川瀬産業株式会社(大阪南支部会)

【会情報】
【会員企業ご訪問:Vol 119】
川瀬産業株式会社(大阪南支部会)
今回は、大阪府貝塚市にある川瀬産業株式会社(大阪南支部)代表取締役社長 川瀬
幸久氏、常務取締役営業本部長 道上 喜久男氏を訪ねました。
社名
所在地
資本金
設立
成形機
所有台数
従業員数
川瀬産業株式会社
大阪府貝塚市加神
2丁目20番35号
38,250万円
昭和41年11月14日
流し込み連続成形機
2台
60名
当社の歴史
代表取締役社長 川瀬 幸久氏(右)
、常務取締役営
業本部長 道上 喜久男氏(左)
昭和41年11月に金属表面処理剤や公
害処理薬品の販売を事業とする川瀬産業を
創業いたしました。当初は塩酸、カ性ソー
ダ、塩化第二鉄、カーバイトスラリー、凝
集剤など主に鉄鋼会社向けの排水処理中和
剤薬品販売を手掛けていましたが、高度経
済成長真っ只中に土壌汚染や資源の枯渇に
不安を覚え、廃棄される薬剤を無害化する
事業を始めたいと考え、鉄鋼会社から発生
本社・貝塚工場
する廃酸の有効利用(再資源化)に着目し、
リサイクルビジネスに参入しました。元々、本社・貝塚工場には排水処理設備を有す
る繊維工場があり、それを購入し、排水処理設備はそのまま利用しており、現在の我
社の強みである洗浄のノウハウに繋がっています。1989年に産業廃棄物の中間処
理の認可を取得したことで、化学工業界から発生する廃ポリ容器、ポリドラム、IB
C容器(中型容器)などに薬品が付着していても独自の排水処理設備によって薬剤で
汚れたプラスチック容器(廃プラスチック)を洗浄・粉砕・ペレット化する再資源化
が可能となりました。工業薬品排水処理は農薬や重金属、有機溶液、溶剤以外であれ
ば処理が可能であり、粉砕も出来る工場ということが自社の強みだと思っております。
また、廃プラスチックの発生場所が全国に分散していてもほぼ全国の産業廃棄物収集
運搬許可を取得していますので許可エリアであれば回収可能です。廃プラスチックを
引き取る代わりにリサイクル商品の購入を義務づけるという条件も当社では設定し
ておりませんし、廃プラスチックフィルム(ラップ)は圧縮しなくても引き取ってい
る点も評価に繋がっていると思っております。
製造している製品
~PR したい製品~
廃プラスチックの再資源化です(粉砕・洗浄・原料ペレット化および成形)。リサ
イクル化するまでが当社のマテリアルリサイクルであり、現在約1,200t/月リ
サイクル化をしております。
当社では洗浄、粉砕から粉砕された再生原料を商品化する製造開発まで一貫して担
っています。その一例として木材に代わる台木
としての再生製品“リプラギ(RePlagi)”
は同社のブランド商品であり、日用品や公共施
設などの用途に使用され、車輪止め(車や飛行
機)、台木、杭、各種ストッパー、フロアーマッ
トなどに用いられています。特徴としては腐食
しない点、木屑が出ない点、耐久性に優れてい
る点などが挙げられます。また価格もプラスチ
ック製品に比べると安価です。
「リプラギ」は開
リプラギ
発当初は貝塚工場にて成形をおこなっていまし
たが、現在は24時間稼動できる静岡工場に移管して製造しています。更なる「リプ
ラギ」の発展を図るため海外での普及にも取り組んでいます。また国内3工場(大阪、
静岡、四国)をさらに拡大し、リサイクルの経営の多角化を図った6次産業化を地域
と共に推進したいと思っております。
当社の方針と全従業員で取り組んでいること
職場の作業環境改善や防火対策にも積極的に取り組み全社員が気持ちよく安全に
働ける職場の構築に取り組んでおります。当社では2009年9月にOHSAS
18001(労働安全衛生マネジメントシステム)を認証取得し、月例朝礼において
も常に安全に対して注意喚起をおこない、社員自らが安全に対する意識を高め、行動
するように指導しています。
フォークリフト使用者の現場では「ゆっくり走ろう」など目に見えるところに安全
を意識できるような看板を設置しています。
また地域貢献として小学生を受け入れ工場見学を行っており、今後も継続していき
たいと考えております。
現在の課題
現在は容器が大型化しており、例えば薬品も1t容器が増えております。その結果、
自社で4t車・12t車を所有しておりますが、1度に運べる数が減少して運搬回数
が増え、運搬のコストが増えてしまいます。しかし、大型容器のリサイクル(粉砕)
は当社の強みでもある為、これからの展望にもなりますが、リサイクルの需要がます
ます高まっている中で効率よく廃プラスチックを回収・運搬する為に関東方面での工
場展開も視野に営業強化していきたいと考えております。
これからの展望
リプラギはリサイクル・再生資源としての評価が高く、指定材料になる現場もあり、
公共資材としても使用されるようになりました。今後は、現在7カ国(平成22年に
国内、その後タイ、インドネシア、ベトナム、中国、韓国、アメリカ、メキシコの計
7カ国)で登録商標を申請しているリプラギの海外展開を拡大し、国内だけでなく海
外のお客様にも少しでも当社の製品を通じてリサイクル・再生資材を知っていただき
たいと考えております。
今年7月の創業50周年を迎えますが、自社での一貫製造はトレーサービリティ
(追跡可能性)の対応に答えることが出来、お客様に安全と安心を届けると共に、環
境・リサイクルの川瀬産業と言ってもらえるようにこれからも取り組み続けたいと思
っております。
協会への要望
西プラ主催の新入社員教育訓練講座では、新卒・中途の新入社員が参加しましたが、
社会人としてのマナーだけでなく、プラスチックの基礎知識も学ぶことが出来る講座
は西プラの講座だけなので引き続き利用したいと考えており、私も新入社員がどのよ
うな研修を受けているのか1度参加したいと思っております。中途採用者や内定者用
に新入社員教育訓練講座の動画配信もお願いしたいと思っております。
※会社を拝見して※
今回の会社訪問では取材だけでなく、川瀬社長自ら本社・貝塚工場にておこなわれ
ている廃プラスチックの投入から、洗浄・粉砕・洗浄・製造・出荷までの製造工程の
説明をしていただきました。取材だけでは分からない会社全体の雰囲気を感じること
が出来、貴重な体験となりました。そして自社製品である「リプラギ」を開発しただ
けではなく、増産に向けて新工場の設立、海外展開とこれからの展望がはっきりとし
ており、会社の方向性が真っ直ぐ目標に向かっている点に魅力を感じました。また工
場見学の際には、社員の方々が作業や、フォークリフトの運転を一旦止めて挨拶をし
てくださり、安全だけでなく社員の方々自らが会社の顔だと責任を持って業務に取り
組んでいるところに会社の方針が浸透していると感じました。
◎ありがとうございました取材:事務局
大野・銕尾
※本記事記載の情報については、2015年7月9日現在のものとなります
掲載希望の方は事務局(06-6214-8300)までご連絡ください。