2015年 12月 『ころぶ』は体の黄色信号

栄養士だより 12 月
寒冷の候となり、ジングルベルのメロディーを耳にしますと、なんだか日脚に追い
かけられるような気がします。慌てて転倒などしないように気をつけて下さいね。
今月の特集は『ころぶ』は体の黄色信号。
つまずいたり、すべったり……誰にでも起こる「転倒」を予防することが大切です。
特に、高齢者の「転倒」は健康寿命を縮める原因となります。
「健康寿命」が「平均寿命」より、男性は約9年、女性は約12年も短いそうです。
「健康寿命」を延ばすためにも「転倒」について理解を深めましょう。
●転倒の原因
―主な原因は筋肉の衰えです―
転倒は様々な要因が重なり合うことで起こりますが、主な原因として挙げられ
るのが「筋肉の衰え」です。筋力は40歳を過ぎた頃から徐々に低下し始め、70代
に入ると急速に衰えます。中でも特に弱まるのが、歩行や転倒回避、つまづき回避
にかかわる足腰の筋肉です。また、関節疾患により、膝関節や股関節が伸ばし
にくくなることや、骨粗鬆症による圧迫骨折で背中が丸くなることも、バランス
を崩して転倒しやすくなる原因です。
―転倒の原因となる原因―
高血圧や糖尿病、慢性腎臓病などで起こるめまいやふらつきの症状、視力障害に
よる見えにくさや、内耳障害による聞こえにくさなどが転倒の原因となることが
ありますので、心配な方はかかりつけ医に相談しましょう。
●転倒しやすい場所
―転倒の多くは家の中で起こっています―
平成24年東京消防庁の調査によると、高齢者の転倒の第1位は「自宅内」です。
次いで「道路」などの屋外です。転倒は慣れているはずの家の中で多く起こり
ます。加齢で足腰の筋肉が衰えると、足が思うように上がらなくなります。
―最も転倒が起こりやすいのは「居室・寝室」です―
居室や寝室は多くの時間を過ごす場所であり、生活に必要な物品を、雑多に置き
やすい場所です。床の布団やコード、本や新聞など…。転倒予防の第一歩として、
まずは、部屋の片づけと環境整備から始めましょう。
●転倒予防の心得 5 か条
①歩く時はまず、かかとから着地する
つま先が下がっていると、少しの段差でもつまずきやすくなります。
歩く時はかかとから着地するように意識しましょう。
②急な動きは“めまい”のもと
急な動きや立ち上がり動作は、めまいを招き、めまいから転倒を起こすことが
あります。ゆっくりとした行動を心がけましょう。
③外出をする時はゆとりを持つ
普段は気をつけていても、急いだり焦ったりするとつい注意がおろそかに…。
外出をする時はゆとりをもちましょう。
④脱げにくい靴を履きましょう
転倒した時の履物の上位は、スリッパとサンダル。普段から脱げにくく、滑り
にくい靴を履くようにしましょう。
⑤住環境を整備しましょう
居室内を歩く時に、障害になる物は取り除きましょう。足元が暗い場所には
照明を設置し、段差には目印をつけましょう。
●転倒セルフチェック
□過去1年以内に転んだことがある
□つまづくことがある
□手すりにつかまらないと
階段昇降が出来ない
□歩く速度が遅くなってきた
□横断歩道が青のうちに渡れない
□1kmを続けて歩けない
□片足で5秒立てない
□杖を使用している
□タオルが固く絞れない
□めまい・ふらつきがある
□背中が丸くなってきた
□膝が痛む
□目が見えにくい
□耳が聞こえにくい
□もの忘れが気になる
□転ばないかと不安になる
□毎日5種類以上の薬を飲んでいる
□家の中を歩く時、暗く感じる
□廊下、居間、玄関によけて通るものが
置いてある
□家の中に段差がある
□日常的に階段を使わなければならない
□生活上、家の近くの急な坂を歩く
☆10個以上当てはまる場合は転倒の危険が高いといえます。
転倒予防の心得5か条を参考にしましょう。
安富診療所では個々の食生活状況に応じた説明をさせて頂いていますので
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