【一般口頭発表】 15:40~15:50 【一般口頭発表】 (第 1 会場・大ホール) 医療と介護の質及び安全Ⅱ 看護部門 15:50~16:00 (第 1 会場・大ホール) 医療と介護の質及び安全Ⅱ 看護部門 転倒転落に対する意識調査~チェックリスト、アセス 手術患者における安全・安楽な体位固定を目指して メントスコアシートの有効化を目指して~ ~手術前後での圧測定結果から~ 《演者》 《演者》 北総白井病院 國枝 一葉 1.研究目的 入院時すべての患者に転倒転落防止チェックリスト・ アセスメントスコアシート(以下チェックリスト等とする)を 活用し、3 段階のレベルに振り分けハイリスク患者を予 測している。しかし、過去 4 ヶ月間で転倒転落は 11 件 発生している。要因としてチェックリスト等の評価が入院 時だけにとどまり、看護師がレベルの把握が不十分な のではないかと考えた。そこで、チェックリスト等の活用 の実態および対策シールを導入したことで、レベルの 把握に対する意識が向上したかを明らかにする。 2.研究方法 チェックリストについての勉強会を実施。転倒転落の 危険度レベルⅠ~Ⅲに色分けしたシールを作成し、こ れを対策シールとして、ステーション内のネームボード とベッドネームに貼付。転倒転落に対する認識につい てのアンケートを対策実施前後に行った。また、転倒転 落の件数を比較しその患者背景を抽出した。 3.研究結果 対策導入前のアンケートでは、チェックリスト等は知っ ていたが活用方法を知らないという意見が多かった。対 策導入後のアンケートでは、チェックリスト等を正しく活 用でき対策シールを見て患者のレベルを把握すること が出来た。しかし、転倒転落の件数に差異はなかった。 患者背景として、年齢は 65 歳以上で既往歴に転倒転 落をしたことがあり、活動は歩行器具を使用している人 が多かった。薬剤では睡眠薬、下剤、利尿剤、麻薬を 内服していたことが明らかとなった。 4.考察 アンケート調査および勉強会を実施したことにより、 チェックリスト等の正しい活用方法を認識し患者のレベ ルを評価することが出来たと考える。対策シールを導入 したことで患者のレベルが簡易的に見られるようになり、 意識の向上に繋がったと考える。また、レベルⅢの患者 がほとんどであった結果から患者のレベルの把握は必 要不可欠なものだったといえる。高齢者が多かったため 高齢者の特徴や背景にも着目することが必要である。 第 53 回TMG学会 熱海所記念病院 長田 由佳 1.研究目的 固定具と皮膚接触面との圧が手術前後で変化がある のか比較し、皮膚に与える影響と原因を調査する。 2.研究方法 研究期間:2014 年 6 月~11 月 研究対象:全身麻酔による仰臥位の患者 研究方法:胸部・左右手首と固定具との間に圧測定器 (マルチパット型簡易体圧測定器)を入れ、接触圧測定 1)現固定法での圧測定実施 (1)測定時間:手術開始直前、終了直前 (2)固定部位の圧測定 (3)固定部位観察:皮膚変化の有無 2)手術室スタッフ間で体位体験。仰臥位にて体幹・四 肢抑制を行い、意見交換 3.研究結果 対象者は男性 12 名、女性 9 名の計 21 名、全体平 均 75.6 歳であった。手術時間は、全体平均 161 分であ った。各部位の平均測定結果は表1のようになり、手術 前後で前胸部-0.6、右手首-0.1、左手首-0.2 の差を 認めた。手術後皮膚へ変化があったのは、全体 21 名 中 9 名、発生率 42.8%だった。内容として、固定部位へ の測定器痕、コード類の痕、抑制帯の圧迫痕があっ た。患者体験の結果では前胸部、左右の手首共に測 定値 1.3 であった。 4.考察 石川らは「一定時間以上の阻血状態が続いた結果、 不可逆的な組織壊死が生じる」 1)と述べている。皮膚に 変化を認めた要因として、固定時の看護師個々の抑制 方法やしめつける強さの違いから痕が残ったと考える。 また、手術操作を容易にするため執刀医が患者の体へ 寄りかかることや、体の上へ手術器具を置くことがあり、 このことから測定器痕やコード類の痕が残ることも要因 の一つではないかと考える。先行研究でも手術を受け る患者の皮膚変調と手術時間の長さは比例しないと言 われている。対象者の年齢や体格、現疾患、既往、内 服薬などにより皮膚状況は変わりやすい。そのため、皮 膚局所部分だけでなく、患者背景を念頭においたうえ での管理や観察が重要になると考える。
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