訪問歯科の参入による口腔ケアの効果

【一般口頭発表】
15:10~15:20
(第 1 会場・大ホール)
医療と介護の質及び安全Ⅰ
看護部門
訪問歯科の参入による口腔ケアの効果
《演者》
茂原中央病院
森 仁美
1.研究目的
従来の口腔ケアに加え、訪問歯科の専門的ケアを導
入することで得られる効果を検証する。
2.研究方法
1)訪問歯科参入前の患者の口腔内状況を評価
2)従来通りの口腔ケアを実施
3)週 1 回訪問歯科の専門的口腔ケアを実施
4)週 1 回 OHAT スケール、OAG スケールによる
評価を実施
5)写真撮影と常在菌検出検査を実施
6)アンケートを実施
3.研究結果
唾液の項目では、口腔内乾燥・痰のこびりつきが著
明に見られた。歯科から保湿ジェル使用の提案があり
第 2 週より開始した。結果、スケール評価では粘膜項目
にてスコア減少を認めた。歯肉の腫脹や出血が認めら
れた対象者も歯肉がひき締まり、スコア減少が確認され
た。残存歯について、歯垢や残渣が認められ、スコアも
減少した。
4.考察
舌苔と口腔内乾燥に対して、歯科のアドバイスから保
湿ジェルを使用したことで保湿効果が向上した為、スコ
ア減少したと考えられる。歯科導入前は歯肉の腫脹や
出血が認められたが、歯科によるプラークの除去や専
門的な口腔ケアにより歯肉の腫脹が改善されたため、
口腔ケア時の出血がなくなった。また、残存歯に付着し
ている歯垢の残渣も改善された。足立らは「一般的口
腔ケアに専門的口腔ケアが介入することにより口腔内
衛生状態が改善」と述べている。短期間での歯科介入
ではあったが、専門的口腔ケアの参入により、OAG・
OHAT スケール合計点は減少したと考えられる。アンケ
ート結果から肉眼的にも口腔内衛生状態の変化は感じ
られ、今後も歯科の介入を推進してほしいという意見が
聞かれた。
第 53 回TMG学会