基礎物理学 Ia – 演習問題 II – 回転運動と角運動量 問1 力学では、いろいろな力の影響を受けて運動する物体が取り扱われるが、多くの力の中でも 保存力と中心力は特に重要である。物体がこの保存力、または中心力を受けて運動すると き、その運動にどのような特徴が現れるかについて簡潔に述べよ。 1. 保存力を受けて運動するとき 2. 中心力を受けて運動するとき 問2 以下の問いに答えよ。 1. 2 つのベクトル A と B の外積 C を C = A×B と表す。C の成分を C = (Cx , Cy , Cz ) と表したとき、成分 Cx を A = (Ax , Ay , Az ) と B = (Bx , By , Bz ) の成分を用いて 表せ。 2. 原点 O を始点とする座標ベクトル r の位置にある物体に、力 F が作用したとき、力の モーメント N (または、トルクと呼ぶ) の定義をベクトル積を用いて表せ。 問3 2 次元の xy 平面上において、ある原点 O の周りを運動する質量 m の粒子の座標が、 x(t) = r cos ωt, y(t) = r sin ωt によって表される場合について、以下の問いに答えよ。 1. 速度ベクトル v(t) = (vx (t), vy (t)) の時間変化を求めよ。 2. この粒子の角運動量の z 成分を Lz としたとき、Lz を座標と速度の成分、(x, y) と (vx , vy ) を用いて表せ。 3. この粒子の角運動量 Lz の時間変化を、時間 t の関数として求めよ。 問4 物体の回転運動に関わる角運動量について、以下の問いに答えよ。 1. ある物体の位置座標を、原点 O を始点とするベクトル r を用いて表し、その運動量を p を用いて表す。この物体の角運動量 L を、ベクトル積を用いて表せ。 2. 座標位置 r にある物体に、力 F が作用するとき、トルク N の定義をベクトル積を用い て示せ。また、角運動量の時間変化を記述する運動方程式を、トルク N を用いた式で 示せ。 3. 3 次元空間内にある xy 平面上において、角周波数 ω で等速円運動を行っている質量 m の物体について、以下の問いに答えよ。ただし、円の半径を r とする。 (a) この物体の 3 次元のデカルト座標の時間変化を、ベクトル r(t) の成分の形で示せ。 (b) 同様に、速度ベクトル v(t) = (vx , vy , vz ) を時間の関数として求め、これが座標ベ クトル r(t) と互いに直交することを示せ。 (c) また、角運動量ベクトルの各成分の時間変化を求めよ。その結果に基づき、角運動 量の向きと大きさを答えよ。 1 問5 長さ ℓ のひもに質量 m の重りが吊り下げられた振子 (下図) について、以下の問いに答え よ。図に示すように鉛直下向きを x 軸、水平方向を y 軸とし、これらに垂直な方向として z 軸を定義する。また重力加速度を g とする。以下の問いに答えよ。 y O θ ℓ x mg 1. ひもと鉛直方向の成す角度が θ のとき、時間変化する重りの位置座標 x(t), y(t) を角度 変数 θ(t) を用いて表せ。さらに、xy 面上の速度 vx , vy を時間変化する角度変数 θ(t) を用いて表せ。 2. 前問の解を利用し、角運動量 Lz (t) の時間変化を θ を用いて表せ。 3. 重りに作用するトルクの z 軸成分 Nz を、角度 θ(t) の関数として求めよ。 4. 振子の運動を記述する、角度 θ(t) に関する微分方程式を求めよ。 問6 以下の文章中の (a) から (e) の欄内に入る適切な語句、又は式を答えよ。力 F の影響を受 けた物体の運動は、ニュートンの第 2 法則を用いて数学的に記述できる。この法則は、運 動量 p の時間変化について、 る力が保存力の場合には、 (b) (a) の形に表される。摩擦などがなく、物体に作用す 則が成り立つ。2 つの物体のそれぞれの座標を r1 , r2 としたとき、万有引力の場合と同様に、これらの間に働く力のポテンシャルエネルギーの関 数が、v(r1 − r2 ) の形で表されるとき、作用反作用の力が働く。このような力を と言う。これ以外の他の力が存在しないとき、この系の (d) (c) が保存する。ある点の 周りを回転運動する物体の角運動量が保存するのは、その点からこの物体の受ける力が、 (e) 問7 の場合である。 3 次元空間内にある xy 平面上において、質量 m の物体が原点 O の周りで回転運動を行っ ている。その場合の平面座標の時間変化を、極座標を用いた次の式で表す。 x(t) = r(t) cos θ(t), y(t) = r(t) sin θ(t) 以下の問いに答えよ。 1. xy 面上の速度成分 vx (t) と vy (t) を、極座標成分 r(t) と θ(t)、及びそれらの時間に関 する導関数を用いて表せ。 2. 角運動量の z 成分 Lz を、極座標の変数を用いて表せ。 2
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