訪花したコムラサキのメス
その下ではハナグモがハナアブを捕えていました
①モニタリング
フィールドを1周してモニタリングを行いました。
●樹林地の観察
・コナラ林では、キバナアキギリ、ヤマジノホトトギス、シラヤマギク、ヒヨドリバナ等が咲いていました。
・キバナアキギリにはトラマルハナバチが訪花し、そのハチの背中に花粉が付く花の構造が観察できました。
写真 キバナアキギリの花の構造の観察
●草原の観察
写真 トラマルハナバチを抱きかかえる雄しべ
・オミナエシが一面に咲き、あたり一帯はオミナエシの匂いが漂います。平安時代には、貴族の間でオミナエシ
の花を添えて和歌を詠い合う「をみなへしあわせ」が行われました。香りを詠った和歌もあり、このちょっと
臭いと感じられる匂いを楽しんでいたふしもあります。スキバホウジャクが葉を丸裸にした株もありました。
・ユウガギク、オトコエシ、ヒヨドリバナ×サワヒヨドリ、イブキボウフウ、ツリガネニンジン、イヌハギ、ヤ
マハギ、ノハラアザミ、ヤマハッカ等が咲いていました。ヒヨドリバナとサワヒヨドリの雑種は、葉の付き方
からミツバヒヨドリとも呼ばれ、セイヨウタンポポのようにクローンで殖える性質を獲得しているようで、ど
んどん殖える傾向にあります。まるで、乾いた場所でも育つように適応したサワヒヨドリのように見えます。
・水捌けの悪い場所では、ハッカ、アカバナが咲いていました。ハッカ、ユウガギク等の香りも体験しました。
・外来種のタカサゴユリ、アレチヌスビトハギが殖えてきているので、早めの防除が必要です。
・ハンノキの稚樹がたくさん生えている箇所があり、瘠せ地の草原を維持するためにも除去が必要です。
・サクラソウ園では、絶滅危惧種のイヌセンブリがたくさん発生していました。開拓前の原野であった時代(昭
和 30 年頃)の埋土種子から発芽したものと思われます。
写真 オミナエシの匂いは平安の香り?
写真 オミナエシやイブキボウフウ等の花野
●湿地の観察
・湿性花園ではサワヒヨドリ、サワギキョウ、ムカゴニンジンが咲いていました。ムカゴニンジンにはムカゴが
できていました。
・スゲ原ではツリフネソウが開花し始めていました。トラマルハナバチが花粉を運びますが、体の大きなクマバ
チやクロマルハナバチは筒状の花に頭が入らないので、蜜のある部分をかじって、蜜を盗み取りします。
・サワフタギの青い実がたくさん実っていました。昨年はあまり結実しませんでした。
写真 湿地の観察
写真 サワヒヨドリが見頃
②管理作業体験
●ポット苗の植付け
展望野草園の芝生地に、アズマギクのポット苗を植え付けました。一昨年に播種したのですが、植え付ける機
会がなく、今日になってしまった次第です。この夏の暑さで、だいぶ根腐れしてしまったようです。
ノシバのソッドを剥いで耕耘し、黒土を加えて、ノシバと同じ高さになるように植え付けました。ポット苗に
は雑草が混在しており、それらを除去しながら植え付けました。かつては、ここから山ひとつ越えた秋保の神ヶ
根温泉付近の草土手にもアズマギクが生育していた記録がありますが、ここではまだうまく定着していません。
写真 作業手順の説明
写真 ノシバを剥ぎ取ります
写真 石があるのでなかなか掘れません
写真 土をよく耕して水捌けをよくします
写真 ポット苗を植え付けます
写真 できあがり
お疲れさまでした