仮眠実施から見えた必要性と効果

【ポスターセッション】
15:00~15:30
【ポスターセッション】
(第 4 会場・展示場)
医療と介護の質及び安全
看護部門
仮眠実施から見えた必要性と効果
15:00~15:30
(第 4 会場・展示場)
医療と介護の質及び安全
看護部門
具体的なバースプランを考え実行するための支援
~出産に不安を感じている初産婦への関わり~
《演者》
東所沢病院
《演者》
小島 彩華
1.研究目的
A 病院の夜勤勤務時間は 16.5 時間であるが、明確
な仮眠時間は確保されていない。職員は、休憩は取る
が仮眠を取っていないことが多い状況である。長時間
勤務における、身体的・精神的疲労からくる健康へのリ
スクが近年問題視されている。今回、仮眠時間の確保
を行い、前後に仮眠に対する意識調査を行った。仮眠
の必要性理解と、仮眠時間確保に至った業務改善をこ
こに報告する。
2.研究方法
方法:夜勤業務基準の分析と変更、仮眠導入、仮眠導
入前後にアンケート調査
期間:平成 26 年 8 月~10 月
対象:4 病棟夜勤従事者 20 名
3.研究結果
実施前のアンケートから、仮眠を取っていない理由
が“仮眠が確保されていない”“仮眠を取っている人が
居ない”が複数回答の中 4 割以上であった。業務基準
を見直し、看護・介護職に聞き取りや検討を行い、業務
を整備し仮眠時間を確保した。実施後のアンケートで
は、約 8 割の職員が 30 分以上の仮眠を取ることが出来
た。また、帰宅後の生活や業務の取り組む姿勢、インシ
デント件数などに変化があった。
4.考察
当院の夜勤業務のタイムスケジュールは作成してはあ
るが、各勤務者が勤務中のスケジュールをコーディネ
ートしていたため、仮眠をとるタイミングが不明で、仮眠
をとりにくい環境であったと考える。業務内容を細分化・
整備し、仮眠時間を確保・固定した結果、仮眠を取るこ
とが出来た。仮眠をとることで仕事と休憩のメリハリが出
来たと考える。又、仮眠実施以降の変化から、仮眠は
身体的・精神的疲労の軽減だけでなく集中力や作業効
率の維持、スタッフ職員のワークライフバランスの充実
にも繋がるものと言える。これらの体験を実感したことか
ら、仮眠の必要性を認識することに繋がったと考える。
業務改善を進める上で、業務内容の細分化し見直し
を行うことが大切である。PDCA サイクルを的確に実施
していくことが職員にとっても患者にとっても良いことで
あることが言える。
第 53 回TMG学会
戸田中央産院
白井 多恵
1.研究目的
出産に対する具体的な知識やイメージがない初産婦
に、具体的なバースプランを考え、実行できるように相
談・援助し、自身の関わりが対象にどのような変化をも
たらしたかを明らかにする。
2.研究方法
対象:A 氏、20 代後半、初産婦。
後期指導時にバースプランの説明を行い、出産イメ
ージや知識についてインタビューを実施。産婦の知りた
い情報について指導を行い、バースプラン内容や出産
に向けての気持ちがどのように変化したのか再度インタ
ビューを行う。分娩第Ⅰ期~Ⅳ期を関わり、バースプラ
ンの遂行状態や出産時の様子を経過観察する。出産
後にバースレビューを行う。A 氏との関わりについて文
献を用いて分析する。
3.研究結果
A 氏が知りたい内容の情報提供や相談を行い、疑問
や不安を傾聴した。いつでも相談できる環境を作り、バ
ースプラン内容に沿って分娩進行の流れを視覚的に伝
え、例をあげながら説明し、呼吸法の練習も行った。ま
た、具体的目標を一緒に決め、妊婦健診時に実施状
況の確認を行った。バースプランを考える前後では、出
産が不安から楽しみに変化した。分娩時はバースプラ
ンが達成できるよう関わった。A 氏はバースレビューで
A 氏はほぼ達成できたと自己評価していた。
4.考察
A 氏の知りたい内容を視覚的に情報提供したことで、
出産の知識が増え、イメージしやすくなり、バースプラン
も具体的になっていった。また、一緒に具体的なバース
プランを立て、疑問や不安を相談できる環境をつくった
ことで、バースプランを受け入れてもらえる安心感がうま
れ、出産が楽しみという気持ちに変化したと考えられ
る。さらに、顔見知りのスタッフの継続的な関わりによっ
て、不安の軽減につながり、出産を肯定的に受け止め
やすくなったと思われる。しかし、実際に継続した関わり
は日常では困難であるため、情報伝達しやすいバース
プラン用紙の活用や実際に話を聞いて理解することが
重要であると考える。