煮干しを解剖しよう ― 解剖実験に用いる教材の工夫 ―

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煮干しを解剖しよう
解剖実験に用いる教材の工夫 ―
知多市立旭南中学校
新 美
晋
半田市立半田中学校
赤 松 弘 康
テーマ設定の理由
理科授業の一番の特徴は実験による追究・検証活動を行うことである。児童生徒の中には実験を通
して理科の楽しさを学んでいく者も多い。しかし、実験の準備には時間がかかり、教科書通りの結果
が得られないなどの問題点もある。特に生物分野の解剖実験では、教材の調達や実験後の処理など教
員側に技術が要求されることから、解剖実験の経験が少ない教員からは敬遠されがちになっているの
が現状である。
そこで、本実験では解剖実験の教材に「煮干し」を用いることで教員側の負担を軽減し、児童
生徒に興味関心をもたせられるのではないかと考えた。
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実験の手順
(1)「煮干し」の準備
煮干しが崩れてしまわないように、30分程度お湯につけて柔らかくする。
※使用する煮干しは欠損が少なく、大きめな個体を選ぶ。
(2)解剖の手順
頭部・・・中身が崩れないように半分に開き、眼球や
えら、耳石、脳、背骨などを確認する。
※脊髄の先に脳があるのは人間と同じ。
腹部・・・背骨に沿って体を半分に開き、心臓などの
循環器系や胃や腸などの消化器系を観察する。
※消化管を口から順に観察する。
脊髄・・・内臓や筋肉を取り外し、背
骨についている脊髄や血管
を観察する。
※脊髄は細い糸のように見える。
(3)スケッチ
スケッチをすることで実験の記録とする。
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その他
・煮干しは大量に仕入れておけば実験に失敗しても何度でも挑戦できる。
・いろいろな種類の煮干しを用意すると比較実験ができる。