第1問 以下の文章は,景観シミュレーションにおける実写と CG の合成について述べたものである. に最も適するものを解答群から選び,記号で答えよ. 景観シミュレーションは,建築物や街路樹によって,景観がどのように変化するかを予測す る手法である.ある街では,高さ 100m のビルを建てる前に現在の景観をディジタルカメラで 撮影し,その画像に建設予定のビルの CG 画像を合成し,ビル建設後の景観を予測することに した. 現在の景観の画像は,図1のようにビル予定地から南側に 100m 離れた地点の地上から撮影 する.ビル予定地や撮影場所一帯の地面は水平であるものとする.ビルの CG 画像を生成する 際は,実際の位置関係に合わせてワールド座標系をつくるとよい.ここでは,撮影地点を原点, 長さの単位をメートルとし,水平東向きに x 軸の正方向,鉛直上向きに y 軸の正方向,水平南 向きに z 軸の正方向となるワールド座標系を考えることにした. a 合成用のビルの CG 画像をつくるためには 投影を用い,ワールド座標系で,視点の b c 座標を ,ビルの屋上の中心の座標を とすればよい. 実写の撮影では,ズームレンズを操作してちょうどビルの上から下までが画像の縦方向に d ˚ にす いっぱいに入るようにしたい.そのためには,垂直画角 (垂直方向の視野角)を ればよい. また撮影時には,ちょうど太陽が真南で 45˚ の角度にあった.CG ではこの太陽光を平行光線で 表すことにすると,光源の方向を表す単位ベクトルはワールド座標系で 20m 20m 屋上の中心 建 設 予 定 ビ ル y 高さ100m 北 100m 撮影地点 x z 図1 e とすればよい. 【aの解答群】 ア.平行 イ.逆 ウ.透視 エ.斜 【b,cの解答群】 ア.^ 0, 0, 0 h イ.^100, 0, - 110 h ウ.^ 0, 100, - 110 h エ.^ 0, 0, - 110 h 【dの解答群】 ア.22.5 イ.45 ウ.90 エ.180 【eの解答群】 ア. 1 1 ,d 0, n 2 2 ウ. d 1 , 2 1 , 0n 2 イ. エ. d 0, d- 1 , 2 1 , 2 1 n 2 1 , 0n 2 問題テーマ ディジタルカメラモデル 出題のねらい 実写と CG を合成するには,その仕組みを関連付けて理解することが必要です.この問題は, 実写のパラメータと CG のパラメータを通して,両者の仕組みの関連付けを問う問題です. 正解答 【解答:a. ウ b. ア c. ウ d. イ e.イ】 第5問 以下の文章は,CG で用いられている曲線や曲面について述べたものである.(1)〜(5)の 文章中の に最も適するものを解答群から選び,記号で答えよ. (1) 図1は 3 次ベジエ曲線 P ] t g をド・カステリョのアルゴリズムによって 2 分割する方法を 示している.ここで, P 0 〜 P 3 は P ] t g の制御点であり, P 0 は P ] 0 g に, P 3 は P ]1g に,それ ぞれ一致する.このアルゴリズムでは隣接する 2 つの制御点の内分点を求めることを繰 1 a り返すことにより曲線を分割する.たとえば,図中のP 0 ] t gは線分P 0 P 1 を a : b= の比に内分した点である. P1 b P ^th P 11 ^ t h a P 02 ^ t h a 1 0 b a b a b P 03 ^ t h P2 P 12 ^ t h a b a P0 【解答群】 ア.]1- t g : t P 21 ^ t h b P3 図1 イ. t : ]1- t g ウ.]1 - t g : t 2 2 エ. t 2 : ]1 - t g 2 (2) 図2で示されたトーラス面を陰関数形式で表すと, _ x 2 + y 2 - 3 i + z 2 -1= 0 2 となる.このトーラス面をパラメータ形式で表すと b となる. 図2 【解答群】 Z ア. ] x = cos i ^ 3 + cos { h ] [ y = sin i ^ 3 + cos { h ] ] z = sin { \ Z イ. ] x = 3 cos i sinh { ] [ y = 3 sin i sinh { ]] \ z = cosh { Z ウ. ] x = 3 cos i + cos { ] [ y = 3 sin i + cos { ] ] z = sin { \ Z エ. ] x = 3 cos 2 i cos 2 { ] [ y = 3 sin 2 i cos 2 { ]] 2 \ z = sin { (3) 図3〈1〉〜 〈4〉は以下の式①で表せる超楕円体を表している.ここで f は,丸みを制御す c るパラメータであり . x c2m f + y c2m f + z 〈1〉 c2m f =1 …………………………………………………① 〈2〉 〈3〉 〈4〉 図3 【解答群】 ア. f を徐々に増加させると〈1〉〜〈4〉へと順に変化し, f = 2 で球〈2〉となる. イ. f を徐々に減少させると〈1〉〜〈4〉へと順に変化し, f = 2 で球〈2〉となる. ウ. f を徐々に増加させると〈1〉〜〈4〉へと順に変化し, f = 1で球〈2〉となる. エ. f を徐々に減少させると〈1〉〜〈4〉へと順に変化し, f = 1で球〈2〉となる. (4) ループ細分割曲面では,細分割後の新しい頂点の座標は,図4〈1〉の辺上点および 〈2〉の d 頂点に対して, で示される値 A 〜 D のマスク(重み)を用いて重み付き平均を求 めることによって得られる.ただし,解答群中で,k は頂点の価数(頂点に接続する辺の 数)であり, b は式②で表される値である. Z 3 ] ] k = 3g ] 16 b =[ 2 ……………………………② ] 1 ) 5 - c 3 + 1 cos 2r m 3 ] k > 3 g ]k 8 k 8 4 \ D B C A A D B D D 〈1〉辺上点のマスク D 〈2〉頂点のマスク 図4 ループ細分割曲面のマスク 【解答群】 ア. A = 1 , B = 1 , C = 1 - kb, D = b 2 4 ウ. A = 1 , B = 1 , C = 1 - 2kb, D = b 2 4 イ. A = 3 , B = 1 , C = 1 - kb, D = b 8 8 エ. A = 3 , B = 1 , C = 1 - 2kb, D = b 8 8 e (5) 図5は細分割曲面の例を示している.この曲面の名称は であり,双 3 次 B スプ e ライン曲面の拡張となっている. の極限曲面は,初期メッシュの頂点の価数が すべて 4 のとき,双 3 次一様 B スプライン曲面に一致する. 図5 【解答群】 ア.カットマル・クラーク(Catmull-Clark) 細分割曲面 イ.ループ(Loop) 細分割曲面 ウ.ドゥ・サビン(Doo-Sabin) 細分割曲面 エ.超 2 次曲面 問題テーマ 曲線・曲面 出題のねらい この問題は,パラメータ曲線・曲面,陰関数曲線・曲面,および細分割曲面について問う問 題です.曲線・曲面の表現法として代表的な 3 つの技法を例にあげ,その基本内容についての 理解度を確かめることがねらいです. 正解答 【解答: (1)a.イ (2)b.ア (3)c.ウ (4)d.イ (5)e.ア】 1 第 13 問 f ^ x, y h = x y a x , y E 1 k で定義された 2 次元のスカラ関数に対する可視化処理の結果に対 して,a〜dの問いに最も適するものを解答群から選び,記号で答えよ. a.上記の関数を擬似カラーコーディングで可視化した結果を示す.可視化結果とカラートラ ンスファファンクションの組み合わせが正しくないものはどれか. 【解答群】 ア. y -1 0 1 x -1 y 0 -1 1 -1 1 x 1 x y 1 -1 0 -1 1 -1 1 -1 0 -1 エ. 1 -1 1 -1 ウ. y イ. 1 1 x 1 -1 b.図1に示すカラートランスファファンクションを表す RGB 表現として正しいものはどれ か.ただし,解答群の図中の赤,緑,青の線がそれぞれ RGB 表現での R,G,B 成分を表し, それぞれ 0 から 255 に正規化されているものとする. 1 -1 図1 カラートランスファファンクション 【解答群】 ア. イ. 255 0 -1 -0.5 0 0.5 1 f ウ. 255 0 -1 エ. -0.5 0 0.5 1 f 255 0 -1 f -0.5 0 0.5 1 -0.5 0 0.5 1 255 0 -1 f c.図2は, f ^ x, y h を等値線で表現したものである.等間隔のスカラ値に対して等値線を描 くことで,スカラ値の変化する勾配の大きさや方向を読み取ることができる.このことに ついて,正しいものはどれか. y 1 Q R -1 0 1 x 1 P -1 図2 f ^ x, y h の等値線表示 -1 【解答群】 ア.スカラ値の変化する勾配の大きさは,点 P,Q,R のなかで,点 P が最も大きい. イ.点 P でのスカラ値の変化する勾配の方向ベクトルは(1.0, 1.0) である. ウ.点 P,Q でのスカラ値の変化する勾配の方向は同じである. エ.点 R でのスカラ値の変化する勾配の大きさは無限大である. d.等値線同様に,2 次元の疎な可視化( あるいは選択的可視化)とよばれるものはどれか. 【解答群】 ア.ハイトフィールド表示 ウ.ボリュームレンダリング イ.等値面表示 エ.ドット表示 問題テーマ 可視化 出題のねらい この問題は,可視化の事例に対する知識と,その効果の理解度を問う問題です.基本的な可 視化技法である,2 次元スカラデータに対する擬似カラーコーディングと等値線を用いていま す.入力データから出力結果を予測できること,出力結果から入力データの特性を予測できる こと,また可視化技法による効果を認識していることが重要です. 正解答 【解答:a.ウ b.ウ c.ア d.エ】
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